アメリカ生まれアメリカ育ち!! バイクの王様ホンダ「ゴールドウイング」 高速から長距離ツアラーへの華麗なる転身

現在ではホンダの「ゴールドウイング」は長距離ツアラーの代名詞的存在であり、ゴージャスなバイクの王様というイメージです。しかしここに至る進化の原点は、アメリカの「ゴールドウイング」ユーザー達のバイクライフにありました。

アメリカ生まれの2代目は、長距離ツアラーの起点となった

 ライバル車を凌駕するリッタースポーツバイクとして、1975年にデビューした初代「ゴールドウイング(GL1000)」は、そもそも単なる新しいスポーツバイクではありませんでした。

1980年に登場したホンダ「GL1100」は、「ゴールドウイング」シリーズの2代目となる長距離ツアラー(写真は1982年モデル)
1980年に登場したホンダ「GL1100」は、「ゴールドウイング」シリーズの2代目となる長距離ツアラー(写真は1982年モデル)

 革新的な水冷水平対向4気筒エンジンはリッターバイクのパワーだけでなく、振動が少なく、重心が低い独特の乗り味を持っていました。アメリカのユーザー達はその潜在能力が長距離ツーリングにこそフィットすると感じ、グループでのロングツーリングに活用します。

 今回紹介する2代目「ゴールドウイング(GL1100)」は「GL1000」のデビューから5年めの1980年に登場しています。ホンダが市場の様子を観察し、「ゴールドウイング」に相応しい方向へ開発し直して仕上げるには、十分な時間です。

 排気量は10%アップして1085ccとなりますが、その排気量の余裕はパワーよりもトルク重視へ向けられました。ホイールベースも延長され、ライダーとタンデムシートに座るパッセンジャーとのスペースを拡大しています。

 イコライザーシステムを備えたエアアシストサスペンションや、新型のコムスターホイールも装備しています。

 デザインは、当時流行していたクルーザーラインナップのカスタムシリーズと近いものです。ホンダの個性あるヘッドライトやハンドルまわり、キルト柄の独立したダブルシート、大柄な車体に負けない存在感のあるエンジンなど、魅力的なスタイルです。

 このモデルから、生産拠点を日本からオハイオ州の工場に移管し、アメリカ生まれアメリカ育ちの「ゴールドウイング」として生産されていきます。

水平対向エンジンは重量物を低く配置できる。さらに「GL」シリーズは燃料タンクをシート下に配置することでさらに低重心とし、それによる操縦安定性の良さを追求している
水平対向エンジンは重量物を低く配置できる。さらに「GL」シリーズは燃料タンクをシート下に配置することでさらに低重心とし、それによる操縦安定性の良さを追求している

「GL1100」には派生モデルがありました。大型のカウリングや大量の荷物を収納するパニアケース、トランクといった快適な長距離ツーリングのための装備が充実した「GL1100 INTERSTATE(インターステート)」です。

「インターステート」とはアメリカ国内を網羅する高速道路網のことで、まさにアメリカ大陸を横断するような長距離ツアラーとしての指針を示したバイクでした。今ではそれらのカウリングやケース類は「ゴールドウイング」に標準装備となっています。

 さらに1982年にはステレオのAM/FMラジオやバックレスト、液晶メーターなど豪華さと最高の居住性を備えた「第3のゴールドウイング」となる「GL1100 ASPENCADE(アスペンケード)」が登場します。オプションで無線機やエアサスペンションの空気圧調整機構も設定されました。

「アスペンケード」はニューメキシコ州で行われたバイクラリーの名称で、ロッキー山脈南端の美しい景観は「ゴールドウイング」でのツーリングの舞台としてぴったりです。長距離ツーリングだけでなく、アメリカの贅沢なバイクライフが「GL1100アスペンケード」のようなプレミアムツアラーのコンセプトを生み出しました。

「ゴールドウイングGL1100」シリーズはTRACアンチダイブフロントフォークや前後連動ブレーキなど走りの装備も追加され、1983年までモデルチェンジをしながら4年間生産されました。

 そして1984年には3代目となる「ゴールドウイングGL1200」シリーズへとバトンタットしています。

■ホンダ「GOLDWING GL1100」(1980年型)主要諸元
エンジン種類:水冷4ストローク水平対向4気筒SOHC2バルブ
総排気量:1085cc
最高出力:81PS/7500rpm
車両重量:267kg(乾燥)

【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)

【画像】デカい!! ゴージャス!! イメージは夫婦タンデムで? 2代目ホンダ「ゴールドウイング」を見る(12枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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