雨が降った後のバイクの水滴…拭き取らなくてもいい?
屋外で保管・駐車している間に愛車が雨で濡れてしまった…という状況に陥った経験のあるライダーもいるでしょう。ではそういった場合、バイクに付着した水滴は拭き取らずに放置しておいても問題ないのでしょうか。
バイクに付着した水滴って放置しておいても大丈夫?
ライダーのなかには「雨の日はバイクに乗らない」と決めている人もいるでしょう。しかし、突然の雨でバイクが濡れてしまうこともあるかもしれません。また、バイクについた水滴は自然に蒸発してなくなるので、そのままにしておけば問題はないと思っている人も多いのではないでしょうか。

たしかにバイクは基本的に濡れても大丈夫ですが、水滴がついたまま放置すると、さまざまな不具合が発生することがあります。では、どのような不具合が生じるのでしょうか。
まず、雨のあとバイクについた水滴をそのままにすると、雨染みが付着する原因になります。雨には大気中の汚れが含まれているため、バイクの塗装面に付着するとシミになるというわけです。
例えば、目に見えない花粉や黄砂、排気ガスに含まれる油分などが雨に混じって地上に降り注ぎます。これらのさまざまな有害物質がバイクの塗装面に付着し、長期間放置するとシミとなって塗装面に固着してしまうのです。
また、バイクに使われている金属パーツに発生するサビにも注意が必要です。金属の表面に水が付着すると、空気中の酸素が吸収され酸化がおこります。その後、水滴を放置したままにすることでサビが発生するしくみです。

なかでも鉄はとくにサビやすい金属で、一箇所にできると少しずつ広がっていき、とくに気を付けなければならないのが、赤茶色をした「赤サビ」です。
赤サビは水に溶けやすい性質があり、サビの広がるスピードが速いのが特徴です。そのため、水滴がついたまま放置するとサビがどんどん進行していき、やがてボロボロに腐食して強度を失うおそれがあります。

さらに、「海の近くに住んでいる」「海沿いによくツーリングに出かける」という人は要注意です。海水を直接浴びなくても、海から吹く潮風には多くの塩分が含まれています。潮風によって金属に塩分が付着すると、その塩分が水分を吸収することで酸化を促進させます。こうして潮風に晒されたバイクは、さらにサビやすい状態になるというわけです。
海に近い環境に家がある人や、海へよくツーリングに行く人などは、水滴を拭き取るだけでなく、バイクに付いた塩分も洗車して落とすことが大切といえるでしょう。

そして雨で濡れてしまったバイクは、できるだけ早い段階で水滴を拭き取るのがベストです。屋内で保管できるスペースがあれば、雨に濡れずに水滴をすぐ拭き取ることができるので、ガレージがあれば理想的です。
しかし日本の住宅事情では、ガレージがない人のほうが多いかもしれません。屋内スペースが確保できないときは、濡れたままの状態でよいのでカバーを被せておきます。雨の降るなかで拭き取るのは無理なので、雨が止んだ時点でカバーを外して水滴を拭き取ると良いでしょう。

なお、カバーを被せたままの状態だと、湿気がこもって余計にサビが発生しやすくなります。そのため、カバーをはずし外へ湿気を逃がしバイクを乾燥させることも大切です。
そのほかにも、水滴をそのままにしておくと生じるデメリットがあります。
環境省の調査によると、人間の生活にさまざまな悪影響をおよぼす「酸性雨」は、全国的に観察されているそうです。酸性雨の水滴を放置するとバイクの塗装面に「ウォータースポット」ができることがあります。
ウォータースポットとは、強い酸性の雨粒が塗装面を腐食させ、水滴模様の陥没した穴を発生させる現象のことです。ウォータースポットができてしまうと、塗装面に凹みができてしまうため、どれだけ薬品を使って拭いても取り除くことができません。

完全に除去するには研磨作業が必要となるため、バイクが雨で濡れてしまったら早めに洗車することが大切です。
なお、軽く水で洗い流すだけでも防止効果があります。しかし、洗剤や水道水にはシミや色ムラの原因になるカルシウムの成分が含まれているので、洗車後はていねいに水滴を拭き取ることがポイントです。
また、塗装面に残った水滴が原因で「レンズ効果」がおこることがあります。
レンズ効果とは、塗装面に残った水滴が日差しに当たることで光が集まる現象のことです。とくにコーティングをかけた塗装面では撥水性が増すため、水滴がコロコロと円状になって光の焦点が合いやすくなり、レンズ効果が高まります。
レンズ効果が発生すると、光が一点に集中するため塗装面が焼けて、最悪の場合は丸いシミになることがあります。また跡が残らなくても水滴に含まれる汚れがつきやすくなるため、早めに水滴を拭き取ることが大切です。

そして先述したとおり、雨で濡れたバイクはそのままにしておくとサビが発生しやすくなります。たくさんの金属パーツでできたバイクにとって、サビは大敵といっても過言ではありません。
サビが発生すると茶色く変色して見栄えが悪くなります。サビを放置するとはじめは小さいサビでも、どんどん進行してパーツが腐食していきます。とくに金属がむき出しの状態である、チェーンやマフラーなどのパーツは注意しなければなりません。完全にサビてしまったパーツは、もろくなり強度を失います。
最悪の場合は、走行中にチェーンが切れたり、マフラーが欠落したりするケースがあるので、サビを発生させないためにもできるだけ早く水滴を拭き取ることが重要です。
また、バイクが潮風を浴びたときは、ボディについた塩分をしっかり洗い流してから水滴を拭き取るようにしましょう。
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雨で濡れたバイクをそのまま放置することは、ボディのシミや金属パーツにサビを発生させる原因になります。バイクのケアを怠ると見た目が悪くなるだけでなく、愛車の寿命を縮めることになりかねません。
バイクが雨で濡れてしまった場合は、面倒くさがらずに小まめに水滴を拭き取るようにしましょう。水滴を残さず拭き取ることが、愛車を長持ちさせるコツのひとつといえるかもしれません。









