ベスパ「GTS」シリーズの魅力 「クラシック150」と「スーパースポーツ300」で実感

イタリアの老舗ブランド「Vespa(ベスパ)」がラインナップする「GTS」シリーズの中から、排気量が異なる「GTSクラシック150」と「GTSスーパースポーツ300」に試乗しました。

ホンダ「スーパーカブ」との共通点

 イタリアの老舗ブランド「Vespa(ベスパ)」が手がけるスクーターには、大昔からラージボディとスモールボディの2種類が存在します。近年のラージボディの代表格は「GTS」シリーズで、2005年の登場時は排気量250ccクラスのみでしたが、後に125cc/150cc/300ccが追加され、現在の日本では「クラシック150」、「スーパー150」、「スーパースポーツ300」、「スーパーテック300」、という4機種がラインナップしています。

ベスパ「GTS Super Sport 300」に試乗する筆者(中村友彦)
ベスパ「GTS Super Sport 300」に試乗する筆者(中村友彦)

 当記事で紹介するのは「クラシック150」と「スーパースポーツ300」で、試乗前に2台の細部をじっくり観察した私(筆者:中村友彦)は、以前から抱いていた大雑把で突飛な持論、“ベスパはイタリアのスーパーカブ説”……を思い出しました。

 と言うのも、ベスパとホンダの「スーパーカブ」には、時代に応じてさまざまな変化を遂げつつも、昔ながらの特徴を頑なに守り続けてきた、という共通点があるのです。

 まずベスパは、伝統の「2ストローク単気筒エンジン+ハンドチェンジ」を1980年代から段階的に廃止しましたが、1946年型「Vespa 98」に端を発する「スチール製モノコックフレームと片持ち式フロントサスペンション」を現在も維持しています。

 そしてスーパーカブは、2000年代に「スチール製バックボーン+プレスモノコック構造のフレーム」と決別しながらも、「4ストローク水平単気筒エンジン+自動遠心式クラッチ」という構造は1958年型「C100」から変わっていません。

 もちろん、日常域を重視した特性や愛嬌抜群のルックスも、ベスパとスーパーカブに通じる魅力です。まあでも、厳密に言うならスーパーカブに近いベスパは、当記事で取り上げるラージボディではなく、車重が軽くて排気量が125/150ccクラスのスモールボディのほうでしょう。

2023年型で堅実な仕様変更を実施

 歴史やキャラクターに加えて、モデルチェンジ後の変更点が門外漢には分かりづらいことも、ベスパとスーパーカブの共通点と言えそうです。

ベスパ「GTS Classic 150」に試乗する筆者(中村友彦)
ベスパ「GTS Classic 150」に試乗する筆者(中村友彦)

 例えば「スーパーカブC125」は、2022年型でエンジンの変更を筆頭とする地道な改善を受けていますが、外観から2021年型以前との差異が判別できる人は決して多くはないはずです。

 そしてベスパの「GTS」シリーズも、2023年型で足まわりの刷新や灯火類のフルLED化、スマートキーやトラクションコントロールの導入といった進化を遂げているのですが、パッと見の印象は従来型とあまり変わりません。

 そういった事実を考えると、この2機種にとって変化は必ずしも良いことではないのでしょう。と言うより、そもそもベスパとスーパーカブオーナーの多くは、改善はOKでも、劇的な変化は望んでいないと思います。

 今回試乗する「クラシック150」は、2023年から新たにラインナップに加わったモデルですが、価格が同じ64万9000円の兄弟車、「スーパー150」との違いは各部のカラーのみです。一方の「スーパースポーツ300」は、他機種ではメッキ/バフ仕上げのパーツをブラックアウトしていることが特徴で、価格はTFTメーターを装備する「スーパーテック300」より3万3000円安い88万円です。

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