スズキの本気度が見えた! 折り畳み電動モペッド「e-PO(イーポ)」に見るスズキの次世代モビリティの可能性
先行開発関係者への聞き込みでスズキの本気度が見えた!
試乗会場には、普段なかなかお会いする機会のない先行開発関係者がたくさんいたので、JMS2023で展示されていた他の車両のその後について、こっそり聞いちゃいました。

当時注目度が高かったチョイノリの電動版「e-チョイノリ」(原付一種相当/参考出品車)は、e-POと同じく、電動アシスト自転車のモーターとバッテリーを搭載したフル電動車として展示されていました。

ペダルがなく急な登り坂のパワー不足や航続距離が課題の一つです。e-POのようにペダルを付けてモペッドとしての可能性は? と聞くと、「はい、色々な可能性があると思いますよ」とのことでした。

JMS2023では、電動スクーターの「e- BURGMAN(イーバーグマン)」(原付二種)もありました。交換式バッテリー2個で走り、ガチャコのバッテリーシェアリングサービスを活用することを前提に開発されています。実証実験を2023年4月から行っていますが車両発売の可能性を聞くと、現状ではこのシェアリングバッテリーがホンダ製で一般向け販売時にどうするか? と、バッテリーステーションの数もまだ少ない現状がある様です。

スズキは2012年から電動スクーター「eレッツ」を販売していた過去もあり、電動バイクの技術やノウハウはあるんですよね。e-バーグマンも車両開発はほぼ終了している様なので、バッテリー課題のクリアが次の進展へのカギになりそうです。近い将来動きがあるのか気になるところです。

「水素エンジンバーグマン」(試験車両)の状況も聞いてみました。スズキはHySE(水素小型モビリティ・エンジン研究組合員)でもありますが、業界全体としても可能性のある水素の研究開発は、必要不可欠だそうです。
水素燃料はガソリンに比べてエネルギー密度が小さいため大きな燃料タンクが必要で、バイクにどう搭載するかや、最高出力の確保が大きな課題。まだ研究が始まって間もないものの、市街地走行ではガソリン車と同程度の走りをするそうです。
スズキは2017年に、水素で発電しながら走る燃料電池のバイク(つまり電動バイク)「バーグマン フューエルセル」(軽二輪)を18台投入して、スズキの社員が仕事でのアシに使うなど実践的な公道実証実験を行っていましたが、話を聞くと「あれはもうデータ収集は終わり、実証実験も終了して車両は走っていません。次のフェーズに進んでいます」とのこと。具体的に何を進めているのかは不明でしたが、クルマでは水冷式で大型の燃料電池が多い中で、スズキはバイクで開発することで、小さな空冷式の燃料電池開発に成功しました。この燃料電池技術は、スズキの小さな軽自動車にも活かされる可能性があります。

座って乗れる四輪の特定原付車(JMS2023では「SUZU」シリーズとして発表)も、開発は進んでいるそうです。これらの先行開発はホンダやヤマハ、カワサキなど他の大手も間違いなく行っているはずですが殆どが公表されません。ですがスズキは全方位で開発していることを公表し、ユーザーからの声を反映して次の開発に活かしています。
e-POだけではなく、今後も続々と新しいモビリティの動きが有りそうな予感で、「スズキの今後の動向に目が離せない」とワクワクしているボクです!
■スズキ「e-PO(イーポ)」(原付一種)

●全長×全幅×全高:1531×550×990mm
●車軸館距離:1044mm
●シート高:780-955mm
●車体重量:23kg
●原動機:直流ブラシレスモーター
●定格出力:0.25kW
●一充電航続距離:20km(フル電動走行時)
●駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
●バッテリー電圧/容量/重量:25.2V/16Ah(403.2Wh) /2.5kg
●充電時間:約5h
●ブレーキ:F/機械式ディスクブレーキ R/ローラーブレーキ
●タイヤサイズ:F/18-2.125 R/20-2.125

Writer: 近藤スパ太郎
タレント/プロデューサー。ハーレーでルート66を全走破してアメリカ大陸横断。ロシアンラリー二輪部門出場、チベットチョモランマツーリングなど芸能界きってのバイク好き。芸名はバイク好きでも知られていた伊丹十三監督から、映画「スーパーの女」に出演した際に命名された。
環境番組のパーソナリティを担当して以来、電動モビリティや環境を配慮した次世代モビリティ、環境問題にも興味津々。
俳優・MC・リポーターのほかWeb メディアSPANGSS や、芸能・制作プロダクションSPANCHOOS の代表も務める。



















