クルマのドライバーに聞いてみた! 電動キックボード普及の不安点とは

規制の緩和により、街中で電動キックボードを目にする機会が増えました。これに比例するように、電動キックボードが関わった交通事故も多発しています。そこで、クルマのドライバーが電動キックボードの普及に対し、不安に感じている点を聞いてみました。

交通ルールがわかりにくい!? ドライバーのリアルな声

 道路交通法改正による規制緩和で、電動キックボードは「特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)」に分類されることになりました。それにより、街中を走行する電動キックボードの姿を目にする機会が増えたと同時に、電動キックボードが関わった事故が多発しています。

 そんな状況に対しクルマのドライバーは、電動キックボードのどんな点に不安を感じているのでしょうか。

 都内を走行する機会の多い男性ドライバーH氏は、次のように話します。「電動キックボードは、自転車や原付と比べてもタイヤが小さく不安定に見えます。そのため、路上の小石で簡単に転倒したり、溝にタイヤがハマってよろけてしまい、後続車が撥ねてしまうのではないかといった不安があります」

 実際、SNS上でも「小さい段差を乗り越えようとして転んでいるのを見かけた」や、「実際に乗ってみたけど、あの速さだと小石とか縁石を踏んだだけで転ぶと思う」などの声が数多くみられました。

 さらにH氏は「電動キックボードの交通ルールがいまだにわかりにくいです」ともいいます。

「これまでは原付同様の扱いだったようですが、規制が緩和されたことによって道路交通法上ではどのように規定されているのかに加え、社会的にどういう位置付けの乗り物なのかが分かりにくいと感じています。二段階右折は必要なのか、自転車や原付に似てはいるがまったく異なる交通ルールが定められているのか、まだ浸透しきっていないように思います」

一体どうなっている? 電動キックボードの正しい交通ルール

 2022年4月19日に改正された道路交通法によると、車体が長さ190cm×幅60cm内に収まり、最高速度が20km/h以下となる電動キックボードなどの特定小型原付は、16歳以上であれば運転時の免許が不要となっています。

規制緩和で広く普及しつつある電動キックボード
規制緩和で広く普及しつつある電動キックボード

 また、車道のほかにも普通自転車専用通行帯や自転車道の走行が可能で、最高速度が6km/h以下に制限されたモデルは、歩道を走行することもできます。

 さらにヘルメットの着用は任意に変更され、バックミラーも不要となる見込み。一方で、ナンバープレートとウインカーの装備は変わらず必須と定められています。

 もしもナンバープレート等を装備せずに走行した場合は、道路交通法第62条違反に該当し、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられる場合もあるため要注意。

 その他にも、「走行中にバッテリーが切れたらどうするのかや、人にぶつかってしまったりクルマとの接触事故を起こした場合の保険や過失割合はどうなるのかなど、気になる点は多いです」とH氏は話します。

 事故にあった場合の過失割合は事故状況によりますが、電動キックボードはクルマやバイク同様、自賠責保険への加入は必須となっています。もし、自賠責保険に加入せずにキックボードで走行すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるので覚えておきましょう。

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 都内では電動キックボードの飲酒・酒気帯び運転の取り締まりが相次いでおり、今年に入ってから4月27日までに8人が検挙、3人が警告を受けたという事例もあります。

 道路交通法が改正されたことにより、以前よりはるかに手軽な乗り物となった電動キックボードですが、交通ルールに違反する車両は後を絶ちません。

 もちろんすべての乗り物にいえることではありますが、自身や周囲の人を守るためにも、運転する場合はきちんと交通ルールを理解することが重要です。

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