どうなる!?「二輪車定率割引」 使い勝手悪過ぎの距離条件100km撤廃を! 国土交通大臣に直接要望

毎年見直される高速道路会社のバイク通行料金割引が注目されています。2024年2月28日、オートバイ政治連盟(吉田純一会長)は「二輪車ユーザーの負担軽減に関する要望」を斉藤鉄夫国土交通相に手渡しました。そこに書かれた要望はたったひとつ「二輪車ETC定率割引において100km以上の走行距離の制約撤廃」でした。

使い勝手の悪さで利用者減少。3年間も同じ条件で足踏みするのか

 高速道路の料金区分に、バイク専用の料金はありません。通行料金は5車種区分で、バイクは「軽自動車等」に含まれます。四輪車と同じ通行料金は、国土交通省道路局が主張する「車両重量などに応じた料金負担」に矛盾するのではないか、というユーザーの声に登場したのが「二輪車定率割引」と「二輪車ツーリングプラン」でした(いずれもETC限定)。

2023年のバイク定率割引。2024年の実施はどうなるのか……
2023年のバイク定率割引。2024年の実施はどうなるのか……

 とくに2022年から始まった「二輪車定率割引」は、割引による利用車の変化や料金収入への影響を調べる目的に踏み込んでスタートしました。

 バイクユーザーの負担軽減を要望しても、道路局も高速道路会社も、収益の基本となる車種別の通行台数を把握できていないので、議論が空転することが多かったからです。

 定率割引は、料金の基準となる普通車の半額の水準に割り引くというものでした。利用台数を増やさないと台あたりのコストは増大し、通行料金の値上げをしなければならないということより、割引分が減収になり、収益が減るという姿勢が今も続いています。

 オートバイ政治連盟の吉田純一会長は、斉藤国交相を前に訴えました。

「コロナ禍が明けたのに、定率割引は利用が減ってるんです。なぜかというと、使い勝手が悪いからです。そのことは昨年も(改善を)お願いしたはずなんですけど、今年も同じ条件で続けようとしている。テストで始めたはずなのに、3年も同じ条件でやるというのはおかしいんじゃないかと」

 バイク専用の割引を受けるためには、高速道路会社にETCカード番号などをオンライン申請し、利用日を届けておく必要があります。

 四輪車も対象となる土日祝日の割引としてETC休日割引がありますが、この割引ではクルマもバイクも届出の必要はありません。車載器情報を使って自動で割引が実施されています。

一点突破で距離条件の撤廃を要求。あれもこれもでは難しいだろうから……

 しかし今回の要望では、事前申請など使い勝手の改善要望は先送りされました。それにも増して利用を妨げる条件があるからです。吉田氏は言います。

斉藤国交相への今回の要望はたったひとつ、100km以上の距離条件撤廃
斉藤国交相への今回の要望はたったひとつ、100km以上の距離条件撤廃

「平日も割引を続けて欲しいと言うことはこれまでもお願いしてきましたが、これらは今できなくても将来的には考えてもらわないと困るということです。

 それより、(利用が減っているのは)100km以上走らないと割引対象にならないということが最大のネックになっています。

 あれもこれもと言うと高速道路会社もすぐ変えるのは難しいと言うのかもしれないが、この距離条件だけは、今年は何か形を変えてもらいたい」

 定率割引の対象は、1回の利用で連続して100km以上を走行した場合です。例えば東名高速「東京IC」から走ると「沼津IC」を超えた場合です。

 四輪車も対象となる土日休日割引は約34km(都市部の区間は割引対象外)。割引対象条件が二輪車定率割引より緩いので「厚木IC」以西で割引が適用されます。

 2023年「二輪車定率割引」の利用件数は21万9552件で、割引をスタートした2022年比で86.6%にしか届きませんでした。同じバイク限定の割引制度「ツーリングプラン」は14万7117件(前年比131.3%)と、真逆の結果でした。

 要望に同席した公明党オートバイ議員懇話会事務局長・石川博崇参議院議員も疑問を投げかます。

「100kmというのは余り根拠なく設定した数字ではないか。観光振興であれば100kmでなくてもできるし、通勤割引と条件が重なってもいけないと言うのであれば30km以上でもいいはず」

 斉藤国交相は、要望に対して次のように応えています。

「強い要望を承りました。今ここでわかりましたと言うわけにはいきませんが、検討させていただきます」

 2023年は割引を始めた2022年と同じ条件であることが2月に発表され、4月1日から始まりました。

 2024年の開始日は、決まっていません。

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Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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