「日本が遠い……!!」 運休と遅延と上海1泊 イタリアからの帰国旅で食べた「機内食」

2025年9月上旬に行われたMotoGPサンマリノGPの取材を終え、わたし(筆者:伊藤英里)は日本に帰る飛行機で機内食を楽しむ……つもりだったのですが、なかなかにハードな旅路となりました。

トラブル続きの帰路。日本に帰れるのは、いつ?

 2025年シーズンのMotoGP第16戦サンマリノGP(9月上旬・イタリア)の取材を終え、わたし(筆者:伊藤英里)は日本に帰る飛行機で「機内食」を楽しむ……つもりだったのですが、なかなかにハードな旅路となりました。

中国東方航空を利用した際にサーブされた機内食。チャーハンらしき鶏肉の入った味付けご飯が「チキンライス」だった
中国東方航空を利用した際にサーブされた機内食。チャーハンらしき鶏肉の入った味付けご飯が「チキンライス」だった

 2カ月ぶりの機内食は、ミラノのマルペンサ国際空港から中国の上海浦東国際空港へのフライトでした。このフライトにたどり着くまでがなかなか難儀で、まず予約したフライトが運休になりました。フライトのひと月前のことです。運休自体は大したことではありません。まあこういうこともあるだろうと、翌日の同じ時間の便を予約しなおしました。

 まあまあ大変だったのは、そのあとです。サンマリノGPの取材後、わたしはボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港で借りたレンタカーを返却し、ボローニャからミラノへと電車で移動する予定でした。ボローニャ空港からは、東京までのちょうどいい便がなかったからです。

 このミラノ行き電車がとんでもなく遅延して、駅で3時間以上も待機するはめになりました。と言っても、遅延などでいちいち腹を立てていたらヨーロッパで電車移動などできやしません。遅延もあれば、車両故障による途中駅での乗り換えもありますからね。このときも、まあこういうこともある、とひたすらに待ちました。

 ようやく到着したミラノで1泊して、翌日にマルペンサ空港へ向かい、ついに予約しなおした便の搭乗口にたどり着くと、今度は待てど暮らせど搭乗が始まらないのです。この遅れは「オペレーション・コントロールのため」と説明されたのですが詳細はわからず、結局、21時10分の搭乗開始予定が23時ごろになりました。

 そんなこんなで、上海行きの飛行機の座席に腰を下ろしたとき、自分の体がズシリと重いことに気が付きました。想定していた疲れは許容できるものですが、予想外の事態に振り回されると、疲労は倍増するものです。

 離陸を待ちながら「ああ、きっと上海の乗り継ぎには間に合わないなあ」とぼんやり思いました。上海での乗り継ぎ時間は2時間程度。預けた荷物のピックアップが不要なので問題ないだろうと思っていたのですが、ここまで遅延しては無理でしょう。いや、もはやどうでもいい。わたしが不安を募らせたところで状況は変わらないのだから……。

 気が付くと、もはやミラノははるか遠く、上海まであと2時間というところでした。ぐっすりと寝込んでいて、最初の機内食を食べ損ねたわけです。「機内食ファン」としては、ちょっと……いえ、かなりショックでした。が、気を取り直しました。「まあ、こういうこともある」と(今回の帰路で、この言葉を何度繰り返したことか!)。

 今回利用したのは、中国東方航空です。「中国の航空会社だと機内食が辛いのだろうか」とかなり心配しましたが、そんなことはありませんでした。

 わたしは辛いものが大の苦手なのです。着陸前の機内食の選択肢は「チキンライス」または「オムレツ」だったので、「チキンライス」を選びました。ケチャップで炒めたものを想像していたのですが、提供されたのは鶏肉の入ったチャーハンらしき炒め飯、それにフルーツとチョコレートマフィン、それから飲むヨーグルトでした。なるほど、確かにこれも「チキンライス」です。

 パンが無いのにバターがついてきたので、「これはマフィンにつけるのか……?」と、食文化の違いに悩みながら完食したころ、クロワッサンのサーブがありました。「え、このタイミングで!?」と、混乱したのはわたしだけではなかったようで、隣の席の人も「え!?」と、戸惑っていました。パンのサーブを忘れていたのでしょうか。それともあれが正しいタイミングだったのか……いまだに謎です。

初の上海で、カップラーメンを食す

 果たして上海に到着すると、予想通り、乗り継ぎの羽田空港行きの便はすでに出発していました。乗り継ぎカウンターで翌日の羽田空港行きの便を取り直し、航空会社が手配したホテルに向かったわけですが、細かく説明していくとぐったりと疲れるほどひとつひとつに大小のアクシデントが発生したので、おおまかに「15時ごろに空港に到着し、21時ごろにホテルの部屋に入った」としておきます。

 このホテルも部屋数の手配がまったく間に合っておらず、結局、見知らぬ日本人のお嬢さんと同室になりました。これはこれで楽しかったのですが、このときの混乱ぶりがおわかりいただけるのではないでしょうか。

上海から羽田空港までの便でサーブされた機内食。ポークかビーフの選択肢で、ポークを選択。お肉が箸で切れるほど柔らかかった!
上海から羽田空港までの便でサーブされた機内食。ポークかビーフの選択肢で、ポークを選択。お肉が箸で切れるほど柔らかかった!

 わたしにとっては、これが初めての中国でした。まさかこのような形で中国を体感することになろうとは……空港からホテルまではわずか数時間で、しかしこれでもかと濃厚な時間でした。

 と言っても、わたしはこの出来事をすべてネガティブにとらえているわけではありません。ホテルで奔走してくれたスタッフは親切だったし、同室のお嬢さんが中国語を話せたので交渉してくれて、夜食にと持ってきてもらったカップラーメンと魚肉ソーセージを食べることができました。

 カップラーメンも「辛いかもしれない」と警戒していたのですが(大げさだと思わないでください。とにかく辛いものが苦手なのです)、美味しかったです。きちんと出汁がきいていました。日本のカップラーメンとの違いと言えば、フォークがついていることでしょうか。ヨーロッパでもよく見かけます。カップラーメンやカップ入りのサラダには、フォークがついていることがあるのです。

 外食に出る時間も気力も無かったので、中国で食べたものは、このカップラーメンと魚肉ソーセージだけでした。

 翌日、羽田空港行きの便は無事に定刻通り、上海を後にすることができました。飛行機のシートで安堵のため息が出たのは言うまでもありません。

 フライトの運休を含め、本来の帰国予定日から2日遅れて羽田空港に到着。「まあ、こういうこともある」日本への帰国の旅路でした。

【画像】「中国の航空会社だと辛いのだろうか」? イタリアからの長い帰国旅で食べた「機内食」を画像で見る(8枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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