オフロードバイクでどこを走ればいい? 専用に整備されたいろいろなコース

ロードレーサーが走る場所はサーキット。ではオフロードバイクのレースはどのようなコースで行われているのでしょうか?

“整えられた”オフロードコースとは?

 オフロードバイクの競技が行われるコースには色々な種類があり、競技やコースによって全く異なる走破能力が求められます。代表的なオフロードコースを見てみましょう。

モトクロスは30台ほどが横一線でスタートするためスターティンググリッドが設けられていることが多く、ゲートが倒れた瞬間に飛び出すため迫力のエンジン音や砂煙、最初のコーナーでの激しい攻防が見所(写真/熊本県・HSR九州)

 まずモトクロスコースでは「モトクロッサー」と呼ばれる専用競技車両を使ったモトクロスレースが行なわれます。1レース30台ほどが一斉にスタートし、決められた時間で速さを競います。

 早くは3歳からモトクロスをはじめる子供も少なくありません。日本や世界のトップライダーの多くが幼少期からモトクロス競技人生をスタートさせています。

 モトクロスコースは、ジャンプや高速コーナーなど全体的にハイスピードなコースです。ロードサーキットと大きく異なるのは、激しく変化する路面コンディションです。

 時間の経過や天候によって、路面の性質は大きく変わります。大雨がざっと降った後や、埃防止のために散水しただけで、路面の滑り方が全く変わってきてしまうのです。

 また、複数のバイクがコースを何周も走るため、路面が荒れて深い轍(わだち)やギャップ(デコボコ)が生まれます。

 そんな状況でいかに速く、スムースに駆け抜けるかが勝敗の分かれ道になります。優れたライダーは路面攻略やライン攻略に長けており、瞬時にベストな走り方を判断します。

 地方によってコースの土質が異なるのも面白いところです。日本で言うと、近畿・中部地方は山砂系で比較的グリップが良く、関東地方は関東ローム層に代表される粘土質の路面が多く、晴天時は硬質でとても滑りやすく、雨が降るとベトベトした重い泥が車体にまとわりつく泥濘(でいねい)になるのが特徴です。

 ヨーロッパで言うと、オランダは深いサンド(砂)で有名です。世界選手権を戦うライダーは、サンドやディープマディ(深いぬかるみ)などを攻略するため、オランダやベルギーに拠点を置くことが多いくらいです。アメリカでは、雨が少なく乾いた土の多い西海岸と、泥濘が多い東部ではまるで異なります。

トップライダーは激しく動く車体に対して頭の位置を一定に保ち、フープスをハイスピードで通過する

 モトクロスコースは大小さまざまな形状のジャンプに加え「フープス」と呼ばれる段々状のセクションもあります。昔は「ウォッシュボード」と呼ばれ、文字通り“洗濯板”のような形状に由来します。ジャンプもフープスも、サスペンションのセッティングやライダー自身のテクニックが活かされる大事なセクションです。

 エンデューロコースも様々なシチュエーションがあります。日本でメジャーなクロスカントリーでは、石がゴロゴロしているガレ場や森林、林間を走るウッズなどが多く、ひとつの特徴となっています。山間部やゲレンデ(オフシーズンのスキー場など)を走るため、上り坂(ヒルクライム)や下り坂(ダウンヒル)もあります。

ウインターシーズンはスキー場、オフシーズンは人気のレース場となる長野県爺ヶ岳スキー場では、ガレ場が続くセクションがテクニックの差が出やすくギャラリーポイントにもなっている

 また、一部公道をコースとして使用する『日高2デイズエンデューロ』などでは、公的な走行許可を得られたエリアの中で、川渡りや一般公道(信号待ちもあります)も走ります。エンデューロの本場、ヨーロッパでは住宅街を走ることもあります。

 トライアルコースも山間部を使うことがありますが、エンデューロがタイムや周回数を競うのに対して、トライアルはセクションの走破力を競います。一度も足を付かずにセクションをクリアすることを目標に走ります。

 人工的なセクションにはヒューム管(上下水道などに使われるコンクリート製の管)や巨大タイヤ、ステアケース(階段)など様々なものがあります。

 丸太などは、近年はエンデューロでもお馴染みのセクションとなっており、トライアルテクニックを身につけようとするエンデューロライダーも多く見られます。

トライアルは大きな岩など自然の地形を活かしたセクションも多く、比較的至近距離で観戦することができる。スピードを争う競技でなく、間近で観るトップライダーのトライは大迫力

 以上の代表的な例のように、オフロードコースは不整地や、あえて障害物を設置して難易度を上げたルートをオフロードバイクで走るため、ある意味“整えられた”特別な場所なのです。

【了】

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