名前はカワイイけど内容は極悪!? 「カルガモ走行」の実態とは
「カルガモ走行」と呼ばれる犯罪行為を知っていますか? 一見するとかわいらしい名前ですが、その内容は極悪です。いったいどのような走行なのでしょうか。
見つかれば逮捕の極悪行為!カルガモ走行とは
春の終わりから初夏にかけて、度々話題となるカルガモ親子の引越しは、とてもかわいらしいものです。親鳥に置いていかれないように、必死についていく幼鳥をついつい応援してしまった経験のある人もいるでしょう。
そんなカルガモ親子の姿に似ていることから名付けられた、「カルガモ走行」というクルマやバイクの走行行為が存在します。可愛らしい名前とは裏腹に、その実態は悪質なもの。そんなカルガモ走行とは、どのような行為を指すのでしょうか。

広い意味でのカルガモ走行は、カルガモ親子のように前車にピッタリとくっついて走行することを指しますが、昨今のカルガモ走行というと、主にこの走り方を利用したETC料金所の不正未払いを示します。
ETC料の金所において、大型のクルマ等の後ろでETCのついていないバイクやクルマが車間距離を詰めて通り抜ける事で、ETC料金の支払いを不正に免れることができるとのこと。
最近では2023年6月に、神奈川県で逮捕者が出た事例が記憶に新しいでしょう。他にも、バイクで364回ものカルガモ走行を繰り返したとして、大阪でも逮捕者が出ています。
この、カルガモ走行は不正に高速道路を無賃で通行し、高速道路の管理会社に迷惑をかけるだけでなく、前車との車間を極端に詰めることによる事故リスクの増大にも繋がる危険な行為です。
実際にカルガモ走行をしている車両を見ると、制動距離も関係なく、前者との距離は普通車1台分程しかありません。これでは前車が急ブレーキをかけた際、追突してしまう可能性が高いことは容易に想像することができるでしょう。

NEXCOや首都高速道路株式会社などは、このような不正通行者に対する強い姿勢を見せており、取り締まりも強化中。そんな、カルガモ走行で逮捕されると、どのような罪に問われるのでしょうか。
NEXCO中日本の不正通行総合対策ページによると、通行方法に違反した運転者には、道路整備特別措置法第59条の規定により、30万円以下の罰金が科せられるとのこと。さらに、支払わなければならないのは罰金だけではありません。未払いで通行した通行料金についても、NEXCOなどの高速道路会社は、本来払うはずだった金額に加え、免れた通行料金の2倍に相当する額の割り増し金を請求すると定めています。
なお、NEXCOをはじめとした各社は、カルガモ走行のような不正通行抑止のために、不正通行者を明らかにする監視カメラの設置や積極的な警察への通報、捜査への協力体制の強化など、さまざまな対策をおこなっています。
また、一部のサービスエリアやパーキングエリアでは不正通行抑止を目的としたポスターも掲示されており、実際に目にしたことのあるという人も多いと思います。ちょっとした出来心で通行料金を誤魔化そうとした結果、本来の通行料金に加え、割増金や罰金の支払いをする事になるカルガモ走行は、やめておいた方が身のためです。