レースレベルの速さも必要!? 【マン島TTレース2025】安全管理車両の公式パートナーにBMW Motorradが就任
1周60kmの公道を閉鎖して行われる、現存する世界最古の公道バイクレース「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」では、今年(2025年)からBMW Motorradが3年契約で「セーフティカー」と「トラベリング・マーシャル」バイクの公式パートナーとなりました。
まさか、いざとなったらタンデムも!? 信頼できるマシンが使われる
1周60kmの公道を閉鎖して行われる、現存する世界最古の公道バイクレース「マン島TTレース(Isle of Man TT Races)」(以下、TTレース)は、今年(2025年)からBMW Motorradが3年契約で「セーフティカー」と「トラベリング・マーシャル」バイクの公式パートナーとなりました。

TTレースが行われるTTマウンテンコースは、市街地から山岳部までコーナー数が約230、標高差は約400mもあり、世界で最も過酷なレースと言われています。
このイベントを安全に開催するために欠かせないのが、道路状況を調査したり、道路閉鎖や閉鎖終了の合図を迅速に行う「セーフティカー」と、レース前やレース中に走りながら安全確認などを行う「トラベリング・マーシャル」の存在です。
迅速なレース運営のため、これら安全管理の車両は走行時の速さも求められます。このためセーフティカーのドライバーはラリー経験者などが、トラベリング・マーシャルのライダーはTTレースやマンクス・グランプリのレース経験者で、マン島在住者が任命されることとなっています。
今年はトラベリング・マーシャル制度が始まって70周年にあたります。車両はプロモーションも兼ねてメーカーから供与されることが多く、TTレースの初期はノートンやAJS、トライアンフ、BSAなどイギリスのメーカーが採用されていました。
1977年に初めてホンダがマーシャル用バイクとして採用され、2008年はヤマハ、2010年はスズキが採用されていました。

今年からバイクはBMW「S 1000 RR」が供与されることになりました。めったにないことですが、タンデムする可能性を考えて1人乗りの「M 1000 RR」ではなく2人乗りができる「S 1000 RR」が選ばれたのではないかと思われます。
また、ニューカマー(新規参戦ライダー)の支援には「M 1000 RR」を2台投入。TTレースウィーク初日に行われる先導走行ラップでは、ライダーとオフィシャルを円滑に繋ぐ役割を持つ「ライダー・リエゾン」担当の“ミルキー”ことリチャード・クエイル氏らが「M 1000 RR」で先導しました。
万が一のクラッシュに備える「メディカル・ファスト・レスポンス・カー(MFR)」には、高性能SUVのBMW「X5 M」が提供されています。
コース管理やマーシャルの移動を行うオフィシャルカーにはPHEVのセダン「BMW 530e」が、またイベント全体の安全運営を担うセーフティカーは、ハイパフォーマンスモデル「M3」と「M5」が導入されています。
TTライダーたちの活躍同様、マン島の現場ではレース開始前と終了直後にトラベリング・マーシャルたちやセーフティカーの活躍を見ることができ、その光景もまた、TTレースのモータースポーツ文化の一部となっているのです。
Writer: 小林ゆき(モーターサイクルジャーナリスト)
モーターサイクルジャーナリスト・ライダーとして、メディアへの出演や寄稿など精力的に活動中。バイクで日本一周、海外ツーリング経験も豊富。二輪専門誌「クラブマン」元編集部員。レースはライダーのほか、鈴鹿8耐ではチーム監督として参戦経験も。世界最古の公道バイクレース・マン島TTレースへは1996年から通い続けている。










