道路上のドーナツみたいなくぼみ…あれって何?
街中を歩いているときに、ドーナツのような多数のくぼみが施工された道を見かけたり、実際にクルマなどで走行したりしたことがある人は多いでしょう。このくぼみは、いったいどのような役割を持っているのでしょうか。
道路にドーナツ状の謎の模様? なんのためにあるの?
街中を走行しているときに、ドーナツのような形の多数のくぼみが施された道を見かけたことがある人も多いでしょう。では、このドーナツのようなくぼみにはどういった役割があるのでしょうか。

この模様は、歩行者や自動車、自転車などのため、すべり止めとしての役割があり、「O(オー)リング」と呼ばれるドーナツ形のゴム製リングを用いて施工されています。ちなみに、このドーナツ状のくぼみは、急な坂道や地下駐車場の傾斜したコンクリートの通路に施されている場合が多いです。
日本では、一般的な平地の道路の舗装にアスファルトを用いている場合が多いですが、急な坂道や地下駐車場の傾斜が急な通路などでは、アスファルトではなくコンクリートを用いた舗装をされる場合が多いです。
これには、アスファルトとコンクリートの性質の違いがあげられます。

一般的にアスファルト舗装の施工では、材料を敷きならした後にロードローラーという機械で材料を締め固めて仕上げます。冷えればすぐに固まり、アスファルトを敷いてすぐに道路として通行が可能なことから、日本の道路ではアスファルトを用いられることが多くなっているというわけです。
ですが、この締め固め作業は、勾配が大きくなると困難になります。そのため、傾斜が急な通路などでは、コンクリート舗装を採用する場合が多くなると考えられます。

コンクリートは、アスファルトとは違って固まるまで何日もかかってしまうというデメリットはありますが、圧縮強度を高くできることや、劣化しにくく長期に渡って大規模な補修が不要というメリットもあります。
ほかにもある!道路に施された工夫
道路に施された工夫は、ドーナツ状のくぼみだけではありません。
バイクで峠道などを走っていると、表面に縦溝が刻まれた道路に出くわしたことがある人も少なくないでしょう。この細かな縦溝は「グルービング工法」と呼ばれており、排水溝としての機能を持ち、道路の水はけを良くして、走行するクルマなどがスリップしないように補助する効果があります。

その他にも、ハイドロプレーニングの防止や路面の凍結防止、制動距離の短縮化、操縦安定化、直線道路や滑走路などでは雨天時のスリップ防止、交差点手前では制動距離の短縮化、などの効果があるようです。
そんなグルービング工法にはいくつか種類があります。例えば、進行方向と同じように、縦に刻まれた溝は「縦型安全溝」。一方、進行方向に対して横に刻まれた溝は「横型安全溝」と呼ばれています。また、縦型安全溝と横型安全溝の2種類を組み合わせた網目状の「グレードアップグルービング」と呼ばれる工法も存在します。
それぞれ役割には多少の違いがあり、例えば縦型安全溝は、コーナリング時のクルマの安定性や雨天時のスリップ事故の防止に効果があります。また、橋の上など、横風の影響を受けやすい場所を走るクルマを安定させたり、凍結路面で氷を分断し、雪や氷の排水に役立つとされています。加えて、縦型安全溝を峠道のカーブに施工することで、危険なドリフト走行の抑止にもつながっているようです。
そして横型安全溝は、濡れた道路を時速50kmで走行した際に、制動距離を30%から40%短縮し、急ブレーキ使用時のタイヤのグリップ力を高める役割があります。また、タイヤから伝わる音と振動で居眠り防止にも効果があるほか、縦型安全溝と同様に、雨天時の水の排水や凍結路面でのスリップ事故の防止に効果があるとされています。
溝の無いスリックタイヤが最も静かなタイヤになるのと同じ理由で、連続した溝によってタイヤのパターンノイズ(圧縮空気放出音など)が発生しにくくなるので、騒音緩和の効果もあります。しかし、横型安全溝は、タイヤが四輪あるクルマでは操縦安定性向上に繋がっているようですが、タイヤが二輪しかないバイクにおいてはそうとも言い切れず、むしろ悪化していると感じるライダーも多いようです。
※ ※ ※
Oリングによるドーナツのようなくぼみも、道路上の縦溝や横溝も、主に滑り止めとしての役割があることがわかりました。これらの処置が施されているということは、逆説的にそこが滑りやすい場所であるともいえます。
滑り止めの加工があるからと言って、スピードを出しすぎたりせず、ゆっくりと走行することが安全に繋がるといえます。





