バイクにスマホやアクションカメラ 雨に濡れても大丈夫? じつは「4ケタの記号」で確認できる!?
最近はスマートフォンをナビ替わりに使っているライダーも多く、アクションカメラやドライブレコーダーなども人気ですが、これらの電子アイテムは雨に濡れても大丈夫なのでしょうか? そこで重要になるのが保護性能で、「IPコード」で表しています。
埃と水に対する「保護性能」を表記
最近はスマートフォンをナビとして活用するライダーがかなり増えています。また旅の記録やSNS用にアクションカメラを使ったり、万一の事故に備えてドライブレコーダーを装備するライダーも増えています。
ところでこれらの電子アイテムは、雨が降ってきて濡れても壊れないのでしょうか?

近年の電気製品には、防塵・防水性能を示す「IPコード」を表記しています。これは2003年に国際電気標準会議(IEC)によって定められた規格で、「International Protection」の略になります。そして電子アイテムのカタログや仕様を見ると「IP67」といった具合に表記されています。
頭のIPは保護特性記号であることを表し、次の数字を第1特性数字と呼び、防塵性能を表します。その次が第2特性数字で、こちらは防水性能を表しています。
ちなみに、防塵性能だけを表す場合は「IP(数字)X」、防水性能だけを表すときは「IPX(数字)」のように、表記しない保護特性を「X」で記します。

保護特性の数字の意味ですが、防塵性能は7等級、防水性能は9等級に分かれています。
まず防塵性能は、外部から機器に対する固形物の侵入と同時に、人が触れた時の安全性も表しています。
たとえば「IP1X」は「手が入らない」、「IP2X」は「指が入らない」と言った具合で、スマートフォンやバイク用の電子アイテムにはあまり関係ないかもしれません。
また「IP3X」は工具の先端、「IP4X」はワイヤー(針金)などが浸入しないという意味なので、こちらもあまり関係ないかも。
しかし「IP5X」と「IP6X」は「粉塵」に対する保護性能なので、これはバイクだと重要な指標になり、少なくともどちらかをクリアしている機器が安心です。
そして肝心な防水性能ですが、こちらは等級によるテスト方法が細かく規定されています。
たとえば「IPX6」は「3mの距離から全方向に毎分100L・100kpaの噴流水を3分間かける」や、「IPX7」では「水面下1mで30分間」という具合です。
ただし「IPX8」は、機器を製造するメーカーが独自に定めた規格で耐水圧テストを行うため「水深○mで○○分間」といった注釈が付くのが一般的です。
なんとなく数字が大きい方が防水性能が高いように感じますが、じつは少々複雑で注意が必要です。たとえば「IPX8」は他の等級の条件をすべて満たしているのではなく、あくまで「IPX8」の規格要件をクリアしている、という意味になります。
そのため、継続的に水没しても内部に水が浸入しない「IPX8」でも、「IPX6」のような「噴流水」には耐えられない場合があります。
これは例えるなら、「浴槽に水没しても大丈夫なIPX8」と「シャワーの水流を当てても大丈夫なIPX6」の違いです。
ちなみに両方の規格をクリアしている機器の場合は「IPX6/IPX8」という具合に、2つの防水等級を表記しています。
また防水性能のテストは「常温の真水」で行うため、塩分を含む海水や洗剤などが混ざった水、アルコール類などの溶液は保護性能に含まれません。
バイクは使用条件が厳しい! 洗車時も要注意!!
そこでIPコードとバイクの使用状況を照らし合わせてみましょう。
まず防塵性能ですが、バイクは当然屋外を走るため砂埃や細かな粉塵を浴びるので、「IP5X」または「IP6X」をクリアしていることが望まれます。
次に防水性能ですが、雨天走行時は相当な勢いで雨粒が当たります(ヘルメットのシールドを開けて走ると顔が痛いくらい)。電子アイテムを雨が直接当たる場所に装着するなら「IPX6」をクリアしている製品が安心でしょう。

実際に有名メーカーのスマートモニターやドライブレコーダーのカメラなど、常に風雨にさらされるアイテムは「IP66」や「IP67」以上をクリアしている製品が多いようです(シート下などに配置する本体は「IP55」以上が多い)。
ちなみにスマートフォンのiPhoneは、iPhone 17で「IP68」(水深6mで30分間)ですが、「IPX6」や「IPX7」のような噴流水の規格の表記はありません。なのでスマートフォンの機種にもよりますが、ホルダーに装着して使用している場合は、雨が降ってきたらホルダーから外してバッグやウエアの中に収容するのが無難です。
また、バイクの洗車やメンテナンス時も要注意です。さすがにスマートフォンをホルダーに装着したまま洗車する人はいないと思いますが、噴流水に強い「IPX6」をクリアした製品(ドラレコのカメラなど)でも、高圧洗浄機の強力な水圧には耐えられない可能性があるので、吹き付けないように注意しましょう。

他にも、前述したように防水性能はあくまで「水」に対する性能なので、カーシャンプーなどの洗剤やパーツクリーナー、潤滑スプレーなどの薬液だと侵入する可能性があるので気を付けましょう。
というワケで、電子アイテムを使用する際はIPコードで防塵・防水性能を確認したうえで、その規格に合った使い方を……と言うか「使い方に合った規格の製品を選ぶ」のが安心です。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。











