「自分達が乗りたいCBを造る」 非公認で始まったホンダ「プロジェクトBIG-1」 30年以上続いた歴史に幕 「常識はずれの大きさ」だった初代「CB1000 SUPER FOUR」とは

1992年に発売されたホンダ「CB1000 SUPER FOUR」は、逞しく堂々としたフォルムと力強い走りで高い人気を博しました。30年以上続いた「プロジェクトBIG-1」は、ライダーが感動する魅力に溢れた大型ネイキッドロードスポーツでした。

プロジェクトは、30年以上続く大型ネイキッドのスタンダードとなった

 2025年春にホンダの「CB1300」シリーズのファイナルエディション(最終モデル)が発売され、長きに渡る生産が節目を迎えました。同シリーズの30年を超えて続く人気やオーナー数の累計を想像すると、まさしく日本を代表する大型バイクと言えます。

ホンダの大型ネイキッドスポーツ「CB1000 SUPER FOUR」(1992年型/写真手前)は、30年以上続いた「プロジェクトBIG-1」の初代モデル
ホンダの大型ネイキッドスポーツ「CB1000 SUPER FOUR」(1992年型/写真手前)は、30年以上続いた「プロジェクトBIG-1」の初代モデル

 ファイナルエディションの燃料タンクやサイドカバーには「PROJECT BIG 1」と記されています。「BIG-1(ビッグワン)」とは、1990年代のホンダの次世代のネイキッドスポーツバイクのコンセプト(設計思想)でした。

 そのプロジェクトによって誕生した初代「ビッグワン」が、1992年に発売された「CB1000 SUPER FOUR(スーパーフォア)」です。

 1969年に「CB750フォア」を生み出して名実共に世界一のバイクメーカーとなったホンダは、1990年代に入ると社内には往年の「CB」に憧れて育ったエンジニアが、新型車を設計する時代になっていました。

 その中のひとりのデザイナーが「CB-1」の車体に「CB1100R」の燃料タンクを乗せたラフスケッチ描き、そこからプロジェクトは始まります。上司の賛同を得たデザイナーは「CBR1000F」のエンジンをベースにデザインを進め、会社としては非公認ながら、デザイン室の目立つ場所で実物大モデルを作り始めました。

 彼らは「自分達が乗りたいCBを造る=お客様からの共感」という思いを持っていました。出来上がった実物大モデルは輸出向けのリッタークラスに負けない、常識はずれの大きさでした。

 しかし開発現場から始まった異例の社内提案は、「欧米では売り上げが見込めない」と却下されてしまいます。このままではプロジェクトは日の目を見ずに終わってしまいます。

 そんな万事休すの窮地を救ったのは、弟分の「CB400 SUPER FOUR」(1992年新発売)でした。コンセプトを共にするこの400ccクラスのネイキッドバイクは国内専用車で、一足先に発売が決まりました。

コックピットは中央に水温計をレイアウトした3眼タイプ。スピードメーターとタコメーターにはステンレスリングを装着
コックピットは中央に水温計をレイアウトした3眼タイプ。スピードメーターとタコメーターにはステンレスリングを装着

「東京モーターショー」で「CB400 SUPER FOUR」のイメージ訴求という位置付けで「CB1000 SUPER FOUR」のプロトタイプを参考出品したところ、逞しく堂々としたそのフォルムに、来場者は熱い視線を浴びせます。

 その姿に魅了されたファンの大反響によって、「プロジェクトBIG-1」は正式に開発がスタートします。

 当時のホンダの水冷直列4気筒DOHCエンジンでは最大排気量となるリッター(1000cc)クラスに、前後18インチのホイールを組み合わせ、1540mmというロングホイールベースの車体は提案モデルのまま開発されました。

 ビッグバイクならではの手応えを感じながら、意のままにコントロールし、征服する感動までも追求し、数字では表すことのできない感動性能を持ったバイクに仕上げられました。

 そうして1992年11月に、大きな期待を集めて「CB1000 SUPER FOUR」は発売されました。1994年にはビキニカウルを装着した「CB1000 SUPER FOUR・T2」も発売されます。

 1996年には二輪免許制度が改訂されて自動車教習所で大型二輪免許が取得できるようになり「CB1000 SUPER FOUR」の人気は盤石のものとなり、その後30年以上も「BIG-1」という存在は生産され続け、1998年には後継車である「CB1300 SUPER FOUR」にバトンタッチします。

 ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(1992年型)の当時の販売価格は92万円です。

■ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(1992年型)主要諸元
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量:998cc
最高出力:93PS/8500rpm
最大トルク:8.6kg-m/6000rpm
全長×全幅×全高:2220×785×1130mm
始動方式:セルフ式
燃料タンク容量:23L
車両重量:260kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(F):120/70R18 59V
タイヤサイズ(R):170/60R18 73V

【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)

【画像】大型ネイキッドと言えばコレ!? 確かにデカいホンダ「CB1000 SUPER FOUR」を見る(10枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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