新車100万円で手に入る英国旧車!? ロイヤルエンフィールド「クラシック650」に漂う高級感と乗り味はインドに移りながらも1世紀を超える歴史にアリ!?

日本では2025年9月より受注が開始されたロイヤルエンフィールド「CLASSIC 650(クラシック650)」は、排気量648ccの空冷並列2気筒エンジンを搭載する、その名の通り「クラシック」を現代風にまとめたモデルです。どのような特徴があるのでしょうか。

歴史と物語、そして正統なスタイルを楽しもう!

 ロイヤルエンフィールドの「CLASSIC650(クラシック650)」は、見るほどに走るほどに「クラシック」という名称のプロデュースの上手さを感じさせてくれます。ロイヤルエンフィールドの124年の歴史を集約させ、空冷パラレルツインエンジン、クロームメッキを多用したディテール、フロント19、リア18インチのホイールサイズといった英国クラシックの黄金比を採用しつつ現代風にまとめ、高級感を最大限に与えています。

ロイヤルエンフィールド「CLASSIC 650」に試乗する筆者(小川勤)。常に軽快感が高く、ライダーのコントロール下に置きやすい素晴らしいハンドリングを披露。低速では鼓動感が明確で、高回転ではスペック以上の速さを披露してくれます
ロイヤルエンフィールド「CLASSIC 650」に試乗する筆者(小川勤)。常に軽快感が高く、ライダーのコントロール下に置きやすい素晴らしいハンドリングを披露。低速では鼓動感が明確で、高回転ではスペック以上の速さを披露してくれます

「クラシック650」は、すでに発売されている「スーパーメテオ650」や「ショットガン650」と同じエンジンとフレームを採用しています。スタイル以外の主な違いはホイールサイズとサスペンションで、クルーザーテイストの2台とは全く異なる世界観を作り出しています。これこそがロイヤルエンフィールドの上手さと言えるでしょう。

 そのあたりのこだわりをロイヤルエンフィールドのイギリスのテックセンターのグレン・コーベットさんに聞いてみました。

ロイヤルエンフィールドのイギリスのテックセンターのグレン・コーベットさんに「CLASSIC 650」のこだわりを聞いた
ロイヤルエンフィールドのイギリスのテックセンターのグレン・コーベットさんに「CLASSIC 650」のこだわりを聞いた

「クラシックという名前を使うことは、私たちの歴史と直結するという意味です。クラシック650は、私たちの歴史を象徴するモデル。歴史の集大成とも言えるでしょう。今日、手に入るバイクの中で最も純粋なクラシックスタイルのバイクです。

 このスタイルは水冷エンジンでは成り立ちません。空冷エンジンは規制などの兼ね合いで厳しい状況にあるのは事実ですが、我々はまだまだ続けていきます。なぜならば、このエンジンはクラシックな見た目や雰囲気を保つのにとても重要だからです。

 また、もっとコストを抑えて作ることもできたでしょう。しかし、クラシックには本物の豊かさとクラフトマンシップが必要でした。細かいパーツのクロームメッキやタンクの手書きのピンストライプはそのためです。歴史と物語、そして正統なスタイルを楽しんでください」と語ります。

高級感に溢れるクロームに映り込む景色を楽しみたい

 今回借り出したブラック・クロームの「クラシック650」の撮影は、クローム部分に写り込まないようにするのが大変でした。クロームは走っていてもさまざまな景色や空を反射させ、夜は闇に紛れたり、煌びやかなネオンを写し込んだりと多彩な表情を見せてくれます。一緒にいるとずっとキラキラとしており、朝日や夕陽、抜けるような青空など、空が美しいほど心を揺さぶってくるのです。

 また、街でも郊外でも、どんな景色にもフィットするのはオーセンティックなスタイルと、左右どちらから見ても絵になるからでしょう。遠目に見るとまるで昔のカタログから飛び出してきたかのような雰囲気を感じさせてくれます。

「クラシック650」は648ccの排気量にしては大柄で、車重は242kg、シート高は800mmです。佇まいに存在感がありますが、それは走り出すと重厚感や優雅さ、さらに安定感に繋がっており、ライダーを穏やかな気分にしてくれます。だからといってハンドリングが重たいわけではなく、フロント19、リア18インチのホイールが生み出す感性はライダーにとても馴染みやすく、どこまでも自由に移動させてくれそうな気分にさせてくれます。

