ヤマハ「XSR900 GP」(2026年モデル)黄×黒のラインがカッコイイ! 過去にもあった「USインターカラー」一挙公開!!

ヤマハのスポーツヘリテージ「XSR900 GP」に、イエローにブラックのラインが鮮やかな新色が登場しました。1980年代のグランプリで活躍したレーシングマシンをオマージュしたカラーですが、じつはこれだけではなかったのです。

往年のレースイメージを強く打ち出す「イエロー×ブラック」

 1980年代のWGPマシンやレーサーレプリカを彷彿させるスタイルが人気の、ヤマハのスポーツヘリテージ「XSR900 GP」に新色が登場しました。イエローにブラックのラインが入ったグラフィックは「USインターカラー」と呼ばれています。

 このカラーリングは、ヤマハが1970年代から1980年代にかけてアメリカのレースシーンで活躍したバイクや、1978年から1980年には現在のMotoGPの元となるロードレースの頂点であるWGP500のワークスマシンンにも採用されたカラー&グラフィックです。

 そのためこのカラー&グラフィックは「ヤマハUSカラー」と呼ばれたり、ブラックの部分から「ストロボカラー」と呼ばれることもありますが、現在はグラフィックの部分のみを「スピード・ブロック」と統一して呼んでいます。

 これはヤマハのレーシングカラーに、白地に赤のラインを入れたパターンもあるからだと思われます。

1978年のWGP500ワークスマシン「YZR500(OW35K)」は、排気量499ccの水冷2ストローク並列4筒エンジンで105馬力以上を発揮
1978年のWGP500ワークスマシン「YZR500(OW35K)」は、排気量499ccの水冷2ストローク並列4筒エンジンで105馬力以上を発揮

 ともあれ、USインターカラーは個性的で目立つため人気があります。そして「XSR900 GP」だけでなく、過去には様々なヤマハ車が纏っています。

1970~80年代は2ストローク車、90年代は4気筒ネイキッドに採用

 おそらく公道市販モデルで、最初にUSインターカラーを採用したのは1977年に発売された「RD400-II」でしょう。ヤマハの市販2ストローク車で最大排気量だった「RD350」の排気量をさらに拡大した「RD400」(1976年)に、テールカウルを追加しています。

 また輸出モデルでは、USインターカラーにキャストホイールを装備したモデルもあったようです。こちらは車体を共有する「RD250」でも同カラーが存在します。

 これらのバイクはヤマハがWGP500マシンでUSインターカラーを採用した時期と同じなので、レースイメージの強調や販売プロモーションのために用意したのではないかと思われます。

おそらく市販モデルで最初にUSインターカラーを纏った「RD400-II」(1977年)
おそらく市販モデルで最初にUSインターカラーを纏った「RD400-II」(1977年)

 そしてヤマハの2ストロークスポーツと言えば、1980年発売の「RZ250」が超有名ですが、翌1981年には兄弟車の「RZ350」が発売され、1983年に戦闘力をアップした「RZ250R/350R」にモデルチェンジします。

 そしてアメリカではこのモデルを「RZ350」の名称で販売しましたが、1984年にはビキニカウルを装備したインターカラーの限定車が発売されました。このバイクは“キング”ケニー・ロバーツ選手の活躍を記念したもので、ビキニカウルには彼のサインのステッカーが貼られていました。

 それから時代は流れた1995年。フランスGPで過去のチャンピオンライダーをゲストに招いてコースを走行する催しがありました。その時使われたのがヤマハのビッグネイキッド「XJR1200」で、かつてチャンピオンライダーたちが駆ったGPマシンを模したカラー&グラフィックが施されました。

 中でもケニー・ロバーツ選手が乗ったUSインターカラーはかなりの好評で、それを元に1977年の欧州モデルの「XJR1200」にUSインターカラーが登場しました。ある意味、1984年の「RZ350」限定モデルと近しい感じではないでしょうか。

 翌1998年に排気量を拡大した「XJR1300」にモデルチェンジしますが、2001年の輸出モデル「XJR1300SP」(オーリンズ製リアショックを装備)に、再びUSインターカラーが登場します。よく見るとブラックのスピード・ブロックのグラフィックが従来と異なるモダンなデザインに変わっています。

 そして2003年に、ついに国内モデルの「XJR1300」にもUSインターカラーが登場。コレは待ち焦がれたヤマハファンが多かったことでしょう。さらに翌2004年には兄弟モデルである400ccクラスの「XJR400R」にUSインターカラーがラインナップされました。

ヤマハ50周年記念でMotoGPを走行!

