みんな知ってる?「一灯式信号」のルール
「信号機」と聞いて、赤青黄の3色ランプがついたものを思い浮かべる人も多いはず。しかし交通量の多い街中ではあまり目にする機会はないかもしれませんが、ランプがひとつしかない「一灯式信号」も存在します。では一灯式信号が設置されていたら、どのように走行すればよいのでしょうか。
最近では数が減っている…一灯式信号って?
信号機といえば、赤青黄の3色のランプがついた「三色信号」が一般的ですが、中にはランプがひとつしかついていない「一灯式信号」も存在します。

一灯式信号は、主に道が狭く信号機が設置できない交差点や、交通量の少ない十字路などに設置されます。交通量が少ないにもかかわらず三色信号を設置すると、赤から青へ信号が切り替わるまでの時間がタイムロスとなり交通の流れが悪くなってしまいます。
また交差点の場合、信号機がないと直進しているスピードのまま交差点に侵入してしまい、出会い頭に他の車両と衝突してしまう危険性もゼロではありません。
そこで一灯式信号を設置することによって、交通量が少ない道路や交差点でも円滑かつ安全に走行できるようにしているというわけです。
しかし一灯式信号のルールはあまり周知されておらず、かえって事故の原因になりかねないとして最近では撤去が進められていると言います。実際警察庁も、「一灯点滅式信号機その他の常に灯火の点滅を行っている信号機については、一時停止の交通規制その他の対策により代替が可能な場合は、信号機の撤去を検討 するものとする」としています。

また道路のカラー塗装やソーラー充電式のLEDを使用した一時停止標識の普及も、一灯式信号の撤去が進められている理由とされているようです。
ただ撤去が進められているとは言っても、山間部の農村地域など一灯式信号が設置されている場所は残っています。ツーリングで各地を走行する機会の多いライダーにとっては、今後目にする機会も少なくないとは言い切れないでしょう。
では一灯式信号が設置されていたら、どのように走行すればよいのでしょうか。

一灯式信号では基本的に、赤色もしくは黄色のランプが点滅します。道路交通法施行令2条にはそれぞれの色が示す意味が記載されており、まず赤色のランプが点滅していた場合は「車両等は、停止位置において一時停止しなければならないこと」と明記されています。
一灯式信号が設置されている道路には停止線が引かれていることがほとんどです。交通量が少ないからと言って決して油断せず、十分に安全確認をした上で走行しましょう。
なお前述のように一灯式信号のルールはあまり周知されていないため、赤色点滅信号を「徐行」の意味だと捉えて走行してしまう人も少なくないようです。しかしバイクやクルマなどの場合「一時停止」しなければならないことを肝に命じておく必要があります。

そして黄色のランプが点滅していた場合については、「歩行者等及び車両等は、他の交通に注意して進行することができること」とされています。こちらは赤色点滅信号のように一時停止が必要とは明記されてはいないものの、周囲の車両や歩行者に注意しながら走行しなければなりません。
そのため、黄色点滅信号が設置されていた場合でも周囲の安全を十分に確認し、状況に応じて一時停止や徐行などを使い分けていくのが良さそうです。
ちなみに一灯式信号、もとい点滅信号を無視した場合でも取り締まりの対象となり、二輪車の場合は違反点数2点に加え6000円の反則金、原付の場合も違反点数2点と5000円の反則金が科せられることになります。
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撤去が進み以前より目にする機会の減った「一灯式信号」ですが、今でも設置されている場所はあります。一般的な三色信号とは異なる仕様のため、点滅するランプが何を意味しているのか知らないと混乱してしまうこともあるかもしれません。
赤と黄色の点滅信号がそれぞれ何を意味しているのか十分に理解して、安全な走行を心がけましょう。