 さらにベテランであれば大きなバイクを軽々と操る醍醐味を味わえるし、キャリアが浅ければその感性に全てを委ねて頼るとバイクの様々な楽しさを教えてくれるでしょう。素性が良いとはまさにこのことで、「クラシック650」はキャリアを問わず「良いバイクに乗っている」実感を得やすいのです。

歴史を継承する、ロイヤルエンフィールドにとって本当に大切な1台

 そしてクラシックスタイルに欠かせないのが、排気量648ccのパラレルツインエンジンです。眺めているだけで美しい造形を持ち、アルミ地肌のクランクケースカバーや飾りではない機能的なフィンは、現代のバイクが失ってしまったディテールのひとつと言えるでしょう。

造形がカッコいい排気量648ccの空冷パラレルツインエンジンは、スタイリングを構成する上でも重要な存在。最高出力は47ps/7250rpm、最大トルクは52.3Nm/5650rpmを発揮
造形がカッコいい排気量648ccの空冷パラレルツインエンジンは、スタイリングを構成する上でも重要な存在。最高出力は47ps/7250rpm、最大トルクは52.3Nm/5650rpmを発揮

 節度の高いミッションを1速に送り込み、クラッチを繋ぎ、スロットルを開けた瞬間から力強さと気持ち良さが味わえます。2速、3速、4速と矢継ぎ早にギアを上げ、トルクの立ち上がる回転領域を繋いで走ると、身体の中に永遠に気持ちの良い鼓動感が響き続けるような気がするのです。

 ちなみにこのエンジンは、ナラシを終えるとシフトタッチが抜群に気持ち良くなり、高回転での吹け方がスッと軽く、高速巡行もお手のものになります。

 スロットルを開けるとどこか生命力すら感じさせる息吹があり、それはライダーとバイクとの対話を濃密なものにしてくれます。

 最大出力は47psで、ベテランであるほどこの数値を見ると物足りなくなることでしょう。しかし、一度でも試乗するとまだ自分のキャリアが浅かったことに気がつくはずです。もちろん僕(筆者:小川勤)もそんな1人でした……。

ロイヤルエンフィールド「CLASSIC650」に試乗する筆者(小川勤)。ライディングポジションは自然で常にリラックスして乗ることができるからこそ、素直なハンドリングを楽しみやすい
ロイヤルエンフィールド「CLASSIC650」に試乗する筆者(小川勤)。ライディングポジションは自然で常にリラックスして乗ることができるからこそ、素直なハンドリングを楽しみやすい

 ライディングポジションは自然です。常にリラックスして乗ることができ、だからこそ素直なハンドリングを楽しみやすいのです。

 走行中に飛び込んでくるクロームメッキのキーシリンダーやスイッチボックスが高級感を、燃料タンクのハンドステッチペイントはクラフトマンシップを感じさせてくれます。メッキではなく塗装にしたり、ハンドステッチではなくステッカーにすれば、コストを大幅に削減することができるでしょう。しかし、それをしないのはロイヤルエンフィールドがクラシックという名前をとても大切にしているからです。

 過去や歴史をオマージュすることは、一見難しくないことのように見えるかもしれません。しかし、一方で大きなリスクもあります。歴史を汚したり、ネタ切れと思われたら元も子もないからです。

 しかし、そこはさすがロイヤルエンフィールド。今の時代にしっかりとクラシックを感じさせるバイクを生み出してきました。「クラシック650」は、勘どころを完璧に抑え、その長い歴史をさらに輝かせる存在なのです。

※ ※ ※

 ロイヤルエンフィールド「クラシック650」の価格(消費税10%込み)はカラーリングによって異なり、94万9300円から99万8800円となっています。

【画像】この造形美が!! 細部にまでこだわったクラフトマンシップが光るロイヤルエンフィールド「CLASSIC 650」を画像で見る(27枚)

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Writer: 小川勤

1996年にエイ出版社に入社。2013年に二輪誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。現在はフリーランスとして二輪媒体を中心に執筆を行なっている。またイベントレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。

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