ホンダ次期「ハンターカブ」発売はユーザーの反響次第? デザイナーが語る「CT125」への想いと「CT110」への敬意

ホンダは2019年10月23日から開催されている東京モーターショーでコンセプトモデル「CT125」を展示しました。この一台にはどのような意図が込められているのでしょうか。

発売するかはユーザー次第!? CT125に対するデザイナーの想いとは?

 ホンダは2019年10月23日から開催されている東京モーターショーで、同社の歴史に残るモデル『CT110』をイメージしたコンセプトモデル『CT125』を一般公開しました。

東京モーターショー2019で披露されたコンセプトモデル『CT125』

 2019年9月にプレスへ発表して以来、多くのユーザーから注目を集めている「CT125」は、かつての「CT」シリーズ同様、スーパーカブをベースに製作されていますが、23日のプレスデーでもその高い完成度で多くの玄人記者を唸らせていました。

『CT125』のデザインを担当した本田技研工業の二輪事業本部 ものづくりセンター デザイン開発部 MD・SD課 技師 モデラー、鳥山英二さんに同コンセプトモデルについて話しを聞いてみました。

ホンダ『CT125』のデザインを担当した鳥山英二さん

―――今回発表されたコンセプトモデルは、かつてのCT110が原点とお聞きしていますが、数あるカブ系モデルの中でCTを選んだ理由を教えて下さい。

 今回製作した“CT125”は、ホンダのヒストリーの中の一台であるCT110を原点に持ちながら、コンセプトモデルという形で提案をさせて頂いております。

 また、CTを選んだ理由については、「お客様が欲しいんじゃないかな」という点と、自分たち創り手のほうも「欲しいんじゃないかな」という想いからです。

―――近年、ホンダはショーで発表したコンセプトモデルに近い姿で市販モデル化する傾向にあるように感じますが、CT125も実際に発売される計画はあるのでしょうか?

 市販化については多くの方から聞かれますが、今回はあくまでも参考出品ですので、現時点ではそういう計画は無いとだけお答えしておきます。

 ただし、お客様に期待を高めて貰えれば、逆に要望を頂いて販売するという方向にも持っていけるのかなと思っています。やはり新型として発表して“こんなのは……”と思われても残念ですし、売れないものを作ってもしょうがないというのも正直なところです。

秀逸な完成度のCT125。デザイン面での苦労は?

―――CT125はCT110と排気量も異なりますが、実際にデザインする上で苦労された点などはありますか?

 とにかく一番大事なのは、CT110の雰囲気を崩さないようにすることでした。

オフロード性能を演出するため、十分なロードクリアランスが与えられたCT125。創り手の拘りが込められたポイントです

 また、特に拘ったのが『オフロード性能の演出』なんですが、車高を上げるとシート高も上がってしまい足付き性が犠牲になるため、その点のバランスには非常に気を付けています。極力、ロードクリアランスを確保しながら、誰でも乗りやすい車両を目指しました。

あとの細かいことは色んなメディアさんで紹介されているのでほぼ、そのとおりです(笑)。

―――現時点でもかなり高い完成度だと思いますが、仮に市販化するならば、どういった点を詰めていきますか?

 あくまでもコンセプトの提案ですので、「本当に実現するの?」という根本的な所を詰めていかないといけないのかなと感じています。逆にユーザーさんの要望をより多く聞いたほうがいいかなとも思いますね。

 疑問点が残る箇所もあるかもしれませんが、創り手側としては、コンセプトモデルですが結構、創り込んできたつもりではいます。

―――シャシーやエンジンに関してはC125と共通になるのでしょうか?

 エンジン・スイングアームに関しては共通ですが、フレームは若干違います。現状、強度的にどうかなというレベルですが、検査を通れる想定で設計しています。

市販化するかはアナタ次第!? ホンダ『CT125』を画像でチェック

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