 2005年には再び「XJR1300」にUSインターカラーが登場しますが、こちらは従来とは異なり、「ヤマハ発動機創業50周年」の記念モデルで、限定200台発売でした。

 そして2005年はMotoGPのアメリカGPにおいて、バレンティーノ・ロッシ選手が駆る「YZR-M1」がUSインターカラーにペイントされました。1980年代以来、世界最高峰のレースを久々にUSインターカラーが走ったわけです。

ヤマハ発動機創業50周年を記念して、2005年のMotoGPアメリカGPではバレンティーノ・ロッシ選手がUSインターカラーにペイントされたワークスマシン「YZR-M1」で参戦
ヤマハ発動機創業50周年を記念して、2005年のMotoGPアメリカGPではバレンティーノ・ロッシ選手がUSインターカラーにペイントされたワークスマシン「YZR-M1」で参戦

 50周年記念モデルのUSインターカラーは、スーパースポーツ車のトップモデルである「YZF-R1」(2006年/輸出モデル)にも採用され、国内にも逆輸入されました。さらに足まわりを強化し、パワーも向上した上級モデル「YZF-R1S」(2006年/輸出モデル)にもUSインターカラーが用意されましたが、こちらは国内未導入でした。

ヤマハ60周年は「USインターカラー祭り」!?

 時間は飛びますが、2026年はヤマハ発動機創立70周年になります。そこでヤマハは、スーパースポーツモデルの「YZF-R」シリーズ5機種の2026年モデルに、記念カラーを用意しました。

 ヤマハが1964年に初めて250ccクラスのチャンピオンに輝いた「RD56」に施した「白地に赤のライン」をオマージュしたカラー&グラフィックになり、ヤマハファンを喜ばせるモノになっています。

 そこで時間を10年巻き戻して「60周年」(2016年)を見てみると……なんとUSインターカラーにペイントされた記念モデルが大挙して販売されました。

 まず海外モデルでは、前年2015年にフルモデルチェンジで戦闘力を大幅にアップした「YZF-R1」やミドルクラスのスーパースポーツモデル「YZF-R6」、さらに「XJR1300」をカフェレーサー風に仕立てた「XJR1300C」や大型アドベンチャーの「XT1200Z」、日本では2019年から販売された「XSR700」の先行して海外で販売された「MTM690」にUSインターカラーがラインナップされました。他にも、エンデューロモデルの「WR450F/250F」にもUSインターカラーが施されました。

 そして日本では超弩級のドラッグクルーザー「VMAX」や、ストリート系クルーザー「BOLT-C SPEC」、ヘリテージスポーツ「XSR900」や空冷単気筒で人気を博した「SR400」、スクーターの「マジェスティS(XC155)」にUSインターカラーが用意されました。

 もはや2016年は「USインターカラー祭り」と言えます。

ヤマハ発動機創業60周年を記念し、USインターカラーを纏った「SR400」(2016年)は期間限定予約の受注生産
ヤマハ発動機創業60周年を記念し、USインターカラーを纏った「SR400」(2016年)は期間限定予約の受注生産

 というワケで、20世紀のモデルは旧車の域ですが、2016年なら10年前なのでまだまだ元気。中古車を探すのも現実的です。とはいえ2016年に国内販売されたUSインターカラーのモデルは、いずれも受注期間予約の限定発売なので中古のタマ数は不明ですが、標準カラーのモデルより相場は高い傾向にあります。

 ちなみにヤマハ純正アクセサリーを扱うワイズギアでは、過去に「YZF-R1」(~2011年)や「FZ1」、「WR250R/X」などのUSインターカラーの「外装セット」を販売していましたが、現在は残念ながらすべて販売終了しています。

 しかしイエロー×ブラックのUSインターカラーには、えも言われぬ魅力があります。気に入った車種や外装パーツがあるなら、じっくり探してみるのも良いでしょう。

【画像】「イエロー×ブラック」が眩しい!! ヤマハの「USインターカラー」をまとった歴代モデルを画像で見る(27枚)

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Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

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