日本のカスタムバイクの最高峰が集結 YOKOHAMAホットロッドカスタムショーでチャンピオンに輝いた歴代マシンたち

毎年年末に開催されるアメリカン・カスタムカルチャーの祭典「YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW」には数多くのカスタムバイクが展示されます。今回は、その中で最も優れたマシンに送られる「ベスト・オブ・モーターサイクル」の歴代マシンを振り返っていきます。

YOKOHAMA HCS その歴代チャンピオンマシンたちを見る

 2019年12月1日(日)に神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜でアメリカン・カスタム・カルチャーに焦点を当てた『28th Annual YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW 2019(ヨコハマ・ホットロッド・カスタム・ショー)』(以下:YOKOHAMA HCS)が開催されます。

2018年のYOKOHAMA HCSでは、BMW Motorradが当時、世界未発表のプロトタイプ・エンジンを供給し、カスタムワークス・ゾンによってフルスクラッチ・ビルドされた“DEPARTED R18”が頂点に輝きました。日本のカスタムシーンが世界から注目を集め、評価される証といえる出来事がキッカケとなり生み出されたこの一台であるが、ベストとなった理由は、あくまでも純然たるクリエイティビティ(創造性)とスタイルのバランス。この車両も欧州や米国などの多くのショーでゲストとして出展を果たします

 9月12日の午前10時から行われたWebエントリーでは、わずか30分たらずでモーターサイクル部門のエントリーが定数オーバー。今年も我が国、最大のアメリカン・カスタム・カルチャーの祭典として、益々の盛り上がりが期待されますが、このショーのひとつの特徴として挙げられるのが、出展車両に対する『アワード』の存在ではないでしょうか。

 ムーンアイズが主催するYOKOHAMA HCSでは、バイクの参加が正式にスタートした2002年から会場内で最も優れたマシンを『ベスト・オブ・モーターサイクル』として選出していますが、現在でもその取り組みは続けられています。2002年当時、日本の(バイクの)カスタムショーでは、『コンペティション(競技会・優劣をつけること)』という概念はありませんでしたので、これは非常に画期的なものでした。

2018年の開催時には1万5000人近くの来場者が押し寄せたYOKOHAMA HCS。約650台のバイクが展示されました

「どんなカスタムバイクだろうが、一人、一人のオーナーにとっては、それぞれが一番」という考えから、カスタムバイクに優劣をつけることを反対する意見が、ごく一部にあるのも正直なところですが、しかし、その一方で『ベストを目指す』ビルダーたちが、それぞれに創意工夫を凝らし、製作されたマシンたちがしのぎを削ることで日本のシーンのレベルが向上したという側面もあります。

 加えて新規のショップが極上のカスタムマシンを披露することで、名を売り、それをプロモーションやビジネスにつなげることも、カスタムショーが持つ一つの意義です。現在、高いクオリティを誇る我が国のカスタムバイクやチョッパーは、世界のシーンにまで影響を与えるに至っているのですが、その中心にあるのが年末のYOKOHAMA HCSであることは、業界に関わる者なら異論を挟む人も少ないと思います。

海外のシーンからも注目を集める出展車両たち

 ちなみにバイクのエントリーがスタートした2002年に初代王者となった「モーターサイクルズDEN」は、1975年に東京都練馬区江古田のガレージで佐藤由紀夫氏によって創業され、後に大田区大森に店舗を構えたショップで、日本のチョッパー業界の草分け的な存在のひとつとして知られています。

HCSでモーターサイクル・エントリーがスタートした2002年にベストとなったのが老舗のモーターサイクルズDEN。パウコ製フレームにナロースプリンガーという車体にナックルヘッドを搭載した典型的なチョッパーです。この年の出展台数は100台弱

 その創業者である佐藤由紀夫氏は1992年に不慮の事故によってこの世を去ってしまうのですが、HCSのバイク部門としての第一回にベスト・オブ・ショー・モーターサイクルをDENが獲得したという部分には何か象徴的なものを個人的には感じてしまいます。

 その後、チップ・モーターサイクル/ケンズ・ファクトリー/ブラットスタイル/ヒデ・モーターサイクル/チカラ・モーターサイクル/ヴァーチュオーゾ/カスタムワークス・ゾン/チェリーズカンパニー/アウトキャスト/平和モーターサイクルといったカスタムショップがHCSでは歴代の王者となるのですが、中には世界に名を轟かせ、認識されるショップも多く存在します。

 また、海外のショー主催者から選ばれたショップは、現地でインバイト(招待)ゲストとして招かれることも今では珍しくありません。

2019年12月1日に神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催されるYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW2019。9月12日に行われたWeb上でのモーターサイクル・エントリーは驚くことに僅か30分で定数オーバー。海外からのゲストも多数来日し、益々の盛り上がりが期待されるイベントです。ちなみに2014年からバイクでの来場は禁止なので、訪れる際には公共機関の電車やバスを使用するのが原則。会場の外は“SHIZUKANI”が基本です

 もちろん、参加ビルダーの全員が全員、アワードを狙っているというワケではないのですが、ともかく日本最高峰のカスタムマシンが一堂に会するのが年末のYOKOHAMA HCSです。様々なSNSを見る限りでも、多くのビルダーたちが入魂のカスタム製作をスタートしていることからも、2019年の盛り上がりが予想出来ます。

 ただ一つ注意点をここで述べるとすれば、同ショーは2014年から来場バイクの騒音が近隣で問題となり、今では電車やバスといった公共機関を使った来場が基本となっています。そうした開催の存亡の危機を乗り越えて、今なお盛り上がりを見せているのは、アメリカン・カスタムカルチャーを愛する人々の、一人、一人の協力があってこそです。

 今年も極上のカスタムマシンが12月1日のパシフィコ横浜の会場に並ぶであろうYOKOHAMA HCS……世界から注目を集めるこの催しにアシを運んでみるのも一興ではないでしょうか。

【了】

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Writer: 渡辺まこと

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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