山岳絶景チャレンジコース200km!! タイ北部の標高1715m「ドイプーカー」と山奥の製塩所「ボーグルア」へ
険しい山々が連なるタイ北部で、その魅力を余すことなく体感できるナーン県のサイクリングコースを紹介します。ナーン市を起点に距離200km、獲得標高4000mという、チャレンジングな上級コースを走ってきました。
200kmの山岳地帯一周コースを走る
タイ北部は険しい山岳地帯が特徴です。その真髄を味わえるナーン県発のサイクリングコースを紹介します。起点はナーン市、距離200km、獲得標高は驚異の4000mという、挑戦心をくすぐるルートです。

ラオスと国境を接するナーン県の東部は、ルアンパバーン山脈が織りなす険しい山岳地帯です。その中でも、標高1715mまで舗装路が続き、自転車で登ることができる「Doi Phu Kha(ドイ・プー・カー)」は、山好きのサイクリストならぜひ訪れたいスポットです。
今回紹介するコースは、古い街並みが残り、落ち着いた雰囲気のあるタイ北部の街「ナーン」をスタート&フィニッシュとします。まずは「プア」という町まで、約60km平坦基調の道を北上します。
(※タイ全体の位置関係と、実際に走ったルートはフォトギャラリーの画像で確認できます)
ここからが超級山岳ドイ・プー・カーへの登坂となります。一息に上り続けるのではなくて、2回大きな下りを挟みます。そのため麓から山頂までの標高差は1400mほどですが、獲得標高は1700mくらいになります。登坂中に300mのダウンヒルを挟むという計算になります。
全体的に路面は綺麗で、道幅の広い2車線路です。しかし、山岳道路なので、タイミングによっては、土砂崩れなどで道路が荒れているポイントがあるかもしれません。十分に注意しましょう。
また、タイの路面は表面がツルツルと光っていて、非常に滑りやすいのが特徴です。下りは十分に注意するとともに、雨の可能性がある日の登坂は見送ると良いでしょう。
タイの山では、日本と違って九十九折でゆったりと登っていくのではなく、斜面をまっすぐ急勾配で登っていく道路と頻繁に出会います。ここドイ・プー・カーでも、登坂区間は急勾配が多く現れます。体力に余裕を持って、序盤の飛ばしすぎには注意しましょう。
全長34kmにも及ぶ長い登坂の末に辿り着いたビューポイントでは、遠くまで連なる山々の絶景が待っています。山頂の標高「1715」と書かれたモニュメントの前は記念撮影スポットで、登頂記念の1枚をお忘れなく。
山頂にはカフェや出店も並びます。絶景を堪能しながら一休みして、トイレも済ませてからダウンヒルに入ると良いでしょう。
山奥なのに塩の産地!? ボーグルア岩塩場
「1715」ビューポイントから下ること十数キロの場所に、こんな山奥なのに、たくさんの観光客で賑わっている村が現れます。
この村では、塩分濃度の高い地下水が流れています。井戸から汲み上げた地下水を鉄鍋に入れて、薪で温めて塩水を蒸発させることで、塩を生産している村なのです。今では数軒になってしまったという製塩所ですが、建屋の奥には窯があり、製塩を行っている様子を見ることができます。
製塩所となっている家では、塩の販売も行っています。食塩からバスソルトなど、様々な塩製品を購入することができます。
タイ北部と言ったら、定番ランチは「カオソーイ」
ボーグルアは観光地だけあって、飲食店も豊富です。何を食べようか悩んだら、北部名物のタイ風カレーラーメン「カオソーイ」で決まりです。
筆者(才田直人)のオススメは「カオソーイ・ガイ(鶏)、ピセ(大盛り)」です。まだ全行程の折り返しです。しっかり食べて、後半戦に備えましょう。
ちなみに、この後もルート上にはカフェや出店が定期的に現れます。山奥で腹ペコでハンガーノック(エネルギー切れ)なんてことにはならずに済むはずなので安心してください。
道路が観光資源! 絶景スポットが連続のルート「1081」
ボーグルアからナーンに向かうルート「1081」は、タイ有数の絶景が続く山岳道路として有名です。
しばらくのどかな田園風景の下り基調の快走路を抜けると、アップダウンが始まります。これがかなり強烈です。獲得標高1500mは覚悟しましょう。
その代わりご褒美が盛りだくさんです。山岳風景はもちろん、道路そのものが撮影スポットとして人気となっており、クルマもバイクも、たくさんの観光客が立ち止まってその景色に見入っています。
「1081」を走破する上で、必ず足を止めておきたいポイントを2つ紹介します。
まずは「Tortuous Road Viewpoint」です。その名の通り「曲がりくねった道の展望台」です。アップダウンが始まると、まず現れる壁のような激坂で、その中腹に位置する展望台です。登ってきた峠道を一望することができる絶景展望スポットです。

そして「Street Number 3」は、尾根沿いに延びる道が数字の「3」の形を作るビューポイントです。道端には多くの出店が立ち並び、大勢の観光客が満足のいく写真を撮ろうと順番待ちをするほど賑わっていました。
この他にも、道中にはたくさんの展望スポットや、眺めの良いカフェがあります。直感に任せて、思い思いに立ち止まってみると良いでしょう。
また、今回のコースは「プア」の町を発着としても同じスポットを回ることができます。距離120km、獲得標高3000mくらいで、少し難易度も下がります。レンタカーで移動したり、プアを滞在先に選ぶのもアリでしょう。
タイ北部を代表する絶景ルートを、ぜひ体感してみてください。このコースを走るためにナーンを訪れる価値は十二分にありますよ!
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。













