一体何をするのか説明できる? エンジンのオーバーホールとは

バイクに長く乗ったり、古いモデルを購入する際などに関係してくるのがエンジンのオーバーホール。とくにエンジンは常に動いているものだけに、消耗は不可避。ある時点でオーバーホールが必要となります。しかし、ひと口にオーバーホールと言っても内容はさまざま。一体、なにをするのでしょうか?

オーバーホールの意味とは?

 バイクに長く乗ったり、古いモデルを購入する際に関係するのがエンジンのオーバーホールです。

 エンジンは常に動いているものだけに消耗は不可避なため、ある時点でオーバーホールが必要になります。しかし、ひと口にオーバーホールと言っても内容はさまざま。一体、なにをするのでしょうか?

オーバーホールとは分解整備をする事で、その機能を元に戻すこと
オーバーホールとは分解整備をする事で、その機能を元に戻すこと

 バイクに限らず、クルマや時計などでも使われる言葉がオーバーホール。オーバーホールとは分解整備をする事で、その機能を元に戻すことを指し、それは見た目についても含まれます。

 似たような言葉にレストアという言葉がありますが、同じ意味と考えて良いでしょう。

 強いて言うならレストアは範囲が広く、見た目も重視したニュアンスを含んでいます。たとえばタンクのオーバーホールというと、コックやキャップ部分を新品同様にすることがメインで、表面のサビ落としや再塗装は含みません。

 一方、タンクのレストアというと、見た目から機能まですべて新品にするというイメージですが、厳密な区別はなく、ニュアンスの問題です。

 そしてエンジンについてはオーバーホール、レストアの両方とも使うことがありますが、機能面が中心なのでオーバーホールと呼ぶことが通常で、今回は機能を復活させるオーバーホールについて見ていきましょう。

 エンジンは常に動いているものなので、オイル交換を小まめにしていても、消耗は確実に進みます。バイクの場合はミッションも内蔵されているので痛む部分が多く、これらを新品同様にするのがオーバーホールです。

オーバーホール時期の見極め方

 オーバーホールの時期については、ある一定の基準があります。

 まずフィーリング的には以前よりもパワーや燃費が落ちたと感じ始めるとタイミングと言えますが、ずっと乗っているとなかなか気が付きにくいのと、こうなったらオーバーホールが必要という明確な基準はありません。

 フィーリングなどでわかりやすいのは、作動音が大きくなったりシフトの入りが渋かったり、抜けるなど。マフラーから白煙が出た場合も、オーバーホール時と考えて良いでしょう。

 厳密な数値としては、シリンダーのコンプレッションがあります。これは専用の測定ツールでシリンダー内の気密性を測るもの。メーカーから限界の基準値が発表されていて、それを参考に判断します。

新品と同レベルに戻すというのがオーバーホールだが、全部の部品を闇雲に交換すればいい訳ではない
新品と同レベルに戻すというのがオーバーホールだが、全部の部品を闇雲に交換すればいい訳ではない

 新品と同レベルに戻すというのがオーバーホールですが、全部の部品を闇雲に交換すればいい訳ではありません。交換すれば新品になりますが、部品代と工賃で莫大な予算がかかってしまう為、新品エンジンをメーカーから購入し、積みかえた方が楽でしょう。

 エンジンオーバーホールの基本は完全分解のうえ、完全清掃をすること。

 ガスケットやオイルシールなどの消耗品は問答無用ですべて交換し、ピストンやピストンリング、クランクメタルなどの大物消耗品は目視でのチェックに加え、精密な寸法やクリアランスの測定を行なって、メーカーの規定値から外れてしまったものは交換します。また規定値までは余裕があったとしても、数値によっては予防的に交換することも珍しくありません。

 さらに組み付けも、集めた新品パーツを仮組みして再度クリアランスなどを測定し、問題があるものを交換します。組みながら動きやクリアランスなどを確認しつつ、ピストンなどは重量バランスを調整。初期潤滑も考えてオイルや専用ケミカルを塗りながら、締め付けていきます。

 これはトランスミッションもしかり。ヘッドまわりやミッションの歯アタリなどの調整が必要な場所は、ただ組むのではなく、クリアランスを見ながら組んでいきます。

 このようにバラバラにして消耗が激しい部品を新品にしてただ元に戻すだけでなく、時間と手間、ノウハウや技術が必要になるのがエンジンとミッションのオーバーホールです。そのため、どのバイクショップでもできるわけではなく、限られたところでしか対応できません。

オーバーホールの問題点とは?

 前述したように、手間も時間もとにかくかかるのが、エンジンのオーバーホール。ただし交換は最低限で、外観だけきれいにして組み立てしまえばオーバーホールしたかどうかは素人には判断できません。

 ここにトラブルが潜んでいて、実際に「オーバーホールしてもらったけど調子がよくない」とか「オーバーホール済みの中古車を買ったけどこんなもの!?」と言った声をよく耳にします。

エンジンのオーバーホールは手間も時間もとにかくかかる
エンジンのオーバーホールは手間も時間もとにかくかかる

 ショップにしてみれば、費用を高く取れることもあり、実際、手抜きが行なわれることも多々。またオーバーホールの定義が曖昧なこともトラブルの原因になっています。

 消耗品を交換しただけでも「当店のオーバーホールはこれ」と言われればそれまで。費用的に安くはないだけに、トラブルを防ぐためにも作業時に写真を撮ってもらったり、外した部品を保管しておいてもらうなど、確認できる方法で作業を依頼するようにしましょう。

【画像】エンジンのオーバーホールの注意点を画像で見る(10枚)

画像ギャラリー

編集部からのおすすめ

なぜ、BDSオークションを通過したバイクは安心なのか? 全ライダーが知っておきたい市場と流通の仕組み【PR】

なぜ、BDSオークションを通過したバイクは安心なのか? 全ライダーが知っておきたい市場と流通の仕組み【PR】

最新記事