ポイントクリーニングと調整で火花バシバシに! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ Vol.4

どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年「記念すべき年」に製造された、1962年型スーパーカブC100と暮らしている昨今。グッドコンディションに仕上げましょう。

点火系の要、ポイント(コンタクトブレーカー)に注目

 ティクラースターター(キャブレターに備えられた装置で、エンジン冷間時の始動を容易にするため、空燃比を一時的に濃くする機構)を押してガソリンをオーバーフローさせ、バタフライチョークを引いてキックを力強く踏み込みます。1発、2発……そして6発目を踏み込むと、ポポポポホッポッ~!! とエンジン始動しました。

1962年、昭和37年の10月に、三重県鈴鹿市の本田技研工業鈴鹿製作所から出荷されたスーパーカブC100。交通安全の反射ステッカーが愛知県なので、新車当時は愛知県へ出荷されたと思われます。もっともっとコンディション良く仕上げたいと思います
1962年、昭和37年の10月に、三重県鈴鹿市の本田技研工業鈴鹿製作所から出荷されたスーパーカブC100。交通安全の反射ステッカーが愛知県なので、新車当時は愛知県へ出荷されたと思われます。もっともっとコンディション良く仕上げたいと思います

 しかし、オイル上がりなのか? それともオイル下がりなのか? 原因はまだ特定していませんが、マフラーからはまるで2スト混合ガソリンかの如く、白煙を吹き出します。何十年ものあいだ、普段の足バイクとして使われてきた経緯があるスーパーカブC100なら、おおよそそんなコンディション車が多いはずです。

 将来的には「気になる白煙をマフラーから吹かないエンジン」に仕上げたいと思っていますが、まずは、主要エンジン部品を分解せず、外側からでもメンテナンスできる箇所に注目しました。ここでは、点火系の要でもある、ポイント(コンタクトブレーカー)に注目しましょう。

左側クランクケースカバーを取り外した方がメンテナンス性は圧倒的に良いと思います。慣れてくればポイント点検用の丸カバーを取り外すことで、ポイントコンディションの確認と点検調整は可能です。クランクをゆっくり回してポイントが開いた瞬間が着火タイミングになります
左側クランクケースカバーを取り外した方がメンテナンス性は圧倒的に良いと思います。慣れてくればポイント点検用の丸カバーを取り外すことで、ポイントコンディションの確認と点検調整は可能です。クランクをゆっくり回してポイントが開いた瞬間が着火タイミングになります

ポイントとコンデンサの関係性が重要

 スパークプラグを取り外し、ワイヤーブラシで電極を掃除してから復元しました。燃料コックレバーを動かし、フロートチャンバー内をガソリンで充たしてからキックを踏み込みます。

 すでにエンジン暖機を済ませた状況であれば、その後はキック1~2発でエンジンは気持ち良く再始動できました。相変わらずマフラーからは白煙がモクモク出ます。十中八九!? オイル上がりが最大の原因かと思います(※オイル上がり:ピストンリングとシリンダーの隙間からエンジンオイルが燃焼室に入ってしまう症状。エンジンオイルと混合気が一緒に燃えることで、マフラーから白煙が出ることがあります)。

フライホイールの外周にあるF刻線(点火=〝ファイア″の意味)がクランクケース側の刻線を通過するのと同時にポイントが開くように目視調整。C100はポイントギャップを0.4mmに調整すれば、おのずと点火タイミングが良い位置に来るような機械的設計となっています
フライホイールの外周にあるF刻線(点火=〝ファイア″の意味)がクランクケース側の刻線を通過するのと同時にポイントが開くように目視調整。C100はポイントギャップを0.4mmに調整すれば、おのずと点火タイミングが良い位置に来るような機械的設計となっています

 また、過去に白煙を吹いていて、エンジン整備したのに(ピストンリング交換やオーバーサイズピストンへの組み換えなど)、まだ白煙が消えない!? ような時には、マフラーを一度取り外し、コップ半分程度のガソリンをエキパイ側からゆっくりと注ぎ入れ、マフラーをゆっくり揺らして、マフラー内部の油汚れをクリーニングするのも良いです。

 マフラー内部に溜まっていたエンジンオイルやオイル交じりのカーボン汚れをガソリンで洗い流すことで、その後は、白煙を吹き出さなくなることも多々あります。

 2ストエンジン車の場合は、特に、そのような傾向があるように思います。マフラー洗浄したガソリンを排出すると、真っ黒に汚れています。マフラー単品のまま、風通しが良いところにしばらく放置するか、エアーガンでマフラー内をしっかりエアーブローしてから、車体に復元してエンジン始動しましょう。ガソリンが残ったままだと、エンジン始動時に火が吹き出す可能性もあります。とにかくしっかり乾燥させることが重要です。

 そんなマフラーの洗浄後でも、白煙の量が減らない時には、エンジン腰上のオーバーホールが必要なコンディションだと考えましょう。ピストンリングの交換だけでは済まないほど、ピストンクリアランナスが大きなときには、オーバーサイズピストンでボーリングし直し、エンジンコンディションを高めます。

しばらく放置していた車両はポイント接点が汚れていることが多く、それが原因で、スパークプラグに火が飛ばないこともあります。ポイントクリーニングと調整後は、キックを踏み込むとバシバシバシッとプラグから火花が飛ぶようになりました
しばらく放置していた車両はポイント接点が汚れていることが多く、それが原因で、スパークプラグに火が飛ばないこともあります。ポイントクリーニングと調整後は、キックを踏み込むとバシバシバシッとプラグから火花が飛ぶようになりました

 シリンダーヘッド一体式のバルブガイドが擦り減っているようなら、吸排気バルブの交換と同時にバルブガイドの製作入れ換え、シートカット&擦り合わせを内燃機業者へ依頼するのが良いと思います。これらのコンディションが回復すれば、ベーシックコンディションを取り戻せたことになります。

 ここでは、ポイントの断続タイミングを確認調整しましたが、ポイント接点面が焼けていたり、ただれてザラザラになっている時には、まずは接点面をサンドペーパー(600番程度)で擦り合わせて、ポイントギャップを調整 (一般的に0.3~0.4mm)し、エンジン始動してみましょう。

 エンジン始動中にフライホイールを真横から見て、フライホイールの奥にセットされたポイント接点を凝視してみます。時折、パチッ、パチッと火花が散る程度なら問題ありませんが、エンジン始動中に火花が出続けているなら、コンデンサ(ポイント接点の焼損防止、電気を溜めたり放出したりする部品)のパンクが疑われます。コンデンサ不良が原因で、ポイント接点が荒れてしまうことが実は多いのです。アイドリング中にポイントを見て、著しく火花が散っている時には、コンデンサを交換してみましょう。

【画像】1962年式ホンダ「スーパーカブC100」ポイントメンテナンスを画像で見る(8枚)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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