具体的にはどこが問題?電動キックボードの危険ポイントを徹底解説
近年急速に普及している電動キックボードですが、その危険性を指摘する声は多く上がっています。具体的には、どのような点が危惧されているのでしょうか。
免許不要を危惧する声や、車体の構造を心配する声も
都市部を中心にシェアサービスが拡大している電動キックボードは、今後ますます多くの人にとって身近なものになっていく事が予想されます。しかし、その危険性について危惧する声も多く、手放しに電動キックボードの普及が歓迎されている訳ではありません。
具体的には、どのような点が危険だと言われているのでしょうか。

まず、一番危惧されているポイントは、運転免許が不要な点。特定原動機付自転車に分類される電動キックボードは、16歳以上という年齢制限さえ満たしていれば、運転免許の有無に関わらず運転することが可能です。
運転免許を持っている人なら、免許を取得するにあたって必要な交通ルールに関する知識の量がどれだけ多いか分かると思いますが、本来ならクルマ、バイク、原付などを公道で走らせるには、多くのルールを知っている必要があります。
運転免許が不要だと、それらのルールを知らなくても運転することができてしまうため、知らぬ間に交通違反をしてしまい、他車に迷惑をかけてしまったり、自身が危険な目に遭ってしまったりする可能性大。また、車体の特性上、自転車やバイクなどと比べて、安定しにくいという点を危険だと指摘する声もあります。

多くの電動キックボードは、他の二輪車と比べて小さな車輪が採用されています。そのためどうしても段差に弱くなってしまうという特徴も否めません。
もともと二輪車は、段差でバランスを崩してしまいやすい乗り物。バイクや自転車に乗っている際に、段差や溝にタイヤがハマってしまい、ヒヤリとした経験がある人も多いでしょう。
電動キックボードの場合は、それがさらに頻繁に起こる事が考えられます。歩道、車道の境目のような段差だけでなく、道路の損傷部や舗装の継ぎ目のような小さな凹凸がきっかけで、バランスを崩してしまうことも懸念点のひとつです。また、電動キックボードは重心が高くなるため通常走行時には左右にふらつきやすく、急制動時には前につまずきやすくなっています。
安全に乗るために、気をつけるポイントとは?
このように、制度上や構造上の問題で、多くの危険性が指摘されている電動キックボードですが、乗り手がいくつかの点に注意することで、ある程度危険を減らすことは可能です。

まず、運転免許を持っていない人は、特定小型原動機付自転車に関する交通ルールを理解することが必要。警察庁のホームページに主な交通ルールなどをまとめたページがあるので、参考にするとよいでしょう。
また、電動キックボードの販売やレンタルをおこなっている事業者のホームページにも、交通ルールについてまとめられている事があるため、それらも併せてチェックしてみるとよいでしょう。
ほかにも、前述した電動キックボードの特性に合わせ、無理な運転をしないように気を付けることも重要。車輪が小さく、段差に弱いという弱点については、段差や凹凸があった場合はなるべく避けるように走行し、避けられない場合は一度、電動キックボードから降りて、運転するなどの工夫が有効です。
重心が高く走行中に安定しにくいという弱点については、ハンドルに物をかけないようにしたり、手提げや斜めがけのバッグではなくリュックを使用するなどの対策がおススメ。
急制動時には後ろに腰を引いて、体重を後ろに落とすようなイメージで乗れば、つまずくのを防ぐことが可能です。
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規制が緩和され、多くの人にとって身近な存在になった電動キックボードには、いくつか危険だと指摘されている点があります。しかし、乗り手が気を付けることによって危険性を減らすことはできるため、利用する際は、そういった点を意識して公道を走行するようにしましょう。