タイではじめて恐竜化石が発見された地へ 恐竜の足跡をたどる自転車旅
タイ北東部の『プーウィエン国立公園』は、タイで初めて恐竜の化石が見つかった場所です。恐竜時代の面影を残すこの地を自転車で巡りながら、壮大な自然と古代のロマンに触れる旅を紹介します。
タイ最初の恐竜化石は新種だった!?
タイ東北部、コーンケーン県に位置する『プーウィエン国立公園』は、恐竜の化石が多く産出する場所です。恐竜時代のロマンが息づく壮大な地形をサイクリングで駆け抜けながら、太古の伊吹に思いを馳せるルートを紹介します。

コーンケーンの中心部から西へ約80kmの距離にあるこの公園は、珍しい二重環状の山脈に囲まれた盆地を特徴としています。まるで阿蘇の「外輪山」を思わせる壮大な景観ですが、公園の地形は火山活動ではなく、地殻変動によって生まれたことが特徴です。
この地で最初の恐竜化石が発見されたのは1976年のこと。ウラン鉱脈の調査中に地質学者が見つけたことで、タイ東北部は恐竜化石発掘の一大拠点となりました。
タイで初めて発見された恐竜化石は、のちに新種とわかりました。この新種「プウィアンゴサウルス」(「プーウィエンのトカゲ」の意味)は中型の竜脚類で、全長15~20m、重さ17tと推定されています。
1億3000万年前の世界を生きたその姿を想像すると、ロマンが広がります。
「チョム・タワンの崖」でヒルクライム!
サイクリストにとっての目玉は、ヒルクライムスポット「チョム・タワンの崖」です。隆起によって生まれた、盆地を取り囲む山脈の急峻な崖を駆け登り、崖の淵に立って絶景を堪能できます。入口のゲートで200バーツ(約900円)の入園料を支払い、いざスタート!

約10kmのコースは、最初の6kmが本格的な登坂、続く緩やかな下りを経て、最後の2kmで再び挑戦を強いられる、変化に富んだコースプロフィールです。登りきると、山脈の外側に広がる平地を一望するカフェが迎えてくれます。
「チョム・タワンの崖」は海抜687mで、自らの脚で登破した景色を目の当たりにする瞬間は格別です。さらに、登坂ルートの途中には恐竜の足跡化石を観察できるスポットもあるのでお見逃しなく。恐竜時代に想いを馳せるサイクリングが楽しめます。
恐竜化石の発掘現場を巡るハイキング
国立公園内には9つの発掘ポイントがあり、うち3カ所を実際に訪れることができるハイキングコースが整備されています。このコースは、ビジターセンターを発着する1周3km、所要時間は約2時間です。
「プウィアンゴサウルス」のタイプ標本(新種の基準となる世界で唯一の最も重要な標本)が発掘された「サイトNo.1」や、現在進行形で発掘調査の様子を見ることができる「サイトNo.3」は注目です。
山道や階段が続くコースもあるため、歩きやすいシューズを用意するのがオススメです。また、ハイキングコース中には売店や水場はないので、ビジターセンター隣の売店で飲み物を購入するなど、十分に準備を整えてから歩き始めましょう。

実際の化石を見る・学ぶ「プーウィエン恐竜博物館」
公園の恐竜や地質について、より理解を深めるために訪れたいのが「プーウィエン恐竜博物館」です。タイで初の恐竜化石や、新種「プウィアンゴサウルス」のタイプ標本を実際に見ることができます。
さらに、動く恐竜模型や多くのレプリカなど、多彩な展示が展開されています。入場料は60バーツ(約260円)で、子供だけでなく大人も楽しめる内容が満載です。
博物館で知識を得たあとにサイクリングやハイキングに挑めば、独特な地形や発掘現場がより特別な意味を持つはずです。太古の地球の記憶が刻まれた「プーウィエン国立公園」は、サイクリングと冒険の旅を存分に楽しむことができるのです。
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。














