モトグッツィ「V7 lllレーサー」 熟成し続け現代に至る縦置きV型2気筒モデル

Moto Guzzi(モトグッツィ)の「V7 lll レーサー」は、長年継続して開発されてきたモデルです。特徴的な縦置きエンジンは、1967年のオリジナルV7から基本的レイアウトを変更せず今日まで製造されています。

流行りのネオクラシックモデルとは一味違うモデル

 50年以上に渡り、一貫して空冷の縦置きV型2気筒エンジンとシャフトドライブにこだわってきたメーカーがイタリアのモトグッツィです。その歴史を簡単に振り返りつつ、古き良き時代のテイストを今に伝える「V7 III Racer(レーサー)」を紹介していきます。

モトグッツィ「V7 lll Racer」に試乗する筆者(伊丹孝裕)

 モトグッツィの創設は1921年のことです。これは現存するイタリアのメーカーとしては最も古く、第一次世界大戦のさなかに出会った3人のイタリア空軍候補生に端を発します。

 それが機械を得意としていたカルロ・グッツィ、富豪一族の息子でもあったジョルジオ・パローディ、そしてレーサーとしてもパイロットとしても優れた資質を持っていたジョヴァンニ・ラベッリで、彼らはバイクの話題で意気投合。戦争が終われば自分たちのメーカーを興そうと誓ったのです。

 ところが、ラベッリは終戦直後に飛行機事故で他界してしまいます。その夢を叶えることはできませんでしたが、残されたグッツィとパローディはイタリア空軍のシンボルでもあった鷲の図柄を社のマークにも採用し、雄々しく羽ばたくその姿にラベッリの勇姿を重ね合わせたのでした。

「モト・グッツィは今でこそクラシカルなバイク造りで知られていますが、1957年までは世界グランプリに参戦し、250ccクラスや350ccクラスでいくつものタイトルを獲得しています。レース活動を終了した後はその技術力をV型の縦置きエンジンへ注ぎ、1967年にオリジナルのV7を送り出すと、その基本レイアウトを今日まで引き継いでいるのです」とモト・グッツィを取り扱うピアッジオ・グループジャパンの河野僚太さん。

 現行のV7シリーズは2008年に登場し、その後V7 IIへと進化。そして、2017年に登場したのが今回のV7 IIIというわけです。

 オリジナルと現行モデルには時代的に大きな隔たりがあります。そういう意味では、かつての名車をモチーフにしたネオクラシックモデルなのですが、特筆すべきは流行りに乗った単純な企画モノではないということでしょう。

 というのも、V7 IIIのエンジンの源流をさかのぼっていくと、1977年に登場したV35(346cc)とV50(490cc)にたどり着くからです。オリジナルV7の直系ではないものの、その兄弟モデルのエンジンを41年間に渡って改良し、熟成さながら今に至っているという点において、格好だけのネオクラシックモデルとは一線を画しているのです。

スポーティなキャラクターのV7 lll レーサー

 そんなV7 IIIには現在4種のラインナップがあり、このV7 III レーサーには最もスポーティなキャラクターが与えられています。

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