ベスパ「GTS」シリーズの魅力 「クラシック150」と「スーパースポーツ300」で実感
モノコックフレームならではの乗り味
ホイールベースが1334mmで車重が120~130kg前後のスモールボディと比べれば、車格が大きくて車重が重いのに、「クラシック150」(=1385mm・150kg)と「スーパースポーツ300」(=1380mm・163kg)は、他社のスクーターとは一線を画する、キビキビしたフィーリングを味わわせてくれます。その理由としては、座面が高めでウレタン硬めのシート、自然に背筋が伸びるライディングポジション、前後12インチのタイヤなども挙げられますが、一番大きな要素はモノコックフレームでしょう。

逆に言うなら、外装が骨格を兼ねるモノコックフレームは、パイプフレーム+樹脂製外装の一般的なスクーターとは異なる資質を備えているのです。もっとも現在の基準で剛性や運動性などを考えるなら、モノコックはパイプより必ずしも優位ではありません。また、モノコックフレームを採用するすべてのスクーターが、ベスパに通じる乗り味を実現しているわけでもありません。
とはいえ、ベスパのキビキビしたフィーリングには、モノコックフレームが確実に貢献しているはずです。そしてこの骨格の勘所を熟知しているからこそ、同社のスクーターは他社のライバル勢とは一線を画するダイレクト感や軽快感、操る楽しさが味わえるのだと思います。
速さの300と、軽さの150
実際に「GTS」シリーズを購入するとなったら、悩みの種になるのが、150と300のどちらを選ぶかです。もちろん、速さでは最高出力が23.8HPの300(150は15.6HP)、軽さなら150に軍配が上がるのですが、2台を同条件で比較しなければ、150のパワーに物足りなさを感じることや、300の重さ(と言っても、他社の250ccスクーターより軽量)がマイナス要素になることは無さそうです。

ちなみに現在の私は、僅差で150に軍配を上げたい……ような気がしています。
と言うのも、個人手に昔から大より小に惹かれる傾向があって、例えばホンダ「PCX」やヤマハ「NMAX」なら兄貴分の160や155より弟分の125、ハーレーダビッドソンの「スポーツスター」なら、1200より883に好感を抱いていました。
言ってみれば、シャシーがエンジンに勝っているキャラクターが好みで、「GTS」の場合は300より150のほうが、モノコックフレームならではの魅力が分かりやすいと感じたのです。
Writer: 中村友彦
二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。






































