お肌もバイクも紫外線は大敵! でもどうすれば?
気が付いたら愛車の黒い樹脂製のフェンダーやインナーカウルがカサカサで白く粉を吹いたような感じになっている(涙)。よく見たら燃料タンクやカウリングも、心なしか色褪せているような……マメに洗車しているし、ワックスもかけているのに……なんで!?
意外と大きい、紫外線のダメージ
塗装されていない樹脂製のパーツが白く変色したり、燃料タンクや外装パーツの塗装が色褪せてくると、しっかりメンテナンスしてキチンと走る愛車なのに“ヤレ感”を醸して悲しくなります。理由は色々ありますが、主たる原因は「紫外線」です。

「紫外線」は、波長が可視光線より短くX線より長い不可視光線の電磁波で、英語での「ultra-violet」から「UV」と略されて呼ばれることも多いです。そして暖房器具などに使われる「赤外線」が熱的な作用が多いのに対し、紫外線は科学的な作用が大きいのが特徴です。
紫外線の人間に対する作用で身近なのは「日焼け」ですが、プラスチック製品(PP=ポリプロピレン)の劣化にも大きく影響します(日焼けと樹脂パーツの劣化はメカニズムが異なる)。
たとえばベランダで洗濯物を干すときに使うプラスチック製の洗濯バサミが、いつのまにか色褪せて粉を吹いたようにボロボロになり、使おうと思ったらポキっと折れてしまった……という経験がある方も多いと思いますが、これも紫外線による劣化が主な原因です。
バイクの樹脂パーツは耐候性が高い素材が使われているので、洗濯バサミのようにポキっと折れたりはしませんが、紫外線に晒されると傷むことは事実です。また、スクリーンに使われるポリカーボネートやアクリルは、樹脂パーツの中では紫外線に対して比較的強い素材ですが、紫外線に長期間晒されていると透明度が損なわれたり、表面に細かなヒビが入ることもあります。

バイクを構成するパーツでは、ラジエターとエンジンやウォーターポンプを繋ぐゴム製のホースなども紫外線で劣化します。そしてゴム製品と言えばタイヤですが、こちらも紫外線や大気に含まれるオゾンで徐々に劣化します。
とはいえタイヤは目に見えて劣化(溝の中やサイドウォールの細かなヒビ割れなど)がわかるのは、かなり時間が経過してからです。ただし見た目に劣化していなくても、ゴムの弾性やグリップ力は確実に低下していきます。溝が残っていても「タイヤの賞味期限は約3年」と言われるのはそのためです。

そして性能や機能とは関係ないかもしれませんが、燃料タンクやカウリングなど外装パーツのペイントも、紫外線を浴びることで徐々に「退色」します。
どのカラーも時間とともに色褪せていきますが、とくに赤系のカラーは退色しやすいと言われています。黄色も退色しやすいそうですが、暖色で淡い色は退色が目立たないのかもしれません。
紫外線対策は……日に当てないコト!?
このように、紫外線はルックスの劣化だけでなく、タイヤの性能やゴム製パーツの寿命を縮めるなど、バイクにとってはデメリットばかりです。そこで有効な紫外線対策は……ズバリ、「日光を遮る」ことです。

当然ですが、走行中は紫外線(日光)を遮ることはできません。問題は乗っている時間よりずっと長い「駐車中」です。たとえば屋外に駐車している場合は、必ずバイクカバーをかけましょう。防犯や風雨から守るためにバイクカバーを使ってる人も多いと思いますが、なるべく日光を遮断できる生地が厚いモノや、UVカットを謳っている製品がオススメです。
ガレージなど屋内保管の場合も、窓に遮光カーテンをかけて日光の差し込みを遮ったり、屋内用の車体カバー(インナーカバー)を利用することも効果があるでしょう(毛布やタオルケットなどをかけておくだけでも効果アリ)。
他にもツーリングなどの出先では、バイクを停める時はできるだけ日陰に停めるように意識するのも、長い目で見たら効果があるでしょう。
紫外線に限らす「劣化」は日々の積み重ねなので、細かな気遣いが大切です。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。









