逆回転クランクで路面に吸い付く!? イタリアの走る宝石は実力も第一線級!! MVアグスタ「スーパーヴェローチェ98」に試乗

JAIA日本自動車輸入組合・二輪車メディア向け試乗会に、バイクジャーナリストの青木タカオさんが参加。「ライバル不在の孤高のミドル」と興奮気味で話すのが、イタリアの名門がリリースする限定車です。ネオクラシックなハイテクレーサーは歴史も感じさせ、所有欲も存分に満たされそうではありませんか。

唯一無二のスタイルと存在感

 フロントエンドにかけて形状を窄ませ、先端を尖らせたロケットカウルが目をひきます。他メーカーのスポーツモデルとはまったく似ていない、独創的なスタイルが際立つのは『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ(Superveloce 98 Edizione Limitata=限定エディション)』です。

MVアグスタ『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ』にモーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏が試乗
MVアグスタ『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ』にモーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏が試乗

“走る宝石”であるとか“二輪界のフェラーリ”などと呼ばれるイタリアのバイクブランド「MVアグスタ」。シチリアの貴族、ジョヴァンニ・アグスタ伯爵が1907年に創業し、航空会社「AGUSTA」をパレルモ(シチリア島最大の都市/州都)に設立しましたが、第二次世界大戦で敗戦国となると、航空機の製造が禁じられ、モーターサイクル事業に本格的に参入することに。

 初のモーターサイクルとして市販化されたのが『MV98』というモデル。戦時中の1943年に排気量98ccの単気筒エンジンが完成し、潤滑式2速ギヤボックスを組み合わせたモデルをつくり上げていたものの工場が占領され、生産活動を休止せざるえなくなりましたが、終戦後の1947年にミラン近郊の都市カラーテ・ブリアンツァのレースでフランコ・ベルトニーニが乗り、勝利をもたらしました。

『MV98』の誕生から80年が経った2023年の秋に、限定モデルとして300台を生産すると発表したのが、この『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ』です。

目をひく限定バージョン

 ステアリング上部にレーザーエッチングによるシリアルナンバーが刻まれるほか、「98」の数字を取り入れた専用ロゴがテールカウル周辺にあしらわれるなど特別な外装を持ち、オリジナルカラーをイメージしたワインレッド(Rosso Verghera/ロッソ・ヴェルゲーラ)は、手作業によって何層にも塗り分けられています。

ど特別な外装を持つ『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ』と筆者(青木タカオ)
ど特別な外装を持つ『スーパーヴェローチェ98 エディツィオーネ リミタータ』と筆者(青木タカオ)

 抜きんでる存在感に、特別感がいっそう高められているだけのことはあって、大阪を皮切りに開催された今春のモーターサイクルショーで本邦初公開すると、ファンらから熱視線を浴びました。

 毎年恒例、JAIA日本自動車輸入組合・二輪車メディア向け試乗会でも目立ちまくっています。跨っていると「これはスーパーベローチェ800の特別バージョンだよね」などと、ジャーナリストらも声をかけてきて、異彩を放っているのがわかるのでした。

官能的なサウンドと湧き上がるパワー

 心臓部は水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ、92.0×81.4mmのボア・ストロークで798ccの排気量となっています。

最高出力147PS/13,000rpmを発揮する水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブエンジンを搭載
最高出力147PS/13,000rpmを発揮する水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブエンジンを搭載

 ピークパワー147PS/13,000rpmを発揮し、サーキット専用のアロー・トリプルエキゾーストやレーシングECU、テールカバーなどレーシングキットの装着によって、最高出力は153PSまで高められます。乾燥重量は173kgで、レーシングキット装着車なら165kgまで軽量化されます。

 中・高回転域で胸のすく吹け上がりとともに、わきあがるパワーの盛り上がりを味わうことができます。高揚感のあるサウンドを奏で、官能的な音色。エキゾーストシステムは楽器のようにサウンドチューニングされていることがわかります。

【画像】MVアグスタ「スーパーヴェローチェ98」の詳細を画像で見る(15枚)

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