「四国八十八ヶ所」の激坂を自転車で挑戦!! お遍路さんも転げ落ちる難所ベスト5を一挙紹介! ご褒美は1杯250円のうどん!?

激坂好きサイクリスト必見!? 「自転車お遍路」はどこが一番キツいのか? 標高差・勾配・路面状況まで、実体験に基づく「激坂札所ランキング・ベスト5」を紹介します。

「自転車お遍路」の難関ベスト5!

 四国を巡る八十八ヶ所の霊場は、多くの札所が山奥に位置し、その道のりを自転車でたどる「自転車お遍路」では、挑戦的で刺激的なヒルクライムの連続が待ち受けています。実際に四国を自転車で一周した筆者(才田直人)が距離・標高差・勾配・路面の状態などから総合的に判断し、特に過酷だった札所ベスト5を紹介します。

蛇のようにうねる「神峯寺」の最終区間
蛇のようにうねる「神峯寺」の最終区間

第5位:雲辺寺(第66番札所)

「雲辺寺」は八十八ヶ所の中で最も高い場所にある札所です。今回選んだのは徳島・池田町側からの登坂ルートです。登りの前半は舗装も整っており、比較的穏やかな区間もありますが、ラスト2kmからは一変して勾配が一気に上がり、コンクリートの激坂が待ち構えています。

 お遍路最高地点に立った充実感は最高の一言です。山頂には雲辺寺のほか展望台や天空のブランコなど絶景を楽しめるスポットがたくさんあります。ぜひゆっくり「最高標高」に浸りましょう。

<プロフィール>
・距離:約10km
・標高差:約700m
・平均勾配:7%

<激坂ポイント>
・標高差240m、平均勾配12%、コンクリート舗装含むラスト2km
・札所最高所となる標高約900m

第4位:神峯寺(第27番札所)

 今回取り上げる坂の中では最も短い「神峯寺」の登坂ですが、パンチ力は抜群です。距離3mkに対して標高差380mで、なかでも後半1.5kmは平均勾配16%という驚くべき数字です。通称「神峯の壁」と言われ、自転車を降りて押す人がいても不思議ではありません。

 それでも路面は良好で、集中して走れるのが救いです。登り切ったときの達成感は大きく、コンパクトながら強烈に記憶に残る札所です。

<プロフィール>
・距離:約3km
・標高差:約380m
・平均勾配:約12.7%

<激坂ポイント>
・標高差240m、平均勾配16%のラスト1.5km

第3位:横峰寺(第60番札所)

 プロフィールを見た瞬間から「ここはヤバい」と覚悟していた「横峰寺」は、実際に走ってみても、その印象は決して間違いではありませんでした。序盤から急勾配が連続し、途中に緩む区間はほとんどありません。

 標高約750mと、八十八ヶ所の中で3番目に高い札所ですが、駐車場がお寺より高い位置、約800mにあることが特徴です。第2位の「焼山寺」を上回り、「自転車お遍路」における実質的な標高第2位となります。

 横峰寺は西日本最高峰「石鎚山」を信仰する道場としても知られ、石鎚の懐に抱かれるような静かな山中にあり、境内には凛とした空気が漂っていました。

<プロフィール>
・距離:約5km
・標高差:約520m
・平均勾配:約10.4%

<激坂ポイント>
・クルマは有料の林道(自転車は無料)

第2位:焼山寺(第12番札所)

「一に焼山」と語られるほど、阿波の難所として有名な「焼山寺」は、その名に違わぬ厳しさでした。登り口からいきなり急勾配で、最初の数100mで心拍が跳ね上がります。その後もなかなか休みどころがありません。

 しかも前の札所「藤井寺」からは前段に堀割峠・焼野峠という2つの峠越えが控えており、体力を削られた状態でのヒルクライムとなります。焼山寺に辿り着いたときには疲労困憊でした。参拝後に境内の食堂で食べたうどん(1杯250円!!)の味は、今でも忘れられません。

<プロフィール>
・距離:約4km
・標高差:約400m
・平均勾配:10%

<激坂ポイント>
・「藤井寺」(第11番札所)からは堀割峠・焼野峠を含む連続ヒルクライムが待ち受ける通称「遍路ころがし」

第1位:太龍寺(第21番札所)

「太龍寺」の道は、間違いなく今回紹介する中で最も過酷でした。最大の理由は「超悪路と超激坂の組み合わせ」です。序盤から舗装が荒れており、苔むした路面には落ち葉や枝が散乱していて難しい登坂になります。後半は勾配が急激に上がり、20%以上の超激坂も現れます。

 ここはロードバイクで走れる「限界点」にある札所と言って良いでしょう。今後さらに路面が荒れる可能性もあります。悪天候の時など危険を伴う時のチャレンジは絶対に避けましょう。

<プロフィール>
・距離:約4km
・標高差:約400m
・平均勾配:10%

<激坂ポイント>
・標高差270m、平均勾配13.5%、最大20%以上の区間があるラスト2km
・悪路のため特に下りは要注意

荘厳な雰囲気のある「鶴林寺」の山門
荘厳な雰囲気のある「鶴林寺」の山門

次点:鶴林寺(第20番札所)

「阿波の三大難所」のひとつとして知られる「鶴林寺」には、北と南の2ルートがあり、オススメは南ルートです。舗装が綺麗で一定の急勾配が続き、集中して登れる坂です。半分を過ぎたところの「鶴峠」で北ルートと合流してからは、路面の荒れが目立つようになります。

 北ルートは道が荒れており、南ルートに比べると難易度が高めです。どちらのルートも10%前後の登りが続く厳しい峠道で、まさに「阿波の三大難所」の名にふさわしい一山です。

<プロフィール>
・距離:約4.5km
・標高差:約450m
・平均勾配:約10%

<激坂ポイント>
・鶴峠以降(1.5km):標高差180m、平均勾配12%
・路面が良好な南ルートに対して北ルートは路面が悪い

※ ※ ※

「自転車お遍路」は、信仰の道であり、同時に己との戦いでもあります。各札所の険しさを乗り越えた先にある景色や人との出会いは、なにものにも代えがたいものです。しっかり準備して臨みましょう!

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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