ふたつの国立公園で絶景ヒルクライムを堪能 タイ北部を拠点に異国サイクリング

タイ北部のナーン県にある山間の小さな町「ナーノーイ」は、「シーナーン国立公園」と「クンサターン国立公園」の間に位置しています。絶景を堪能できる壮大な山岳ルートを自転車で巡れば、心と脚を満たしてくれること間違いありません。

ボリュームは十分、激坂は少なめでオプションもアリ

 タイ北部ナーン県の山間に位置する小さな町「ナーノーイ」は、東西を「シーナーン国立公園」と「クンサターン国立公園」というふたつの国立公園に挟まれています。国立公園は観光地として整備されており、それぞれ標高の高い山岳道路が通っています。ナーノーイに滞在すれば、このエリアの山岳道路を自転車で満喫することができます。

「シーナーン国立公園」の山岳道路沿いには複数の展望台があります
「シーナーン国立公園」の山岳道路沿いには複数の展望台があります

 ナーノーイの町から東に位置する「シーナーン国立公園」は、激坂が多いタイのヒルクライムの中では勾配が控えめで、比較的走りやすいルートとなっています。登坂距離は約10km、平均勾配は5%を少し超える程度です。

 路面はよく整備されており、広い2車線の道路が続きます。ただし、山岳道路である以上、大雨などで崩れることも考えられます。さらにタイの路面は非常に滑りやすいので、雨の日のクライミングは避け、ダウンヒルの際も十分に注意しましょう。

 このルート上で、自転車で登ることができる最高地点が「ドイ・サムダーオ」です。「ドイ」とはタイ北部の方言で「山」を意味します。

 最後の数百メートルは料金所のゲートを通る必要がありますが、自転車での進入には料金はかかりませんでした。

 山頂付近には飲食店が数件あり、筆者(才田直人)が訪れた平日の昼時は、3軒が営業していました。さらに山頂のキャンプ場には売店もあるため、簡単な飲み物やお菓子の補給も可能です。

 山頂にはテントが並び、シンボル的な存在感を放つ獅子岩がそびえ立っています。東側の景色は切り立った急傾斜で、遥か下にはナーン川が流れる様子が見え、その標高差は650mにも及びます。この壮大な展望は圧巻です。

 西側の景色は山々が連なる奥にナーノーイ方面の風景が広がり、東側とは異なる趣を楽しむことができます。

 もし体力に余裕がある場合は、登ってきた道のさらに向こう、反対側に一度下ってから再び登り返すのも良いでしょう。山頂から見下ろしたナーン川まで一気に下り、山頂で視覚的に圧倒された標高差を自らの脚で駆け上がる達成感は格別です。

 なお、登り返す場合は、やや勾配が厳しく、標高差も600mを超え、よりチャレンジングなコースと言えます。山頂以外に補給ポイントもありません。あくまで体力に余裕があるときのオプションとして検討しましょう。

標高差1000mを駆け上がり、天空のカフェで一休み

 ナーノーイから西側の「クンサターン国立公園」までは、登坂距離約19km、平均勾配6%、標高差1000mに迫るヒルクライムです。序盤は緩やかですが、後半は10%以上の急勾配が延々と続くような厳しい区間が待ち受けています。タイの峠道は日本のように九十九折が少なく、直線的な急勾配で一気に駆け上がるのが特徴です。その特性を存分に味わえるコースとなっています。

「クンサターン国立公園」のゲート前のカフェには、絶景を望むイスが用意されています
「クンサターン国立公園」のゲート前のカフェには、絶景を望むイスが用意されています

 序盤は集落を抜けていきます。そこから視界が広がり、急勾配の道が延々と続く中盤へ。そして、ようやく登り切った先には息をのむような絶景が待っています。路面は基本的によく整備されており、幅の広い2車線道路が続いています。

 登り切った先に「クンサターン国立公園」のゲートがあります。すぐ向かいには景色を楽しみながらくつろげるカフェがあるので、ここで一息つくのがオススメです。

 さらなる絶景を求めて、ゲートの先に続く激坂を進みます。自転車での入場には料金はかかりません。ゲートから200mほど登ると、キャンプ場のビジターセンターや食堂、そしてカフェがあります。

 プラスチックコップのコーヒーや、紙皿で提供されるキャンプ場のカフェのホットサンドなど、お世辞にも洗練されているとは言えませんが、登り切った達成感と、目の前に広がる大パノラマを眺めながら味わうと格別です。

 ここも通り抜けが可能な山岳道路です。ナーノーイ側(東側)の登坂よりも西側の方が標高差が大きく、同じように激坂が現れます。挑戦する場合は心して挑みましょう。

※ ※ ※

 このふたつの国立公園へのアクセスが容易なのが、ナーン県の「ナーノーイ」という町です。小さい町ながらも宿泊施設はもちろん、コンビニやスーパー、飲食店が数件あり、山岳ライドの拠点として申し分ありません。

 ナーノーイの静かな環境と温かい人々が、心地よい滞在を提供してくれるでしょう。タイ北部の壮大な自然を自転車で駆け抜ける旅。ナーノーイを拠点に、絶景の山岳道路を走破できるのです。

【画像】タイ北部を自転車で巡る旅。絶景ヒルクライムに思わず息をのむ!?(13枚)

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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