EVバイク21社47台が伊豆市に集結 地元高校生らが園内で安全走行の実証や観光誘致をPR
EVバイクメーカー21社47台が伊豆市内のテーマパークに一堂に集結。来園者に試乗できる「電動バイク・ミーティング」が、2021年10月3日に開催されます。
地元の高校生らが中心となり、EVバイク試乗と観光をマッチング
EVバイクメーカー21社47台が伊豆市内のテーマパークに一堂に集結し、来園者が試乗できる「電動バイク・ミーティング」が2021年10月3日に開催されます。

活動の中心となっているのは伊豆半島在住の高校生らの課外クラブ「原動機研究部」のメンバー約10人です。高校の部活として車両整備を経験した卒業生が、課外伊豆半島地域の高校生、高専生らを部員として迎え、クラブ活動として発展させ、3年目になります。彼らはこの日のために1カ月前から試走を繰り返し、今も準備を続けています。
地元愛にあふれた10代と、伊豆市の施設がタッグを組む
会場となる伊豆市修善寺町の「虹の郷」は、50万平方メートルの敷地にイギリス村、カナダ村、日本庭園、フェアリーガーデンなど、さまざまな街並みが再現されています。
アスファルト舗装だけでなく石畳、玉砂利などさまざまな路面があり、1周約3.5kmにも及びます。さまざまな路面環境は、EVで快適、安全に走ることができるか、その性能を試すテストコースとして最適だと、部員たちが選びました。
3日午前中は、原動機研究部の部員がデモ走行、同日午後からは、来場者向けの試乗や、修善寺周辺の旅館などを目的地に公道試走を予定しています。
単なる部員の試乗ではなく、イベントにすることで、伊豆の魅力を発信しながら、観光誘致につなげるのが狙いです。
虹の郷は1924年に修善寺町制施行記念事業として開園した修善寺公園にルーツを持ち、伊豆市が所有しています。
伊豆市長も応援 「EVバイクを実際に見てみたい」
2021年9月27日の市長定例会見では、伊豆市もこのイベントを紹介しており、菊地豊市長が試乗する原動機研究部の部員との交流を語りました。

「原動機研究部のことを市議会議員から教えてもらい、この数カ月間バイクでいっしょに走ることになった。その当時の私の思いとしては、自分が若い頃に免許を取って乗ってましたので、今の若い人にもマナーを守って安全に乗ることを一緒にできたらいいなと、ツーリングもしました。彼らはとてもまじめで、機械いじりの好きな子たちだったので、そこは応援していきたいなと」
虹の郷にやってくる47台は、賛同する全国各地の販売店が持ち寄ります。部員や保護者が全国のEVバイクを手掛ける販売拠点に直接働き掛けて実現させました。
話題の立ち乗り方式の電動キックボードの中には、タイヤ径を大きくし、通常はフレームだけで衝撃を吸収するところを、サスペンションを付けて走行安定性を向上させた車両や、公道走行を目的にタイヤを3輪にした車両もあります。
また、見た目は原付バイクですが、ペダル付きで自転車として使うことができて、ナンバーを隠す装置を後付けするとバイクとしても自転車としても両方のモードで公道走行可能なハイブリッド・バイクも登場します。
菊地市長は、このEVバイク・ミーティングに期待しており、「私も実際見てみようと思います。伊豆市で活用できるかどうか、現場を見て判断してみたい」とコメントします。
当日は、静岡県議会議員や伊豆市会議員も視察に訪れるそうです。
【了】
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。