イタリア生まれのエネルジカ「EGO+」は猛烈に速くて普通にツーリングに使える電動バイクだった
イタリアの電動スポーツバイクメーカー「ENERGICA(エネルジカ)」は、2019年にスタートした世界最高峰の電動バイクレース『MotoE』に2023年まで電動レーサーを供給していました。その公道市販車とも言うべき「EGO+」に試乗しました。一体どんな乗り味なのでしょうか。
MotoEレーサーの公道仕様
レースに興味がない人は聞き覚えがないかもしれませんが、2014年に創設されたイタリアのエネルジカは、2019~2022年にMotoEに車両を供給していた、電動バイク専門メーカーです。

もっとも、親会社のCRPグループは(積層造形を主業務とする会社で、モータースポーツや宇宙産業、船舶、医療などの分野で活躍)、2010年から電動バイクの世界に進出し、世界選手権のMotoEが始まる以前から欧米のレースでは数々の栄冠を獲得していたので、同社と2輪の関わりはすでに十数年に及んでいます。
そんなエネルジカが市販車の発売を開始したのは2015年からで、現在はMotoEレーサーのストリート仕様と言うべき「EGO+」(571万円~)、そのネイキッド仕様となる「EVA-RIBELLE」(539万円~)、ネオクラシックテイストの「ESSEESSE9」(495万円~)、アドベンチャーツアラーの「EXPERIA」(522万円~)がラインナップに並んでいます。
なお、エネルジカが販売するすべての車両は、購入時にさまざまなオプションを選択することが可能で、埼玉県三郷市の「金城IVY RACING」から借用した試乗車の「EGO+」は、トリコローレカラーを筆頭とするいくつかのオプションを選択しているので、価格は700万円オーバーです。その価格に驚きを感じる人は多いと思いますが、事前に車両の詳細を調べて試乗に臨んだ私(筆者:中村友彦)は、価格以上の驚きを感じることになりました。
コレだったら、普通にツーリングに使える!!
最初の驚きは、420kmの航続可能距離と、日本で最も普及している急速充電器のCHAdeMO(チャデモ)への適合です。と言っても420kmは、回生ブレーキが効率のいい仕事をする市街地走行が前提の距離で、電力消費量が多くなりがちな高速道路をハイペースで走ると半分程度に減るのですが、それでも200km前後は確実に走れるわけです。既存の電動バイクの心もとない航続可能距離を考えると、その数値は大きな安心材料になるでしょう。

しかもチャデモで急速充電を行なえば、エネルジカのバッテリーはわずか30分でかなり回復するのです。もちろん、実際の回復度合いはバッテリーの状況や走り方によりけりですが、今回は出発時が80%で、高速道路を100kmほど(アグレッシブに)走った段階で30%に低下し、チャデモで30分の急速充電を行なうと73%に回復しました。
この数値をどう感じるかは人それぞれですが、既存の電動バイクの試乗で、充電スポットの捜索に面倒な印象を抱き、走行可能な充電に要する待機時間(1時間以上は当然で、車両によっては3~6時間)に辟易した私は、「コレだったら普通にツーリングに使える!!」と感じたのです。
そういった実用的な要素に加えて、171ps(126kw)の最高出力と215Nmの最大トルク、240km/hの最高速も(リミッターで制限)、特筆したくなる要素です。
中でも、排気量が2458ccのトライアンフ「ロケット3」と大差がない最大トルクには、驚きを通り越して恐怖を感じる人が多いのではないでしょうか。
もっとも現代のリッタースーパースポーツの基準で考えれば、最高出力と最高速は驚くほどではないのですが、現在の日本で市販されている電動バイクの中で、「EGO+」はダントツに速いのです。

















