想像以上の戦闘力!? スズキ「DR-Z4S」ならカウンターステアもジャンプもOK!! ツーリングも行ってみたい!!

発売を発表すると瞬く間に年間販売計画台数を上回るオーダーが入ったスズキのニューモデル「DR-Z4S」は、本格派オフローダーであることを誇示するかのように、スズキは報道向け試乗会をクローズドのグラベルコースで行いました。バイクジャーナリストの青木タカオさんは走行後、満面の笑み。その意味とは!?

スロットルを開けるのが楽しい!

 コントロール性に優れ、トルクも太いから、リアを右へ左へ振り回して走れるではありませんか! ツインスパーフレームを骨格としたスリムな車体は、軽快で俊敏ながらも落ち着きがあり、ストロークの長い踏ん張りの効く前後サスペンションで足まわりも申し分なし!!

スズキ新型「DR-Z4S」に試乗する筆者(青木タカオ)
スズキ新型「DR-Z4S」に試乗する筆者(青木タカオ)

 コーナーの立ち上がりでスロットルを開けると、イメージした通りに駆動輪が力強く路面を蹴り飛ばし、強烈なダッシュが味わえます。

 そのまま長めに設定されたストレートでワイドオープンすれば、中高回転域で気持ちよく伸びていきます。

 SDMS(スズキ・ドライブ・モード・セレクター)で、もっともアグレシッブな「A」モードを選ぶと、多用するミドルレンジでトルクがいっそう太し、アクセルを開けるのが気持ちいい!!

 ピックアップに優れるから、車体の挙動が乱れても右手のスロットルワークで姿勢を戻せます。スズキの新型「DR-Z4S」のオフロード性能は、想像をはるかに超えているではありませんか!!

本格派のDNAを受け継ぐ

 そもそも、スズキ「DR-Z」シリーズは過激な血統。デュアルパーパスが250ccモデルを主流とする中、軽量・スリムな車体をそのままに、普通二輪免許上限の400ccエンジンを搭載して、パワー重視でライバルを蹴散らしてきたのが2009年モデルまで国内ラインアップに名を連ねた先代「DR-Z400S」でした。

チーフエンジニアの加藤幸生さん(右)に話を伺う筆者(青木タカオ)
チーフエンジニアの加藤幸生さん(右)に話を伺う筆者(青木タカオ)

 はっきり言ってしまうと、上級者向けでとんがったキャラクターの持ち主だったのです。熱烈なファンたちに惜しまれつつ生産中止となりましたが、復活を望み続ける声がありつつ早くも16年が経ちました。

 そうしてついに、フルモデルチェンジした「DR-Z4S」が帰ってきたのです。新車価格(消費税10%込み)119万9000円で発売を発表するや否や、年間販売計画台数400台を超える受注が入ったことでも、いかに心待ちにされていたかがわかります。

 スズキも中途半端なものは出せないという想いだったのでしょう。チーフエンジニアの加藤幸生さんは、難題をいくつもクリアしなければならなかったと胸の内を話してくれました。

 まず、厳格化している環境規制への対応です。EURO2から一気にEURO5+まで引き上げなければなりません。水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは90×62.6mmのボア×ストロークこそ変わらないものの全面刷新。キャブレターのFI化(スロットル径36→42mm)はもちろん、エキゾーストシステムも触媒を2段階に入れた新作です。

 スペックこそ先代より2PS落ちた38PSとしていますが、低回転域の粘りと高回転域での力強さを向上していることは間違いありません。規制対応を行いながら、本格的な走行性能を追求することを開発チームは諦めなかったのです。

「キャラ変」のキモは電子制御

 大きな武器となっているのが、ドライブモードやトラクションコントロールといった電子制御システムです。かつては上級者向けのオフローダーでしたが、新型はビギナーからエキスパートまで、技量やシーンを問わず幅広い層に楽しんでもらいたいという思いを、電子制御でセッティングが大胆に切り替えられることで実現しました。

スズキ新型「DR-Z4S」2025年10月8日発売
スズキ新型「DR-Z4S」2025年10月8日発売

 穏やかな出力特性になる「C」モードにもこだわっています。ビギナーに優しいと言えども、トルクが欲しいときに「もたつく」と、かえって乗りにくいのです。

 エンジン特性・電子制御を担当した山本浩史さんは、全日本モトクロス選手権や全日本クロスカントリー選手権、GNCCなどに参戦するエキスパートですから、それを熟知しています。

 誰もが楽しめるエンジン特性を得るため、「C」ではアクセル高開度域での急激な出力上昇感を抑えました。開発チームはあらゆる環境下で走り込み、「Aモードなのに低速域も走りやすい」、「Cモードなのに発進時にモタツキすぎない」という、実戦的に「使える」モードセレクターを完成しているから舌を巻くばかりです。

「G」モードがあれば怖いものなし!!

 トラクションコントロールもまた秀逸な作り込みがされています。「G(グラベル)」モードはオフロードで重宝しました。介入量が程よく、出力を下げ過ぎないから思い通りに加速できます。

スズキ新型「DR-Z4S」に試乗する筆者(青木タカオ)
スズキ新型「DR-Z4S」に試乗する筆者(青木タカオ)

 ジャンプのアプローチは、テイクオフでリアタイヤを滑らせてしまうと空中で姿勢が乱れて着地で失敗するリスクが高まります。踏み切りは慎重にならなければなりませんが、「G」モードにしておけばアクセルを開けてしっかりと加速しつつも、駆動輪が大きくスリップするなんてことはありません。

 タイトコーナーで速度が落ち切ってしまった時もアクセルのガバ開けを許してくれますし、今回は使う機会がありませんでしたが、急坂を駆け上がる際も優位性が高いことが明らかです。ヒルクライム、やってみたくなります。

 ドライブモードとトラクションコントロールを得たことで、オフロードをハードに攻め込める「DR-Zらしさ」を存分に発揮しつつ、街乗りやツーリングをメインにしたライダー、そしてオフロード初心者も楽しめる仕上がりとなっています。

充実装備も目を見張るものが!

 コンパクトなユニット内にリフレクターを内蔵する高性能なバイファンクションLEDヘッドランプや、見やすい白黒LCD液晶ディスプレイの多機能メーターなど装備面も申し分なしの内容。

バイファンクションLEDヘッドランプが印象的なスズキ新型「DR-Z4S」のフロントマスク
バイファンクションLEDヘッドランプが印象的なスズキ新型「DR-Z4S」のフロントマスク

 えっ、6速じゃないのが気になるですって? 実際に走ると、ワイドレンジなので5速の方がダートではありがたく感じました。

 機会があれば一般道に出て、街乗り、ワインディング、林道、そして高速道路と欲張りなツーリングを楽しんでみたいと願ってやみません。クルージング力は、筆者(青木タカオ)もとても気になるところです!

【画像】現行では国内唯一!! 400クラスの本格派スズキ新型「DR-Z4S」を画像で見る(25枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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