【2台でGO!!~モトグッツィ編~】 新世代のトップバッターと既存モデルの集大成!! いろいろな角度からじっくり検証

現存するイタリア最古のバイクブランド「MOTO GUZZI(モトグッツィ)」から、2023年に国内導入開始となった「V100 Mandello」は、完全新設計エンジン「コンパクトブロック」を搭載し、同ブランドの次世代モデルとして先陣を切りました。対して、2019年にデビューしたブランド初のアドベンチャーモデル「V85TT」は、伝統のパワーユニット「スモールブロック」の進化と熟成を重ねてきた発展型を搭載しています。2台をじっくり乗り比べました。

2台でGO!! 新旧モトグッツィの代表格

「2台でGO!!」と命名した当企画の骨子は、同一メーカーの気になる2台を同条件でじっくり試乗したうえで、各車の印象を述べ、2台の比較論を展開することです。もっともジャンルが異なるモデル、スポーツツアラーとして開発された「V100マンデッロS」(以下、V100)と、アドベンチャーツアラーの「V85TTトラベル」(以下、V85TT)を比較することには、何となく違和感を抱く人がいそうな気がしますが……。

モトグッツィ新型「V100 Mandello S」(手前)と、「V85 TT TRAVEL」(奥)
モトグッツィ新型「V100 Mandello S」(手前)と、「V85 TT TRAVEL」(奥)

 全面新設計のV100が、新世代モトグッツィのトップバッターであることに対して、V85TTは既存のモトグッツィの集大成と言うべきモデルです。つまり現時点でのこの2台は、縦置き90度Vツインエンジンを搭載する新旧モトグッツィの代表格になるわけで、私(筆者:中村友彦)としてはその事実に比較する価値を見出しました。

似て非なるエンジン特性

 まずはエンジンに関する印象を述べると、同社の量産車で史上最強のパワフルさとスムーズさを実現したV100を体験し、その後にV85TTに乗り替えると、思わず「え、旧車?」と言いたくなるほど、2台のフィーリグは異なっています。それは当然のことでしょう。縦置き90度Vツインという型式は両車に共通でも、最新技術を随所に導入したV100の水冷エンジン「コンパクトブロック」とは異なり、大改良を受けてはいても、V85TTが搭載する空冷エンジン「スモールブロック」は昔ながらの構成を維持しているのですから。

モトグッツィ新型「V100 Mandello S」に試乗する筆者(中村友彦)
モトグッツィ新型「V100 Mandello S」に試乗する筆者(中村友彦)

 ただし2台のエンジンは、安易に優劣がつけられない、各車各様の魅力を備えています。新世代モトグッツィの魅力を存分に味わいたい人、ここぞいう場面での速さを重視する人はV100に好感を持つはずですが、マッタリ巡航が好きな人、誰かと競うような走りに興味がない人には、V85TTが向いていると思います。

 まあでも、V100でマッタリ巡航ができないわけではないですし、V85TTの最高出力は既存の「スモールブロック」を大幅に上回る76psですから、単体で乗った際に遅いと感じることはないはずです。

 そう考えると、この2台のエンジンを特性を示すを表現としては「似て非なるモノ」……という言葉が最適なのでしょう。

現代的な運動性を獲得した「V100マンデッロS」

 続いては車体の話で、旋回性やフレンドリーさではV100の方が確実に上です。私がそう感じた背景には、今回試乗したV85TTが「トラベル」(車重はスタンダード+13kgの243kg。ちなみにV100は233kg)だったという事情があるのかもしれませんが、軸間距離が1530mm、ホイールトラベルが前後170mm、シート高が830mm、前輪が19インチのV85TTは、1475mm/前後130mm/815mm/17インチのV100と比べると、やっぱり車格が大柄で、動きがモッサリ&フワフワしているのです。

モトグッツィ「V85 TT TRAVEL」に試乗する筆者(中村友彦)
モトグッツィ「V85 TT TRAVEL」に試乗する筆者(中村友彦)

 とはいえ私自身は、V85TTの車体に悪い印象は抱きませんでした。モッサリ&フワフワと言っても、それはあくまでもV100と比較しての話で、乗り手の操作に対する反応が露骨に鈍いわけではないですし、1リッター以上の他社製アドベンチャーツアラーと比べれば、V85TTは決して大柄ではありません。また、ヨー方向のジャイロ効果を発生しない縦置きクランクのおかげで、コーナリングは至って軽快です。

 もっともV85TTではV100のように、コーナー進入時にガツーンとブレーキをかけ、クルリと向きを変え、そこから先はひたすらアクセル全開……という現代的でアグレッシな走りはできません。でも一歩引いた目線で、マシンと相談しながらコーナーをクリアしていくのは、それはそれで非常に楽しいことでした。

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