事前に渋滞情報を知っていれば!渋滞に明確な定義はあるの?
高速道路でよく発生するイメージのある「渋滞」ですが、交通状況が「渋滞」と表現されるとき、道路がどれほど混雑しているのか明確な定義はあるのでしょうか。また、ある場合は、どのような基準が定められているのでしょうか。
どのくらい混んでいたら「渋滞」?気になる定義とは?
休日にツーリングに行くライダーや、平日に通勤するライダーにとって、渋滞はしばしば悩みの種になります。
渋滞は上り坂やトンネル手前、合流地点などで発生しやすく、前車の速度低下に対応するため後続車がブレーキを踏み、さらにその後続車がブレーキを踏む…といったブレーキの連鎖で多くの車両の速度が低下してしまうことが渋滞発生のメカニズムであると言われています。

ラジオの道路交通情報や幹線道路の電光掲示板で、渋滞している区間や渋滞の距離を確認したことのあるライダーも多いでしょう。しかし渋滞といっても、かろうじてノロノロと進むものや、何分待っても全く進まないものなど、さまざまな程度のものがあります。
では、道路交通情報について案内する時、道路がどのくらい混雑していれば渋滞と表現しているのでしょうか。
テレビやラジオ、インターネットなどで道路交通情報の提供をおこなう機関である公益財団法人日本道路交通情報センターは、渋滞について国家公安委員会の告示に基づく明確な基準を採用しており、その基準をもとに道路交通情報を提供しています。では、その基準とはどのようなものなのでしょうか。
渋滞しているかどうかは、主に走行する車両の速度によって判断されます。

まず、一般道の場合は走行する車両の速度が10km/h以下である状態が渋滞と定められています。また、一般道より流れが速く、最低速度も設けられている高速道路については、走行する車両の速度が40km/h以下である状態が渋滞と定められています。なお、首都高速道路などの都市高速道路は、一般的な高速道路と比べて制限速度が低く設定されているため、渋滞の基準も20km/h以下と設定されています。
また、渋滞というほど車両の流れは遅くないものの、通常時と比べて交通が滞っている状態を「混雑」と表現しており、一般道の場合は走行する車両の速度が40km/h以下である時、都市高速道路の場合は走行する車両の速度が40km/h以下である時が混雑した状態だと定められています。
なお、あくまでこの基準は道路交通情報センターが採用している基準であり、事業者によっては異なる基準を採用しているところもあります。

例えば、NEXCO各社は、管理する高速道路における渋滞の定義を「時速40km以下で低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態」としています。
そのためサービスエリア、パーキングエリアで見る渋滞情報と、ラジオ放送などで確認する渋滞情報では、微妙に渋滞の有無などが異なる場合があります。道路交通情報を確認する際には、その点を頭に入れておくとよいでしょう。
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自分が渋滞に巻き込まれたと感じた場合でも、定義に照らし合わせて見れば渋滞ではなく、ただ混雑しているだけだったというケースもあります。その一方で、ゆっくり着実に進んでいるから渋滞ではないと感じている場合でも、定義に照らし合わせると渋滞である場合もあるはずです。
ツーリング中に道路が混雑してきた時は、気分転換の一環として今自分がいる場所は渋滞しているのか、はたまた混雑しているだけなのか考えてみるといいリフレッシュになるかもしれません。