ホンダ「スーパーカブC100」白煙対策!! 3ピース構造のオイルリング採用ピストンを探していたら「スズキ」のあのモデルが…… 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.18
どんなバイク、どんなモデルでも、自分自身にとって思い入れがあるバイクには、ある種違った感情がありますよね!? 自分自身の生誕年は「記念すべき年」ですが、そんな生誕年に想いを馳せて、1962年型スーパーカブC100と暮らしているぼくなのです。旧式パーツを使った旧式エンジンだから、オイル上がりやオイル下がりが起こりやすい設計なのは致し方ありません。そんなホンダスーパーカプC100シリーズのオーナーさんにとって、おそらく気になる「白煙対策」を本気で実施することにしました。
当初は「スズキGS250FW用純正ピストン」を加工流用
ホンダ「スーパーカブC100」の白煙対策としてピストンを探していましたが、実は、なかなか都合が良いものを見つけることができずに、苦労した経緯がありました。探していたボアサイズはφ42~44mmでピストンピン径はφ13mm、それでいて2バルブ仕様のエンジンでした。

最初に注目したピストンは、スズキGJ71Aと呼ばれるエンジン型式=刻印があるエンジンのもので、取り外して採寸しました。そのモデルとは、スズキ初の250cc、水冷4気筒エンジンを搭載したGS250FWです。1ボディで2ベンチュリを採用した、独特なデザインのキャブレターが特徴的なモデルでした。
ピストンピン径がΦ12mmだったので、オーバーサイズ加工が必要不可欠なのはすぐに判断できました。それ以上に困ったのが、ピストンハイト問題でした。
GS250FWは、それなりのチューンドエンジン的な性格を持ち、ショートハイトのピストンにロングコンロッドを組み合わせたエンジン仕様も特徴でした。つまり、ピストンピン径を加工して合致させたところで、C100純正ピストンのハイトと一致しないため、現実的に利用することができません。
仕方ありませんので、実は、この企画実行の前に、ピストンハイトが一致するように、C100のロングストローククランクを作った経緯がありました。ボア×ストロークは44×45mmとなり、排気量が70ccになるC100が完成しました。
ロングストローククランクの採用によってトルクが増し、さらに3ピースのオイルリングの採用によって(トップリングやセカンドリングもC100純正と比べて薄いハガネ製)、エンジン始動直後から、オーバーヒート状況へ移行しても、マフラーから白煙が噴き出すことはありませんでした。
このロングストローククランクの製作と同時に、シリンダーヘッドの吸排気バルブにもステムシールを追加したため、オイル下がりの要素も減り、尚更、マフラーから白煙を吹き出すことは無くなりました。このバルブステムシール付きシリンダーヘッドへの改造内容は、追ってリポートしたく思います。これはスポーツカブC110でもスーパーカブC100でも極めて効果的な「モダナイズ」(現代では当たり前の技術を旧車に採用)です。
同系列でもピストン形状が異なっていたGF250
ピストンハイトが一致しない、一致するように加工できないピストンは、流用チューニングベースの部品としては致命的でした。

そんな折、偶然に分解エンジンの画像を見たのが同系列エンジンを搭載した、スズキGF250というモデルでした。パソコン画像で見る限りでは、GS250FW用ピストンと比べて、ぼくの目にはピストンハイトがかなり高く見えました。
GS250FWは1983年頃に登場した国産初の250cc水冷4気筒モデルで、GF250は同系エンジンを搭載し1985年の登場からしばらく発売されていた記憶があるバイクでした。そこで、ネットオークションでGF250エンジンから取り出した中古ピストン+リング+ピストンピン4セットとシリンダーを購入しました。

手元にあるGS250FW用ピストンと比べてみました。正直、驚きました!! エンジンの高性能化を狙ったショートハイトピストンへの進化ではなく、首振りが少なく、メカノイズが少ないハイトの高いピストンを採用していたのが、後継モデルのGF250でした。
「このピストンなら、ノーマルクランクのC100やC105にも使えるはずだ!!」と直感的に思い、ここで解説している実験的なエンジンチューニングを試しました。主要部分の機械加工は、すべてiB井上ボーリングさんへお願いし、現物合わせのピストントップ加工は、我がガレージの旋盤で行いました。そして、何とかカタチにすることができました。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。










