the「燃費」水平対向6気筒エンジン搭載!! ホンダ「Gold Wing Tour DCT」の燃費性能は!? 2020年モデルを測る

排気量1833ccの水冷水平対向6気筒エンジンを搭載するホンダの大型プレミアムツアラー「ゴールドウイング・ツアー DCT」(2020年型)のツーリング燃費を測ってみました。

豪華さ、重さ、横綱級。世界が認めた6発ツアラーの燃費性能は?

 日本が誇るラグジュアリーツアラー「GOLD WING(ゴールドウイング)」は、初代から水冷水平対向エンジンを搭載し、1987年まで4気筒、以降は6気筒となり、このカテゴリーに居た日本メーカーのライバル達に追従することの無意味さを説き、引導を渡すことに。ハーレー・ダビッドソンなどのクルーザー系ツアラーともライバル関係であり、マルチシリンダーツアラーとしてはBMW Motorrad「K1600GTL」がさしあたってのライバルとなるでしょうか。

実際の燃費はどうなのか? ホンダ「Gold Wing Tour DCT」(2020年モデル)を走らせる筆者(松井勉)

 2018年に17年ぶりのモデルチェンジで6代目へと進化したゴールドウイングは、シリーズの歴史は2021年で46年目を迎えます。現行型(2021年モデル)はACGスターターを備えたことで、発電機がスターターモーターを兼ねるため、外付けスターターモーターや、その力を伝達するのに必要なギアが不要となり軽量、コンパクト化されています。

 6気筒エンジンの特性は極めてスムーズ。最高出力は93kWと目を見張る数値ではありませんが、最大トルクは170N・mを4500rpmで生み出すあたりにこのバイクが求める真髄がありそうです。また7速DCTモデルはエンジンの力で後退するリバースギアも備えています。

 すでに2021年モデルがリリースされていますが、その直前に2020年モデル(DCTモデル)でthe「燃費」のテストを行ないました。383kgの車重、大排気量、しかもDCT7速、この組合せ、結果はどうだったのでしょうか。

 ちなみに「ゴールドウイング・ツアー」の燃費性能は、定地燃費値(60km/h、2名乗車時)が27km/lで、WMTCモード値(クラス3-2、1名乗車時)では18.2km/lとなっています。この燃費データは2021年モデルも全く同じです。

 価格(消費税10%込み)は2020年モデルが338万1400円、2021年モデルは装備が充実したことで346万5000円となっています。

ホンダ「Gold Wing Tour DCT」(2020年モデル)車体寸法は全長2475mm×全幅905mm×全高1340mmから1445mm(スクリーン最上位置)、車両重量は383kg

 the「燃費」では毎回同じルートで市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)の燃費を計測しています。無理な低燃費運転はせず、あくまでも流れに合わせた走行をしています。

 記事中にある走行距離、燃費値は車載のトリップメーター、平均燃費計の数値です。今回、走行モードは「ECON(エコノ)」を選択。いわゆるエコモードですが、走りに全くダルさがなく、ツアーモードよりも個人的にお気に入り、というもの選択理由で、走りを充分楽しめると判断したからです。

市街地燃費、アイドリングストップが効果を発揮!

 ACGスターターとなった現行型はアイドリングストップが装備されます。the「燃費」の市街地ルートは、東京都内の外苑周辺をスタートし、国道246号線で皇居外周へ。丸の内、銀座、晴海、豊洲を経て首都高速湾岸線沿いを走る国道357号線、東雲付近までを計測します。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

 計測距離12.1kmで燃費は18.4km/lでした。アイドリングストップ機構無しで同一ルートを走ってみましたが、キャンセルした場合は17.1km/lとなり、スタート地点まで戻る往復では16.5km/lとなりました。信号待ちの回数が増えるほど数値が目減りします。アイドリングストップ有りでの往復は18.5km/lと、目減り全くなし。計測ルート往復だと2km/lという差は、その効果を認めざるを得ません。

高速道路、クルーズコントロールで快適走行

 都内の市街地燃費測定後、the「燃費」取材班は房総半島南部へ場所を移し、高速道路、快走路の計測です。高速道路は往路、復路の2区間で計測しており、往路はアクア連絡道「袖ケ浦IC」から館山道を使い南端終点となる「富浦IC」出口直近にあるコンビニまでの53km区間、制限速度は80km/h、100km/h、80km/h、70km/hと変化します。

