カスタム用語集Vol.3~「ワンオフ」……誰とも被らない、究極のカスタムパーツ!?
「愛車に個性を出したい」「人とは違うスタイルにしたい」と考えてカスタムを行う人は多いでしょう。そんな方には、誰とも被ることがないカスタムパーツ「ワンオフ」はいかがでしょうか。
自分だけの完全オリジナルパーツ
「ワンオフ」とは、英語で「one off」と書きます。「一度きり、一回限り」という意味で、つまりワンオフパーツとは「一度きりのパーツ」ということ。量産品とは異なり、そのバイクだけに作られた一品限りのパーツを指します。
カスタムパーツといえば、アフターパーツメーカーが発売するシートやマフラー、メーターなどの量産品を思い浮かべるでしょう。多くのライダーは、そうした量産パーツの中から好みのデザインや性能のパーツをチョイスし、自分だけの愛車を作りあげています。それらの組み合わせは無限にあるので、実際、まったく同じ仕様のカスタムバイクに出会うことは皆無と言って良いでしょう。
しかし、それでも個々のパーツは量産品のため、やはりどこかで「人と同じ……」と思う人も少なくないようです。そして、そんなカスタム上級者や絶対譲れないこだわりを持つライダーが行き着くのが「ワンオフパーツ」なのです。
カスタムショップに依頼するのが一般的
では、ワンオフパーツはどこで購入するのでしょうか? アフターパーツメーカーが対応してくれることはほとんどありません。
多くの場合、カスタムバイクショップで打ち合わせを行い、製作することになります。実際に車両に合わせて作るため、愛車をショップに持ち込むことがほとんどです。製作途中でも車体にパーツを合わせたり、デザインの微調整のために打ち合わせを行うことも多いようです。
自分で図面を引ける場合は、その図面を金属加工工場などに持ち込んで製作を依頼する人もいます。もちろん、いきなり図面を持ち込んでも受けてもらえないことがありますので、あらかじめ製作が可能かどうかは必ず確認しましょう。

ゼロから作るワンオフと、既存パーツに加工を施したワンオフがある
ひとくちに「ワンオフパーツ」と言っても、じつは大きく2パターンがあります。
ひとつは、例えばパイプを使ってハンドルバーを作ったり、鉄板から燃料タンクを作ったりするなど、ゼロからパーツを作り上げる方法です。もうひとつは、例えばシートであればシートベースは純正を使いつつ、あんこ(スポンジ)や表皮を新たにして、純正とはまったく異なるデザインにする方法です。
後者もワンオフであることに違いはありませんが、加工の程度によっては「純正加工」と呼ばれることもあります。ただし、その程度に明確な基準はありません。
どちらにせよ、ワンオフパーツとは、既存のカスタムパーツにはない唯一の意匠を持ったパーツということ。まさに自分だけの究極のカスタムパーツと言えるでしょう。
Writer: 佐賀山敏行
カスタムバイク専門誌の編集長を経て、現在はヤマハSR400/500に特化したWEBマガジン「The SR Times」を運営する。自身も現在93年式と14年式の2台のSRを持つフリークだが、基本的にはバイクは何でも好き。