俺のやってきた35年間を返せ!! スポーツ走行派にこそ欲しいホンダEクラッチ

ホンダEクラッチメディア向け試乗会が開催されたのは、クローズドコースの修善寺サイクルスポーツセンター。ライダーの手動によるクラッチレバー操作を不要とする機構をホンダはコレまでも開発し続けてきましたが、Eクラッチはマニュアルトランスミッションの進化版だといいます。いったいどんなものか、バイクジャーナリストの青木タカオさんの体験レポートです。

もっとバイクを自分で操りたくなる!

 ホンダ開発陣は「“操る楽しさ”を求める幅広いライダーのライディング体験の質を向上させる」「幅広いライダーにワンランク上の走りを」と発表時に言いましたが、こうして乗るまではピンときませんでした。

 クラッチを巧みに操作してみせてこそ、バイクの運転は面白い。それをバイク任せにして、なにが楽しい!? そんな声も耳にしますが、実際に体感してみてわかりました。スポーツライディングする楽しさは一切失われていません!

ホンダの意欲作「E-Clutch(Eクラッチ)」を筆者(青木タカオ)が実際に走らせ体感!
ホンダの意欲作「E-Clutch(Eクラッチ)」を筆者(青木タカオ)が実際に走らせ体感!

 それどころか、ライダーがもっとやれること、集中すべきことが明確になってスポーツライディングへの意欲がますます湧いてくるではありませんか!! 新型『CB650R』にて体験したホンダの意欲作「E-Clutch(Eクラッチ)」です。

 毎日のようにバイクに乗っていると、ただ走らせるだけならそこまで難しいとは感じないオートバイの操作ですが、無意識のうちに全身でバランスをとりつつ、両腕でハンドルをコントロールし、右手はスロットルグリップとブレーキレバー、左手はクラッチレバー、さらに右足はブレーキ、左足はシフトチェンジを操作するという具合に、まさに全身を駆使して走らせるモーターサイクル。

 ライディングはじつに奥深く、エキスパートやベテランになっても探究心を失うことはありません。難儀だからこそ夢中になれる。多くのライダーから聞かれる意見です。

 筆者もまた、クラッチ操作をなくしてしまうことに対しては懐疑的でした。スクーターも所有しますが、それは移動手段として利便性に優れるところが多いからで、オートバイを操るという意味合いからすれば、やはりマニュアルクラッチが絶対的におもしろいのは言うまでもありません。

Eクラッチ装備車での走行は、マニュアル派の筆者も虜にしてしまった
Eクラッチ装備車での走行は、マニュアル派の筆者も虜にしてしまった

 しかしEクラッチは、マニュアルシフト派の自分でさえも虜にしてしまいます。クラッチレバー操作を完璧にこなしてくれ、それ以上のこと、シフトチェンジやスロットルワーク、ブレーキ操作、体重移動やステップワークといったライディングの動作ひとつひとつに今まで以上に集中することができ、より研ぎ澄まされた感覚でバイクを走らせることができるのです。

従来のバイクと変わらない構造に追加装備

 まず誤解しないでほしいのは、Eクラッチはオートマチック機構ではないこと。構造的に見ても、従来のマニュアルトランスミッションエンジンの構造を大幅に変更することなく、クラッチ機構部にクラッチアクチュエーターを追加で搭載するという、とてもシンプルなものです。

クイックシフターと組み合わせ、Eクラッチのモーター機構がクラッチ操作に介入する
クイックシフターと組み合わせ、Eクラッチのモーター機構がクラッチ操作に介入する

 シングルクラッチやマニュアルトランスミッションは従来と同じものが使われ、それぞれの機構にもほとんど変化はありません。

 クイックシフターと組み合わせ、Eクラッチのモーター機構がクラッチ操作に介入します。簡単に言えば、従来のバイクの構造をそのままに、ライダーが左手でおこなう一連のレバー操作をやってくれるのです。しかも、人間より上手い。

 車速やエンジン回転、ギアポジションなど車体の状態や、シフトペダル荷重検知による点火時期/燃料噴射時間制御と組み合わせて、クラッチの切断/接続動作を電子制御にておこないます。

【画像】ホンダ「E-Clutch」の詳細を画像で見る(15枚)

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