初登場から60年以上に渡りベストセラー “ちょい古スーパーカブ”と楽しく付き合いたい
2018年には、シリーズ累計の生産出荷台数が1億台を突破したホンダスーパーカブシリーズ。バイクを知らない者が見れば、最新モデルでも、歴代モデルでも、みんな同じように見えてしまうのがスーパーカブの大きな特徴です。しかし、よくよく見れば、デザインは異なり、仮に、同じデザインのモデルでも、細部仕様が異なるなどなど、実に多種多彩なのがスーパーカブの世界です。旧車を購入したら、まずは「オイル交換」から始めましょう。
定期的なエンジンオイル交換こそが絶好調の源
1958年にOHVエンジンを搭載して登場した初代スーパーカブC100シリーズに始まり、1966年にはOHCエンジンへとアップデートしたスーパーカブC50。
6ボルト仕様から12ボルト仕様へと進化したのは1980年代で、2007年には、遂に、キャブレターモデルの生産が終了して、FI仕様(フューエルインジェクション仕様)へと進化するなどなど、エンジンレイアウトに変更は無いながらも、細部の変更を含めると、星の数ほど仕様変更され続けてきたのがスーパーカブシリーズです。

そんな仕様変更を繰り返しながら、ベストセラーモデルの座に君臨し続けてきたスーパーカブシリーズは、初代モデルの登場が1958年なので、21世紀の現在に至る60数年間、作り続けられてきました。
ライダーの生誕年が初代モデルの登場以降であれば、「自分と同じ生誕年モデル」を探して乗ることができる、国内屈指のシリーズモデルです。
タフで壊れにくく、しかも頑丈なエンジンを搭載していたのが、スーパーカブ最大の特徴ですが、4ストロークエンジンのため、オイル交換は定期的に実践しないとエンジンコンディションを保つことができません。

オイル交換しようと、ドレンボルトを緩めたところ「コップ半分くらいしかエンジンオイルが出てこなかった!?」といったお話しもあるのが、スーパーカブでもあります。便利なバイクは、便利に使われてしまう宿命です。
メンテナンスが二の次にされてしまうことは珍しくなく、ユーザーのご都合主義で、走らせ続けている車両も少なくありません。
部品量販店のサービス部門でメカニック経験があるバイク仲間にお話しを伺うと、「オイル交換」依頼でピットに入ってきたバイクのドレンボルトを緩めたところ、お猪口一杯くらいしかオイルが出てこなかったり、酷いものになると、真っ黒な、たまり醤油のようなオイルが、ポトッ、ポトッと2~3滴程度しか出てこなかった経験もあったそうです。
そんなバイクの多くが4ミニ系モデルで、なかでもスーパーカブでは、そのような実例を何度も経験したことがあるそうです。

大切なエンジンオイルが無くなるほど、走り込まれてしまったようですが、これはオイル交換以前のお話しだと思います。何らかの問題があるから「エンジンオイルを消費してしまう」のだと思いますが、しっかりメンテナンスを行えば、それこそ10万キロ超も夢ではないモデルが、スーパーカブシリーズです。
ここでオイル交換したモデルは、1974年型のスーパーカブ90になります。オイル量を確認すると、アッパーレベルを明らかに超えるほど多くのオイルが注入されていました。
小排気量車の場合は、オイル量が多過ぎるとクランク運動時のロスになってしまい、スムーズかつ力強くエンジンが回らないこともあります。また、エンジンオイルを入れ過ぎたことによって、走行中にクランクケースのブリーザーからオイルを吹き出してしまうこともあります。これは要注意です。
吹き出したエンジンオイルがリヤタイヤに付着してしまうこともありますので、これは大変危険です。そのようなことにならないためにも、エンジンオイルの注入時には、既定のオイルレベルを守るように心掛けています。
パワフルな大排気量エンジンと比べ、非力な小排気量エンジンでは「オイル注入量」や「オイル粘度」が走行性能に大きな影響を及ぼすことも多いです。楽しく走り続けるためにも、定期的なエンジンオイル交換と規定のオイル注入量、そして使用状況に合わせたオイル粘度をチョイスして、楽しい走りを維持したいと思います。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。