ハンドル右手のスイッチボックスからDCTとクルーズコントロールを操作

 復路は快走路計測を終え、館山道「富津中央IC」からアクア連絡道「木更津金田IC」までの25.1kmで計測。こちらは制限速度100km/hから80km/hへ変化します。

 アクア連絡道は比較的平坦ですが、館山道の計測区間はアップダウンが連続するほか、季節、時間によって海風の影響を受ける場面が多く、一定速度でもアクセル開度の変化が多いのが特徴です。

 その中、往路53kmで燃費は23.4km/l、復路25.1kmで燃費は22.4km/lをマーク。2区間の計測平均は22.9km/lとなりました。

 クルーズコントロールを使った快適走行で、この巨体と排気量で意外な数字に感じました。じつは市街地燃費計測後、首都高湾岸線やアクアライン経由で木更津まで移動した時25.5km/lだったことを考えると、80km/h程度で平坦路中心であればさらに燃費は伸びる可能性がありそうだ、と感じたほどです……。

快走路、見た目を裏切る軽快な走りが楽しい!

「ゴールドウイング・ツアー」に乗っていると、多くの人から羨望のまなざしを受けます。それは「これだけ大きなバイクを運転するなんてスゴイ!」というもの。380kgを超える車重より、表面積が見せるクルマのようなサイズ感からくるインパクトが大きいようです。しかし、快走路でも「ゴールドウイング・ツアー」が見せる走りは軽快です。もちろんネイキッドバイクのようではありませんが、想像の斜め上をゆくほど。「大変そう」と思っている人には申し訳ありませんが、走るのが楽しくて仕方が無い、と言うのが本音です。

大きな面が迫ってくるような巨艦だが、意外と軽快な走りを楽しめる

 さて、快走路では3区間で計測をしています。区間1は「富浦IC」直近のコンビニ駐車場をスタートし、内陸を南下する安房グリーンラインを経由して房総半島南端エリアまでの21.7km区間、ワインディングとアップダウンが多くあるルートで、23.5km/lをマーク。

 区間2は南端エリアから国道410号を北上し、県道34号の交差点を保田方向へ、途中にある「大山千枚田」までの38.4kmです。前半は海岸線沿い、国道が内陸に入ってからはアップダウンが続くダイナミックなツーリングルートで、燃費は22.4km/lでした。

 最終区間は「大山千枚田」から県道34号、紅葉ロードを経由して館山道「富津中央IC」まで。他のルート同様アップダウンが多く、気持ち良いワインディングを楽しめる25.6kmで23km/lを記録。DCTでのワインディング走行は、シフトダウンを手元のスイッチから出来ることもあり、巨体が嘘のようにリズミカルに走ります。大排気量とトルクが生み出す低回転でも満足感の高い走りを堪能しました。

ライバルを一歩リードする燃費結果に

 結果的に「ゴールドウイング・ツアー」は“意外と小食”であることが解りました。プレミアムクラスのほとんどがハイオクガソリン指定ですが、このバイクはレギュラーガソリンでオッケイ! これはちょっと嬉しいポイントです。高速道路よりもワインディングが楽しいのは、ホンダらしいと思ったところです。

排気量1833ccの水冷水平対向6気筒エンジンを搭載するホンダ「Gold Wing Tour DCT」(2020年モデル)と、排気量1648ccの水冷直列6気筒エンジンを搭載するBMW Motorrad「K1600B」(2017年登場)

 ライバルと目されるBMW Motorrad「K1600B」との比較をすると、市街地14.6km/l、高速道路21.9km/l、快走路23.8km/lと、市街地で大差を付けたほか、快走路では一歩譲ったものの、高速道路では排気量、車重のハンディを跳ね返したのは立派と言うべきでしょう。

■ホンダ「Gold Wing Tour DCT」(2020年モデル)燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:175.9km
市街地:18.4km/l
高速道路:22.9km/l
快走路:23.0km/l

【了】

【画像】あらためて、2020年モデルのホンダ「Gold Wing Tour DCT」の燃費を実際に走って調査!(11枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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