原付50ccクラスの本格スポーツモデル!! ホンダ「CB」シリーズの末っ子「ベンリイCB50」とは
1971年に発売されたホンダ「ベンリイCB50」は、上位機種と同等のメカニズムや装備で新時代の若者達の憧れの存在となりました。新型のSOHCエンジンはホンダの4ストローク50cc車のルーツとなり、たくさんのモデルに使用されました。
ミニマム「CB」は本格装備で若者の憧れ
1971年に発売されたホンダ「ベンリイCB50」は、「CB」シリーズの最小排気量モデルです。当時の若者を中心に、通勤・通学の足やツーリングに愛用されました。

ホンダの50ccロードスポーツモデルは「ベンリイCB50」が初ではなく、1690年代の「スポーツカブ110」や「ベンリイSS50」などがありましたが、他社の2ストロークエンジン搭載の50ccモデルが台頭してきます。
50ccクラスのラインナップの中で、「ベンリイCB50」は「ベンリイSS50」の後継モデルでしたが、新しい時代の感覚を持ったロードスポーツとして開発されました。
新設計エンジンはシリンダーから上部が直立する現代的な形状となり、水平に切られた空冷フィンや綺麗な曲線を描いてメガホンタイプのマフラーへと繋がる排気管などに、50ccクラスながらバイクが持つ美しさを感じさせます。
車体のメインフレームは鋼板プレスですが、パイプ材も使用したダイヤモンドタイプとなっています。スタリッシュなロングタンクなど当時の若者が憧れる上位機種に負けない、本格的なデザインとなりました。
また50ccクラスはエントリーモデルという位置付けでしたが、クラス初採用のタコメーターやヘルメットホルダーなど、装備の充実も「ベンリイCB50」の魅力でした。ウインカーや灯火類は安全に配慮した大型なもので、ヘッドライトにはポジション灯も装備しています。
新設計エンジンのシリンダーヘッドはSOHCで、最高出力は6ps/10500rpmと、その後の現在まで続く50ccモデルと比較しても遜色ないものでした。リターン式5速ミッションや湿式多板クラッチなど、上位機種同様に現代的なメカニズムを備えています。

これら50ccクラスをリードする装備の積極的採用は、その後のモデルチェンジにも続きます。
1973年にはメカニカル(ブレーキワイヤーで作動する)フロントディスクブレーキを採用した「ベンリイCB50JX」を追加し、1976年にはフロントディスクブレーキは油圧式となり「ベンリイCB50JX-I」と車名が変わります。
最終型は1981年に発売された「CB50S」で、その後の50ccスポーツモデルは水冷2ストロークエンジンの「MBX50」へ継承されました。
ちなみに「ベンリイCB50」用に開発された排気量49ccの直立タイプのSOHCエンジンは、その後ロードスポーツからレジャーバイク、オフロードモデルまで様々なモデルに採用されます。
37年の間には何度も設計変更が行なわれているはずですが、2008年発売の「エイプ50」でもボア×ストロークは「ベンリイCB50」と同じままでした。
ホンダ「ベンリイCB50」(1971年型)の当時の販売価格は7万5000円です。
■ホンダ「BENLY CB50」(1971年型)主要諸元
エンジン種類:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ
総排気量:49cc
最高出力:6.0PS/10500rpm
最大トルク:0.41kg-m/8500
全長×全幅×全高:1780×670×980mm
始動方式:キック
燃料タンク容量:7.0L
車両重量:68kg(乾燥)
フレーム形式:ダイヤモンド
タイヤサイズ(前後):2.50-17(4PR)
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
※2023年12月以前に撮影
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員









