カワサキ「Z2」エンジン左下床にオイルの滴り発見!! その対策方法とは?【応急処置編】 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.9
サイドスタンド前の床に落ちたエンジンオイルの滴りの原因は?
試運転を繰り返し楽しんでいたある日、ガレージの床にエンジンオイルが滴っている様子を発見しました。「あれっ、オイル漏れが始まったかな!?」と、床に寝転がり、エンジン下から覗き上げると、オルタネーターの下側後方、発電の立ち上がりハーネスターミナル部がオイルにまみれて、今にも、次の一滴がしたたりおちそうになっていました。

オルタネーターで発電された電気の立ち上がりを担当するのがこのハーネスです。カバー内から配線が表へ出るゴムグロメットのシール性が、今ひとつなのがZ2シリーズの特徴で、新車購入でも、数年後にはオイル滲みが始まる箇所としても知られていました。当然ながら、このZ2でオイル漏れが始まっても、何ら不思議ではありません。
カワサキ直系営業所に所属していたメカニックのバイク仲間にお話しを伺うと、750RSやZ750Fは現役当時から、このオイル漏れ問題は数多くあったそうです。その対策を本気で実践する時には「発電された電気が立ち上がる3本のハーネスを同時に交換するのが良いからね」と伺いました。何故なら、配線自体が劣化して、発電能力が低下している例が多いからだそうです。
将来的には、車体のフルレストアと同時に、エンジンもフルオーバーホールする予定なので、当然に劣化した立ち上がりハーネスは、新品コードに交換するつもりです。しかしここでは、近々、ツーリングへ出掛ける計画もあるので、「応急処置的なオイル漏れ対策」を実施することにしました。

立ち上がりハーネスのオイル滲みやオイル漏れは、オルタネーターカバーのターミナル部分に組み込まれるゴム製グロメットの劣化によって起こります。エンジン熱とゴムの経年変化によってグロメット寸法が縮んで硬化してしまうことから、シール性が甘くなり、その隙間を伝ってエンジンオイルの滲みや漏れが発生してしまうようです。

ここでは、オイル交換のタイミングに乗じて、応急処置的にオルタネーターカバーを取り外し、ゴムグロメット部分を養生するように、接着剤と液状ガスケットで封印処置しました。
新品ハーネスに張り替え、グロメットを新品部品に交換しても、単なる部品交換だけでは、再びグロメットに経年劣化が起こり、同じようにオイル滲みや漏れが発生してしまいます。「交換したばかりなのに、またオイル漏れが始まって……」といったお話しを聴くことがありますが、それは、接着剤や液状ガスケットを併用した封じ込みが足りなかったからだと思います。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。





