カワサキの初代空冷4気筒エンジン「Z1E」「Z2E」はカムチェーン周りのコンディションに注意! 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.5
実際に摩耗した部品を検証
そのようなトラブルを起こした実例が、写真解説の部品になります。カムチェーンテンショナーギヤは、ゴムダンパーが弾けてバラバラになっていました。ゴムローラーも劣化が進むと弾力性を失い、磨耗が早まってしまいます。

左右に踊ってしまったカムチェーンによって、テンショナースリッパーも真っ二つに割れてしまうことが多々あるそうです。このようになったエンジンでも、始動可能なところに、初代空冷Zの頑丈神話が生まれるのかも知れません。
とはいえ、これらは大きな「落とし穴」なので、こうなってしまう前にライダーは気が付かないといけません。このようなトラブルの修理では、当然ながらエンジンは完全に分解して各部を点検し、肝心のカムチェーンも新品部品に交換しないといけません。

オイル漏れ修理などでヘッドカバーを取り外す機会がある際には、カムチェーンラインを覗き込み、チェーンラインが左右のどちらかにズレていないかも確認するのが良いでしょう。
また、カムチェーンテンショナープッシャー本体を取り外したときに、プッシャーが異様に飛び出していないかも要注意です。「プッシャーの異様な飛び出し=カムチェーンのタルみ=カムチェーンのズッコケ」このような方程式が成立することも知っておくと良いでしょう。
ちなみにカムチェーンテンショナー部は、取り付け穴から指先を突っ込み確認することで(メンテナンスミラーを利用することで目視確認も可能)、ガイドローラーとチェーンの位置関係を確認することができます。アイドルギヤやテンショナーギヤ軸を支持するダンパーゴムがダメージを受けると、カムチェーンはズッコケてしまい、重大トラブルに発展するので、不安なときには徹底的に点検することをお勧めします。
初代空冷Z系オーナーさんには、未来に愛車を継承する役割もあるのですから。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。











