永遠の2スト俊足スプリンター!? ヤマハ「ジョグ」は1980年代から続く若者たちに大人気の原付スクーターだった

1983年に登場したヤマハの原付スクーターの代名詞とも言える「JOG(ジョグ)」は、車重49kgのライトウエイトスポーツスクーターです。移り行くユーザー層を捉え、ライバル車との販売競争の中で生き抜いたロングセラーモデルとなりました。

1983年に颯爽とデビューした原付スクーターの新基準

 ファミリーバイク市場(女性でも気軽に乗り出せる原付バイク市場)は、1977年にヤマハ「パッソル」が発売されて一気に盛り上がりました。

 販売台数が増えるつれてユーザー層は女性から男性へ、既婚者から若者へと移行します。それともないラインナップが増え、それぞれ個性を出したモデルも登場します。

 ヤマハは1981年に男性をターゲットに走りと所有欲を満たす原付スクーター「ベルーガ」と、若年層向け「パセッタ」を発売し、翌1982年には装備充実の大人の女性向けモデル「サリアン」も追加します。

 そうして1983年に登場したのが「JOG(ジョグ)」です。スニーカーをイメージした、軽快でアクティブなスポーツスクーターでした。その走りは最高出力4.5PSのパワフルな2ストロークエンジンと、車両重量49kgの軽さによって「瞬発力のある元気な走り」と表現されました。

1983年に登場したヤマハ「JOG」は、その後に続く原付スクーターの新スタンダードとなった(写真は1984年モデル)
1983年に登場したヤマハ「JOG」は、その後に続く原付スクーターの新スタンダードとなった(写真は1984年モデル)

 エンジンは球型燃焼室形状を採用し、吸気掃気効率を高めています。また変速特性が変化するトルクカム付きのニューパワフルマチックで加速は鋭く、登坂時には十分な駆動力を発揮しました。

 またバイブレスリンク式エンジン懸架により、快適な乗り心地と100km/Lもの超低燃費性能(カタログ数値)も持っていました。

 高張力鋼管フレームを採用する軽量ボディはとてもコンパクトですが、足元のスペースは余裕のあるライディングポジションが可能です。その秘密はフロントフェンダーと一体型のレッグシールドです。

 スマートで軽快なフロントボディは秀逸なデザインで、その後の原付スクーターのスタンダードデザインとなり、ボタンひとつで始動するセルモーターとオートチョークなどの快適装備も充実していました。

 撮影車両は1984年発売モデルで、ブレザー感覚の2トーンカラーが特徴です。大型化したメーターや、ブレーキレバーを握らないとエンジン始動しない安全機構の新採用、ニューパターンのタイヤなどに変更されています。この頃すでに生産台数30万台を超える大ヒットモデルとなっていました。

1984年モデルでメーターパネルのデザインを一新。表示が大きく見やすくなった
1984年モデルでメーターパネルのデザインを一新。表示が大きく見やすくなった

 原付スクーターブームの傍らで、レースや400ccと250ccクラスを中心にレプリカブームが大流行していました。その影響でライバルメーカーとの性能競争は原付スクーターにも及びます。

 走りが売りの「ジョグ」は、ライバルメーカーに負けないよう高性能バージョンのバリエーションモデルを次々投入します。1994年には最高出力7.2PSの「スーパージョグZR」が発売されました。

 2007年には排気ガス規制に対応した4ストロークエンジンを搭載するなど時代に適応し、ヤマハの原付スクーターの代名詞的存在となった「ジョグ」は、現在でも125ccクラスの「JOG125」や、電動スクーターの「JOG E」、そして新基準原付に適合した「JOG ONE」(排気量125ccクラス)などにその名が残っています。

 ヤマハ「ジョグ」(1983年型)の当時の販売価格は9万9000円、写真の1984年型は10万9000円でした。

■ヤマハ「JOG(CE50E)」(1983年型)主要諸元
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:4.5PS/7000rpm
最大トルク:0.54kgf・m/5500rpm
全長×全幅×全高:1555×605×965mm
始動方式:セル・キック併用
燃料タンク容量:3L
車両重量:49kg
フレーム形式:高張力鋼管アンダーボーン
タイヤサイズ(前後):2.75-10-2PR

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

【画像】“あの頃の原チャ”と言えばコレかアレとソレだった!! 2ストエンジンのパワフルなヤマハ「JOG」を画像で見る(8枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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