モリワキがつくったレーシングマシン「Z900RS MORIWAKI改」とはどんなマシンなのか?
10年前の初開催から着実にファンを増やし続けているレース「鉄馬withベータチタニウム」。そこに参戦し話題を集めるモリワキエンジニアリングの会長 森脇尚護さんにジャーナリストの後藤武さんが話を伺いました。
自社製と純正部品でチューニング
九州で人気急上昇中のレース、鉄馬の最速クラス、アイアンスポーツエキスパートクラスで圧倒的な速さを見せつけているのがモリワキレーシングのカワサキ「Z900RS」のレーシングマシンです。

しかも森脇尚護さん自身がライディングしているところがまた話題になっています。今回の記事では、モリワキレーシングのZ900RSレーサーに関してお聞きしてみることにしました。
―――Z900RSレーシングマシンを製作することになった経緯を教えて下さい。
私たちは、サーキットを最高の実験場、そしてレースを性能評価の場と捉えています。また、ライダーが安全にライディングスキルを習得・向上させる場でもあると考えています。
鉄馬参戦プロジェクトが発足した際、私たちは鉄馬最大のレギュレーションである「鉄フレーム車両」を基準に、適したバイクを探しました。その中で最も人気があり、真っ先に候補に挙がったのがZ900RS/CAFE(以下Z900RS)でした。

当時の市場調査によると、Z900RSのレース用カスタムパーツはほとんど存在しておらず、私たちが得意とするレースパーツの開発に大きな可能性があると感じました。こうして、Z900RSをベースにしたレーシングマシンの製作がスタートしました。
私たちはZ900RSでの鉄馬参戦を通じ、多くのライダーにサーキット走行の楽しさを伝えたいという想いがありました。やがて、各地のZ900RSオーナーズクラブが中心となって走行会が開催され、さらに鉄馬実行委員会の協力のもと、日本初のZ900RSワンメイクレースが開催されるまでになりました。
―――Z900RSレーシングマシンを制作するにあたって重視した点などを教えて下さい。
Z900RSレーシングマシンを制作するにあたって、私たちが重視した点は、運動性能の向上です。Z900RSはサーキット走行を前提としていないモデルのため、レース用に特化したパーツ開発が必要でした。
特に、車体重量が重いことを考慮し、装着するパーツは高剛性を保ちつつ、できる限り軽量化することに重点を置きました。これにより、サーキットでの走行性能向上を実現しました。

―――エンジンのチューニングメニューに関して教えていただけますでしょうか?
エンジンはカワサキ他機種のシリンダーとピストンを流用し、1043ccへボアアップ。これに伴い、カムシャフトとミッションも同様に変更しています。
多機種の純正パーツを流用した理由は車体メーカーが開発したパーツであり、信頼できると考えたからです。

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HSR九州(HONDA SAFETY & RIDING PLAZA Kyushu)ではST1000、つまり最新スーパースポーツによるレースも開催されていますが、驚くべきことにモリワキレーシングのZ900RSは、ST1000のトップタイムに勝るとも劣らない速さを発揮しています。さぞかしすごいチューニングが施されているのかと思いきや、メーカーの純正パーツを流用して手堅くまとめられていたんですね。
それでもここまでの速さを発揮できているのはベースマシンであるZ900RSのポテンシャルが高いだけでなく、モリワキレーシングによってマシン全体のバランスを考えた適切なチューニングが行われていることの証明。そして森脇尚護会長のライディングなどの総合的な力が組み合わされた結果なのでしょう。
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。












