125生産終了のいま通勤快速の座を守るアドレス110! その実力いかに!?
原2スクーターの試乗経験が豊富な上、普段の足にもスズキ・アドレス125を使うバイクライターの青木タカオさんがアドレス110に試乗。オーナー目線で切り込みます。
なぜなんだー!
スズキ『アドレス125』の新車を3年前にスズキワールドで購入し、日常の足としてフル活用。大満足している筆者(青木タカオ)は公式ホームページで「生産終了」を知り、思わず叫んでしまいました。

「なぜなんだー!」と……。
だって、そうでしょ。通勤快速と名高いアドレスシリーズの“フラッグシップ”ですよ! なぜなくなるのか?
由緒正しき血統です
125ccのスクーターをフラッグシップと呼んでいいのかわかりませんが、スズキ・アドレスは初代が1987年に誕生して以来、35年もの間、連綿と続く由緒正しきシリーズ。
スズキ初のメットインスクーターとして生まれた『アドレス50』(1987年)は、ホンダ「TACT(タクト)」や「DJ1R」、ヤマハ「チャンプRS」という人気モデルがあるなか登場し、見事にヒット。レーサーレプリカブームでスペック至上主義だった当時は、原付1種スクーターにも速さや馬力が求められ、5.8PSのタクトや6PSのDJ1R、6.3PSのチャンプRSに対し、なんとアドレスは6.5PSを発揮し、ユーザーに支持されたのでした。
88年の『アドレスチューン』は7PSに達し、ホンダ『ディオ』(6.4PS)、『DJ1RR』(6.8PS)を寄せつけません。90年には7.2PSを発揮する『アドレスV50』がデビューし、アドレスの俊足ぶりを猛アピールしていくのです。

91年にはリヤスポイラーマウントのストップライトやスモークレンズのウインカーなどを備えた『アドレスVチューン』も登場しますが、原2クラスの初代は同年にデビューした『アドレスV100』でした。
50の車体に100のエンジン!
これがめっぽう速い。なんせ、前後10インチの足回りで車体はほとんど50ccのまま。軽量コンパクトなボディに、最高出力9PSの100ccエンジンを積むのだから速いにキマってます!
原付1種の30km/h制限速度や2段階右折などの“縛り”がなく、大きなバイクやクルマと同じように飛ばせてしまう。誰が言ったのか、この頃から「通勤快速」と呼ばれるのでした。

値段も20万円を切る破格の安さで、首都圏をはじめ都会近郊に住む人たちの通勤の足として重宝されます。98年に「アドレスを超えるのはアドレスだけ」のキャッチコピーで『アドレス110』がデビューしつつも『アドレスV100』もラインナップされるという、いまも続くスズキならではの併売となります。
ただし『アドレス110』は12インチホイールを履くことから、『アドレスV100』を選ぶ人が優勢。小回りが効くことが好まれたのでした。
4スト化されても速かった
ここまでは、2ストロークエンジンを搭載する2003年までのハナシ。2005年に空冷4サイクルSOHC単気筒2バルブエンジンを心臓部にする『アドレスV125』にバトンを渡します。

フューエルインジェクション採用はクラス初で、先駆け的なところを譲らないのもスズキらしさ。『アドレスV125G』で、2008年の排ガス規制という大きな壁も乗り越え、スズキ小排気量モデルの看板モデルとしてロングセラーを続けました。
不満なきアドレス125
報道向け発表会で「先代のアドレスV125Sよりもスタートダッシュでアタマひとつ前に出る」と説明され、2017年に発売されたのが筆者の購入した『アドレス125』でした。車体が少し大きくなり、フロントには安定志向の12インチタイヤを履きます。何を意味するのか、車名から「V」が外れています。鉄だったホイールはアルミ製にグレードアップされているのも見逃せません。

普段から乗っていて思うのは、やっぱり速いってことで、信号待ちからアクセル全開で発進すると先頭に立ってしまうことがほとんど。鋭いダッシュ力でスポーツバイクも置き去りにしてしまい、なんだか申し訳なく思い、先を譲ったりすることも少なくありません。
文句のつけようがない機動力で、どこかに不満はないのか自分を問い詰めると、強いていえばV125Sに付いていた時計が省略されたことでしょうか。腕時計やスマホを見れば済むので、どうってことはありませんが、仕事に使うことが多いので時計はあると便利だったと思います。














