気軽に乗り出せてリラックスした走りが魅力 トライアンフ「スクランブラー900」が2026年モデルで足も電子制御も充実!!
トライアンフのモダンクラシックシリーズは、2026年に多くのモデルをリファイン。アメリカのカリフォルニア州で開催された「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」で試乗した5機種から、2026年2月に国内導入予定の「SCRAMBLER 900(スクランブラー900)」のレビューを紹介します。
スクランブラーらしさはそのままに、走りの機能を充実
2026年モデルのトライアンフのモダンクラシックシリーズの中で、最も大きな変化を受けたのが「SCRAMBLER 900(スクランブラー900)」です。スクランブラーらしさはそのままに、より現代的なスタイルへと進化しました。
モダンクラシックファミリーの中でも、「スクランブラー900」に乗るライダーは若い層やエントリー層が多く、他メーカーからの乗り換えも多いモデルだと言います。
どちらかと言うと週末に市街地を流したり、短い距離の移動としてのパートナーとして人気のようですが、今回はオーナーからの声を反映させたアップデートを意識し、走りの性能を大きく引き上げたのが特徴です。
車体右側のアップマフラーは他モデルにないスクランブラーらしい象徴的なシルエットを構築。さらにアップハンドルと大径ホイールが、あらゆる道を走破させてくれることをイメージさせます。

そして、モダンかつ上品なスタイリングに貢献しているのは、ショーワ製の前後サスペンションです。フロントフォークは正立から倒立タイプとなり、リアの2本ショックはリザーバータンク付きに変更されています。またスポークホイールのリムはスチールからアルミとなって軽量化されました。
同時にフレームも改良を受け、さらにスイングアームはスチール製からアルミ製へ。見た目にも軽快感とスポーティさが増していることが分かります。
週末の市街地の相棒としてだけでなく、郊外を見据えた走りの楽しみを磨いてきたことが伝わってきます。
大幅アップデートされた電子制御が走りをサポート
「スクランブラー900」は、排気量900ccの水冷並列2気筒SOHCのエンジンを搭載しています。熟成を繰り返してきたこのエンジンは、今回のモデルチェンジでユーロ5+の規制に対応。それに伴ったECUのリニューアルに合わせて、電子制御を大きく充実させてきたというわけです。

ライディングモードは「ロード」「レイン」「オフロード」が用意され、コーナリングABSやトラクションコントロールも装備。「オフロード」モードではリアのABSをオフにすることも可能です。
実際に跨るとアップライトなポジションが安心感をもたらし、前後サスペンションはしっとりとストロークします。身長165cmと小柄な筆者(小川勤)の場合、タンクエンドの位置が高くて細いため、ニーグリップできる感覚はないもののホールド感は上々。シート高は790mmですが、とてもスリムなため足つきに不安はありません。
ブレーキとクラッチレバーをアジャストし、直感的に操作できるスイッチを使い近代的なメーターの中から「ロード」モードを選んで走り出します。
この日の早朝は極寒。アクセサリーの3段階に調整できるグリップヒーターが無かったら途方に暮れていたことでしょう。他にもスクランブラーには様々なアクセサリーが用意されているので、自分だけのスタイルを追求することができます。
タフで自由な感性が走りを誘惑!
頻繁にストップ&ゴーを繰り返す市街地では、270度クランクを採用したパラレルツインエンジンからのパルス感と、マフラーからのサウンドが程よく調和します。エンジンの出力特性はどこまでも穏やか。低いギアで引っ張る走りも可能ですし、少し大きめにスロットルを開けても軽やかにレスポンスしてくれます。

スペックは7250rpmで65psの最大出力を発生し、3250rpmという中速域で80Nmの最大トルクを発生。この数値は同じエンジンを搭載する「BONNEVILLE T100(ボンネビルT100)」と変わりませんが、「スクランブラー900」は、“より回りたがる”スポーティな味付けがつくり込まれています。
ワインディングに入るとスポーティさがより顕著に。サスペンションは乗り心地の良さだけでなく、想像以上にコーナリングを支えてくれます。
新しくなったブレーキからも確実なフィードバックを感じ、メッツラー製ツアランスネクストとの相性も抜群。ペースを上げる走りも得意で、そんな時でさえ絶大な安心感に包まれているのが特徴です。
途中、砂利が浮いている路面にも飛び込んでみましたが、そんなシーンも気軽に楽しめるのはスクランブラーならでは。ちょっとした冒険気分を味わえます。

「レイン」モードも試してみましたが、こちらも秀逸。バイクが穏やかになり、より身近な存在として寄り添ってくれます。悪天候時やキャリアの浅いライダーに限らず、長距離を走って疲労している時などに活用すると良いでしょう。
気になるのは、右足が若干熱いことです。スタンディング時もマフラーは足にフィットします。ただしこのスタイルこそがトライアンフ流のスクランブラー。タフで自由、そしてモダンなスタイルに欠かせないのです。
2026年のモダンクラシックシリーズの中で、一番の進化を遂げた「スクランブラー900」。取り回しのしやすさに加えて跨りやすく、これが乗りたい時に気軽に走り出せる感性に繋がっているのも魅力。「スクランブラー900」の機動力や運動性の高さは、2026年モデルで確実にステップアップしたと言っていいでしょう。
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国内導入は2026年2月予定のトライアンフ新型「スクランブラー900」(2026年モデル)の価格(消費税10%込み)は145万9000円となっています。
Writer: 小川勤
1996年にエイ出版社に入社。2013年に二輪誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。現在はフリーランスとして二輪媒体を中心に執筆を行なっている。またイベントレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。














