トラス構造の鋼橋100年いけるか!? 首都高が「荒川湾岸橋」の損傷状況をアノ手この手で点検・見つけ次第補修に追われる
首都高速道路株式会社は、1978年1月に開通した首都高湾岸線「荒川湾岸橋」の損傷状況と、ドローンやロボット、3Dスキャナーなどを活用した点検技術、それらのデータを一元化した独自の維持管理システム「i-DREAMs」を公開しました。
当時は先進的だったトラス構造の鋼橋、点検・修繕は困難……
首都高速道路株式会社は、1978年1月に開通した首都高湾岸線「荒川湾岸橋」の損傷状況と、ドローンやロボット、3Dスキャナーなどを活用した点検技術、それらのデータを一元化した独自の維持管理システム「i-DREAMs」を公開しました。

荒川河口を横断する「荒川湾岸橋」は全長840mの鋼橋(こうきょう)です。特徴的なのは無数の鋼材で構成されたトラス構造で、総重量1万3500t、タテヨコナナメに部材同士が三角形に組まれた鋼材は約1700にもなります。
桁架設(1975年4月)から47年が経ち、塩害と重交通という過酷な環境下で塗膜の劣化・はく離、腐食、板厚の減少、部材の破断など、深刻な損傷が発生しています。

そこで全ての鋼材の点検と損傷個所・状況の把握が必要となりますが、トラス橋梁相手に一筋縄ではいきません。立体的に組まれたトラス部材は、点検通路や船上から高精度カメラを使用した目視点検など、補足できる範囲が極めて狭く、部材の多さから足場設置は大規模に、河川上であることからアクセスも困難です。
今ある道具と技術で、効率的に点検・状況把握
複雑な接合部が特徴のトラス構造、河川上、左右に走る国道357号といった環境から、首都高では主に3つの方法を新たに取り入れ、点検を実施しています。

水平方向に延びる鋼材には角型部材をレールとして、ガイドローラーで挟みながらバッテリー駆動・無線通信により車輪で走行する「トラス橋点検ロボット」に全方位カメラを設置、垂直方向の鋼材には重りをつけたロープをガイドに垂らし、全方位カメラを上下させる「全方位カメラ昇降点検システム」で撮影、点検します。

それ以外の入り組んだ場所には「橋梁点検用ドローン」を活用し、近接目視による点検が困難な箇所を撮影し、点検します。いずれも映像はWi-Fi通信によりタブレットで確認でき、点検データベースとしてストックされます。
独自の維持管理システムの導入、収集データを基に作業効率大幅アップ
トラス橋梁以外の場所でも、3Dハンディースキャナーによる3次元点群データの取得、高所作業車が進入できない場所での高所の撮影に軽量垂直ポールカメラ、コンクリート構造物に対して手軽に8mの高さまで打音検査可能な装置、赤外線サーモグラフィ法による構造物内の異常を可視化するなど、点検に有効な道具、技術を駆使しています。

首都高ではそれらの方法で得られたデータを一元化する「i-DREAMs(Intelligence-Dynamic Revolution for Asset Management systems)」を独自に構築し、今後の補修・修繕・維持管理に役立てることとしています。
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現状では効率的な点検方法を模索し、損傷個所を発見したら補修・修繕を実施するという作業に追われています。「荒川湾岸橋」を含む首都高の鋼橋はいずれも深刻な損傷が確認されており、長期的に見ると今のうちに大規模な修繕、抜本的な防食対策が必要ではないか、という議論が第三者委員会で進められています。
報道関係者に公開された「荒川湾岸橋」の作業現場で、首都高関係者は現況を踏まえ「せめてあと50年、我々の手で構造健全性を回復して、次の世代につなげたい」と言います。

















