えっ知らなかった! 古いバイクは車検の基準が緩いって本当?
バイクのABSが義務化されていたり、排ガス規制がどんどん厳しくなっている今でも、古いバイクが走ってるのを時々目にします。そうしたバイクには、今の厳しい検査基準は適用されていないのでしょうか。
古いバイクの検査基準は、新しいものに比べて緩かった
最新のバイクは、年々厳しくなる排ガス規制やABSの義務化などによってどんどん環境性能も良く安全な乗り物になってきています。しかしルールが厳しくなっている一方で、ABSなどがついていないような昔ながらのバイクがまだ走り続けているのも事実です。これらの古いバイクには、最新の検査基準が適用されていないのでしょうか。

結論から言うと、古いバイクには最新の検査基準は適用されません。最新のバイクと古いバイクでは、いくつかの項目で異なる基準が採用されています。その代表例が排ガス規制です。
例えば年式が2016年10月1日以降のバイクに対しては、平成28年二輪車関係排ガス規制が適用されます。新しいバイクの場合は、これを基準として車検がおこなわれます。一方年式が1998年10月1日以降で2006年10月1日以前のバイクの場合、適用されるのは平成11年二輪車排出ガス規制です。前述のように、排ガス規制は年々厳しくなっていきます。つまり昔のバイクに対しては緩い規制が設定されていることになります。
また、1998年4月1日の道路運送車両法の改正により、これ以降に生産されるバイクは、構造的に常時点灯するように義務づけられました。そのため法改正後に生産されたバイクに、ライトをオフにすることのできるスイッチが装着されていた場合、車検には通りません。一方、それ以前に生産されたバイクであればライトをオフにするスイッチが元々ついていたり、カスタムでつけたりしても問題ありません。
古いバイクに、新しい基準を適用させられない理由があった
このように新しいバイクと古いバイクでは検査基準が異なることから、古いバイクの方が基準が緩いことが分かりました。では、なぜそのようになっているのでしょうか。
このような構造が採用されている背景には、「既得権」という概念があります。既得権というのは、簡単に言うと正当に手に入れた権利のことで、既得権は立法や行政上、できるだけ尊重されるべきものとして扱われています。

今まで公道を走っていたバイクに新たな厳しい規制をかけて、今後乗れなくしてしまうと、すでに獲得した権利を侵害してしまうことになります。そのため、新しいバイクを売る時にABSを義務化することはできても、すでに販売されているABSがついていないバイクを走行禁止にすることは難しいのです。排ガス規制など、その他の基準も同じように既に販売されたバイクには適用されず、これから新しく販売されるバイクに適用されます。
既得権をできるだけ尊重するという考え方は、バイクやクルマと大きく関わっています。例えば、この考え方は車検の検査基準だけでなく、運転免許の制度などにも表れています。
1965年に運転免許制度が改正される前は、普通免許を取得すれば排気量に関わらず二輪車を運転することが可能でした。一方1965年以降に普通免許を取得しても、乗れる二輪は今と同じく原付だけになってしまいます。ただし、制度改正以前に免許を取得していた人はそれ以降も二輪車を運転することができました。

既得権はできる限り尊重しなければならないという考え方があるため、古いバイクには最新の厳しい検査基準が適用されていません。古いバイクが今のバイクに比べて劣る安全性や環境性能でも検査を通過し、公道を走れていることの背景にはこのような事情があるのです。
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古いバイクの検査基準は、最新のバイクと比べて緩く設定されています。そのため最新の検査基準を満たさない性能のバイクでも、年式に応じた検査基準を満たしていれば車検を通過し、公道を走ることができます。自分のバイクにはどのような基準が適用されているのか、改めて確認してみると面白いかもしれません。









