スズキ「GSX-8R」の仕立ては想像超え!! 親しみやすく扱いやすいマルチなポーツバイクだった
この優しさは、一体ナニ?
想像以上だったのはそのライディングフォームの優しさです。フルフェアリングではないものの、タンクトップから鍛えた腕が覗くようなスタイル。見た目のシャープで鋭いスポーツマシン然としているのに、跨がってハンドルバーに腕を伸ばすと、前傾する上体が感じとる優しさのようなものは何でしょうか。

クリップオンタイプのハンドルバーは、幅も適度にタイトなのでコンパクトでありながら、Uターンや左折小廻りなど、低速で前輪に舵角が大きく当たるときでもハンドルバーが常に懐にある感じで、取り回しがメチャ楽なのです。
ここでポイントなのが、エンジンが持つスムーズで力強い低速トルクです。ドンツキなく引き出せるため、ネイキッドモデルの「GSX-8S」と同じホイールベースながら、むしろ「GSX-8R」の方がクルっと小廻りが効きやすいのでは、と思うほど。
ホンダ「CBR400R」も似たパッケージですが、あちらは400ccクラスです。低速トルクの充足度が排気量775ccの「GSX-8R」とは、やはり違います。
「GSX-8R」はオオカミの皮を被ってはいるものの、近所のコンビニランも、朝晩のコミューターとしても、ツーリングバイクとしても、スポーツバイクとしても、どこをとっても「ドンズバ」なスポーツバイクだったのです。これは想像超えでした。

ブレーキシステムのタッチ、制動力の良さ、サスペンションとのマッチングも充分。上級機種が採用するラジアルポンプのマスターシリンダーなどは使わなくても、無駄なストロークが抑えられたシステムでワインディングを走っていても、ブレーキングという難しい課題を楽しい時間に変位させてくれます。
スズキの魅力としてコストを抑えた点も考えても、高いモノを使わずとも感触の良さは引き出せる、というお手本でした。
高速道路巡航では安定感もあり、豊かなトルクを発生するエンジンにより80~120km/hという制限速度を問わず、力強いクルージングをしてくれます。
サーキットも視野に入れた低めのウインドスクリーンで快適性最高! とはいきませんが、このバイクと市街地からツーリング、ワインディング、いやいや、サーキットまでも楽しもうというライダーならば、この部分だけを見て選択肢からハズすことはないでしょう。
まさにバイプレーヤー的な「GSX-8R」は、そんな身近なスーパー機能的スポーツバイクでした。
※ ※ ※
スズキ「GSX-8R」の価格(消費税10%込み)は114万4000円です。カラーバリエーションは取材車両の「マットソードシルバーメタリック」のほか、「トリトンブルーメタリック」、「マットブラックメタリック」の全3タイプが用意されています。
Writer: 松井勉
モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。


















