電動キックボードの規制が緩和へ ネットでは賛否両論の声も
新しいモビリティとして注目されている電動キックボードですが、警察庁が電動キックボードの規制を緩和する方針を固めたとの報道がありました。電動キックボードの規制緩和前と後ではどのような点が異なるのでしょうか。
電動キックボードの規制が緩和へ
新しいモビリティとして注目されている電動キックボードですが、警察庁が電動キックボードの規制を緩和する方針を固めたとの報道がありました。電動キックボードの規制緩和前と後ではどのような点が異なるのでしょうか。

2021年12月23日、複数のメディアが、警察庁が電動キックボードの規制緩和の方針を固めていることを報じました。
電動キックボードは、2002年11月に警視庁交通局が出した文書において、道路運送車両法上の「原動機付自転車」と同じ位置づけに定められています。そのため、現在電動キックボードに乗る際は、原付バイクと同じように運転免許の所持、車道通行やヘルメットの着用などが義務付けられています。
しかし、今回の報道によると、時速20キロ以下で走行する電動キックボードは、16歳以上であれば運転免許がなくても、乗車を可能にするという方針を警察庁が固めたようです。
その他にも、時速6キロ以内で走行していることを表示する機能があれば歩道での走行も可能にすること、ヘルメットの着用は努力義務になる、などの方針が出されています。これらは、電動キックボードを含めた道路交通法の改正案として、2022年の通常国会で提出するようです。
つまり、現在は道路交通法上で原付バイクと同じ区分にある電動キックボードが、改正案が可決された場合は、自転車に近しい位置づけになるという流れが生まれているということです。

SNS上でも、電動キックボードの規制緩和に対する、さまざまな声が上がっています。
「新しい交通手段が普及するためには規制緩和が必要」の声や、運転免許不要であることから「自転車より電動キックボードのほうが便利かも」などと規制緩和に好意的な声が聞こえる一方で、「信じられない。事故の増加は間違いなし。絶対にやめてください!」や「そもそもキックボードにかかわらず自転車のルール等を改めるもしくは教育すべき」などの批判の声も上がっています。
規制緩和によって、電動キックボードは自転車と近しい位置づけになりますが、自転車が道路交通法上では軽車両として扱われているにもかかわらず、電動キックボードは免許制や年齢制限等もないことなど、危険性を危惧する声も上がっています。
電動キックボードが、自転車に近しい位置づけになるという流れの始まりは、2020年7月2日にさかのぼります。同年の有識者検討会を第1回とし、現在に至るまで計9回にわたって、「多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会」が開かれてきました。
この会は「技術の進展等によるモビリティの多様化を受け、多様な交通主体すべてにとっての新たな交通ルール等の在り方を幅広く検討するため」に議論を重ねられてきました。

海外では、すでに電動キックボードや自動配送ロボット、「セグウェイ」などの搭乗型移動支援ロボットなどのマイクロモビリティが普及していますが、日本ではまだ実証実験の段階であり、海外と比べて普及が遅れています。
これは、現状の日本の交通ルールは、マイクロモビリティの使用を想定して作られたものではないことが要因のひとつと考えられます。
また、現状の道路交通法では、マイクロモビリティが持つ利便性やメリットを生かしきれないという懸念や、歩行者や走行車両、マイクロモビリティ双方にとって快適かつ安全な交通ルールを制定する必要があることも挙げられます。そういった背景があるからこそ、電動キックボードの規制緩和の方針がなされているといえます。
実際、電動キックボードの運用や安全性を検証するために、実証実験も行われています。特例措置として、小型特殊自動車としての位置づけや、自転車道の通行が可能になっています。
また、ヘルメットの着用も任意とし、電動キックボードを押し歩きする場合は歩行者として扱われます。実施期間は2021年4月23日から2022年7月までの予定で、実施区域は東京都の千代田区、中央区、世田谷区などの8区及び立川市の全域です。その他にも、大阪やつくば市などでも、電動キックボードの実証実験が行われています。
電動キックボードは、先述したとおり、原付バイクと同じ区分として扱われています。そのため、現在の条件下で実際に運転するには、原付バイクと同様に、運転免許証の所持や、公道での走行時は車道の左側を通行することが求められます。

また、右側通行や歩道での走行は禁止されているだけでなく、ヘルメットの着用義務に加えてナンバープレートの取り付け、制動装置や前照灯、サイドミラー、警音器、反射器などの取り付け及び整備を行い、道路運送車両法の保安基準に適合していなくてはなりません。
さらに、自賠責保険(共済)に加入することや、軽自動車税納付の義務も生じます。電動キックボードは使用者だけでなく、販売店側も上記の内容をユーザーに説明した上で販売する必要があります。
「電動キックボードは無免許でも乗れる」など、ユーザーに誤った説明で販売した場合、虚偽に値するとして刑事責任を問われる可能性もあります。ちなみに、法改正前後ともに、15歳以下は乗ることはできません。
もちろん、電動キックボードで違反した場合でも、罰則が発生します。例えば無免許運転の場合は、道路交通法違反として、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられます。

制動装置、サイドミラー等の整備不良の場合は、整備不良車両運転として3か月以下の懲役、又は5万円以下の罰金が課せられます。また、自賠責保険に未加入の場合は、無保険運航にて1年以下の懲役、又は50万円以下の罰金が課せられる場合があります。
そのため、電動キックボードは手軽な移動手段と感じるかもしれませんが、あくまでも原付バイクと同じ区分の扱いであることを、理解しておく必要があるといえます。
新しいモビリティだけでなく、自転車など従来のモビリティについても、今一度交通ルールの徹底や改正を行う必要があるのかもしれません。
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歩く距離としては少し遠いが、電車やバスなどの公共交通機関が通っていない「ラストワンマイル」の交通手段としても、電動キックボードは注目を浴びています。新しいモビリティとして安全に運用されるためには、法改正後にルールを世の中に周知していく必要があるといえそうです。





